糖質オフ生活奮闘記12

糖質オフアドバイザーを目指す~筋肉と肝臓の働き~

公開日:2020.03.19

更新日:2020.03.19

糖質オフアドバイザーの資格を取ったさいとうさん。糖質がもたらす体への影響を解説します。今回は、健康のためにとっても大切な肝臓の働きについてまとめました。

筋肉と代謝と糖質の関係

筋肉と代謝と糖質の関係

糖質オフ生活では、健康的であることを何よりも大切にしています。そのキーワードとなるのが、筋肉と肝臓ですので、今回は糖質と筋肉と肝臓の関係性について触れてみましょう。

人は運動していないときでも、「基礎代謝」を行っています。心臓を動かしたり、呼吸をしたり、全身の筋肉を働かせたりして活動し、一日のエネルギー消費のうち、何と60%が基礎代謝です。

基礎代謝のうち、最大の割合を占めるのが、筋肉によるエネルギー消費で、筋肉量に比例して、消費されるエネルギーが増えます。糖質オフ生活でカギとなる「糖新生」という代謝システムも、筋肉と肝臓が関わっています。

「糖新生」とは、肝臓が脂肪から分解されるグリセロール、筋肉を構成しているアミノ酸などを材料に、体に最低限必要なブドウ糖を作り出す働きで、誰もが持つ共通の代謝システムです。

これにより、糖質制限をしても、低血糖になることはありません。

■筋肉と代謝の働き
1日の総エネルギー消費量の分布
1. 60%基礎代謝(基礎代謝の20%は筋肉による消費)※生命活動を維持するための代謝で、何もしなくても消費されるエネルギー

2. 10%食事誘発熱産生 ※摂食後消化の際に消費されるエネルギー

3. 30%身体活動 ※歩くなど活動によって消費されるエネルギー

◎大きな筋肉はより多くのエネルギーを消費する

肝臓の大切な働き

肝臓

肝臓には、緊急用のエネルギー源として、グリコーゲンという形で糖質が蓄えられていますが、その量はごくわずかですので、体内のブドウ糖が不足すると、糖新生によってブドウ糖を作り出し、全身に送り出します。

■糖新生のメカニズム
体がブドウ糖の不足を感じる
    ↓
筋肉に蓄えられたアミノ酸・乳酸が肝臓に送られる
    ↓
アミノ酸・乳酸を肝臓はブドウ糖に作り変える
    ↓
全身に送り出す

この糖新生があるからこそ、糖質制限を行っても、糖新生により血糖値は一定に保たれます。

糖血糖では、肝臓が筋肉のたんぱく質(アミノ酸)から糖を生み出します。そのため、たんぱく質を十分に摂取しない糖質オフ生活を行うと、筋肉がやせ細ってしまいますので、注意しましょう。

肝臓とアルコール

ビール

肝臓は、アミノ酸や乳酸をブドウ糖に変換する糖新生を行う他にも、アルコールの分解や有害物質の解毒と分解、消化に必要な胆汁の合成と分泌を行う役割があります。肝臓は、以下のように幅広い働きをしますので、アルコールを飲み過ぎないなど、できるだけその負担を減らすことが大切です。

肝臓の働き
★栄養素の変換と貯蓄
★有害物質の解毒・分解
★消化に必要な胆汁の合成・分泌
★アルコールの分解

健康的なアルコールの摂取法
★飲み過ぎない
★ゆっくり飲む
★おつまみと合わせる
★休肝日を作り肝臓を休ませる

アルコールの過剰摂取をすると、肝臓がアルコールの分解を優先してしまい、糖新生が後回しになります。

また、酔うと衝動的に暴飲暴食をしてしまい、糖質制限が実践できなくなるだけでなく、低血糖状態になる可能性もあります。

次回は糖質制限とダイエットです。

参考文献「糖質OFFアドバイザー基礎理論編」大柳珠美監修

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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