有料老人ホーム訪問記(4)

元気なうちに入居?シニア向け分譲マンションを見学

公開日:2020.01.15

50の手習いで始めた水泳、スマホへの買い替えなど、さまざまなことに挑戦をする姿をつづるひよっこさん。元気なうちにと終の棲家を探し中です。その見学の感想をお伝えしてきます。今回は、シニア向け分譲マンションを訪問してきました。

シニア向け分譲マンションとは?

シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは、民間企業が販売・運営しているバリアフリーの老人向けの分譲住宅で、主に自立しているか、要介護が必要な老人向けの住宅です。居室面積が広く、自分のペースで生活できます。それだけでなく、協力医療機関、医療ソーシャルワーカーや看護師の健康相談、ケアプラン作成や在宅介護支援などの取次のサポートが受けられます。館内に訪問介護・居宅介護支援事務所が併設され、緊急時の対応もあります。

他にも、温泉大浴場、レストラン、フィットネス・レクリエーション設備が充実しているようです。

以前訪問した、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との違いはサ高住が、高齢者住まい法という法律に基づきバリアフリーなどの設備基準が定められていて、行政機関に届け出や登録が義務付けられていますが、シニア向け分譲マンションはこういったことが必要ではありません。

シニア向け分譲マンションの大きな特徴は売買や賃貸が可能な所有権があるということです。資産性が高いとも言えますが、長所とも短所ともなりえます。

長所は家族や子供に贈与や相続できる、また第三者に売却や賃貸できることですが、短所は、将来的に介護付き有料老人ホームなどに住み替えが必要になったときに思った通りの価格で売買ができるかはわからないことです。立地や建築年数によって、当初の購入価格を大きく下回る可能性もありえます。

東証一部上場企業によるマンションの販売センターへ

訪問したシニア向け分譲マンション

私が訪問したシニア向け分譲マンションを販売しているのは、東証一部上場の会社でした。名前を聞いたことがないのでちょっと心配でしたが、関東地域ですでにこういったシニア向け分譲マンションを12棟、約2000戸を販売しているということで実績はあると思いました。

駅前のマンション内にある販売センターが会場でした。パンフレットには現地への案内図があったので、現地に向かおうとして電話したら、まだ完成していないので、販売センターは駅前のマンション内に作っていますのでそこにおいでくださいと言われてしまいました。

入口には、シニア向け分譲マンションの完成予定モデルが置いてあり、応対用の机やいすがたくさん並べられていました。

壁には、部屋番号と契約済みを示す赤いバラの花が付いた紙が貼られていました。私は平日に行ったので、他に訪れている人は1組のご夫婦だけでしたが、休日にもなれば、人がたくさん訪問するのかなと思いました。

部屋の奥には、実物大のモデルルームが作られていました。

中年の落ち着いた担当者の女性が現れ、パンフレットの説明をしたあと、同じようなマンションのビデオがありますので、ご覧くださいといわれて、視聴しました。

千葉県で完成し、入居している方に取材したものでした。入居者の声として、魅力の第一位は、スタッフが誠実な対応をしてくれるので、安心して暮らせるというもので、やはり、スタッフの対応がよく、安心感をもてるところが一番いいんだなと思いました。

モデルルームを見学。充実の施設

モデルルームを見学

この後、部屋の奥にあるモデルルームを見学しました。腰をかけて靴を脱ぐことができる玄関ベンチ、住まいの中を極力バリアフリー構造にしてある設計、浴室や仕切りなどには容易に開閉できる引き戸を採用するなど、シニアにやさしい設計になっていました。居室には緊急コールボタンがある他、在宅の場合でも、12時間以上センサーが稼働しない場合は自動通報されてスタッフが24時間いつでも駆けつけるとのことでした。

食事は最新のIHのコンロがあるキッチンで作れますが、疲れたときはカロリーや塩分計算など健康にも配慮した食事(三食)が提供されるレストランが併設されていて、ここで食事をいただけます。リラクゼーション効果の高い人工温泉大浴場やマッサージルーム、カラオケルーム、ビリヤードラウンジ、ダーツコーナーや集会室もあります。健康相談室には看護師が常駐して、日常の、一時的な介助や健康に対する相談にのってくれます。

介護事業者との連携や、協力医療機関との連携もあります。訪問介護でホームヘルパーが部屋を訪問してくれて食事、入浴、排せつ等の身体介護や掃除、洗濯、調理などの生活援助をしてもらえます。

マンションが完成した後は、協力医療機関経由で最寄り駅までの送迎バスも運行される予定とのことでした。

この後、タクシーで建設中の現地に向かいました。あいにく私が行ったときには、工事現場が閉まっていて中には入れませんでした。鉄筋コンクリート5階建ての建物ができる予定とのことです。もっと大規模な住宅を建てたかったのだが、住居地区のため高さ制限があってこの規模になったということでした。現在は最寄り駅からバスで10分、下車したバス停から徒歩4分とちょっと不便な感じはありますが、送迎バスが運行するようになったら、それほど不便な感じでもないのかなと思いました。近くに大型の商業施設があり、買い物は大抵そこで済ませられるとのこと。建設地は丘の上にありますが、施設から少し歩くだけで行かれます。

シニア向け分譲マンションのお値段は?

気になるお値段

さて、気になるお値段ですが。186戸計画されており、48平米から73平米ぐらいまでで、一番小さいお部屋でも3800万円ほど必要です。(物件価格が3600万円のほか登記費用などが必要となる)このほか、月々に管理費等が6万2千円ほど、修繕積立が8600円ほどかかります。

今私は普通の分譲マンションに住んでいるので、これは高いと思いました。担当者は、送迎バスの運行とか人工温泉大浴場などがあるための費用ですと説明していました。

担当者が強調していたのは、このようなシニア向け分譲マンションを買いたいと思っているのは70歳代が最も多いが、50代の方も購入意欲が強いということでした。

健康なうちから予防医療・介護予防に取り組む生活をすることにより、健康寿命を延ばし生活を満喫したいと考える人が増えているのだそうです。

例えば高齢になると、温泉大浴場には行きたくないと思う人も多いのだそうです。

別の会社のアンケート結果だそうですが、元気なうちに早めに住み替えを希望する方が多いというのを聞いて昔とはずいぶん考え方が違っているなあと思いました。

建物自体の完成は2021年の1月近くで、引き渡しはその後になるようです。かなり先のことになりますが、すでに契約済みとなっている住居も40戸ほどあり、こうしたシニア向け分譲マンションへの潜在的な需要があるのだなあと思いました。

見学を終えて

見学しての感想ですが、このシニア向け分譲マンションは高いなあと思いました。特に管理費が高いので、ずっと住み続けていて負担になってくるのではないかと思います。

それと、現在住んでいるマンションの方が立地がよいので、住み替える理由があまり感じられませんでした。駅から平坦な道を6分ほど歩いて行けばいいですし、駅の周辺や自宅近くに多くのコンビニやスーパーがあり、また大きな病院や診療所もたくさんあります。送迎バスもあるとのことですが、高台の上の住宅地は外出したときの往復がきつそうです。

あと、介護が必要になったときに、最終的には介護付有料老人ホームに入居せざるを得ないと思っているので、中間的な施設としての位置付けになってしまうのではないか。

その場合うまく売却できるか、不安になります。

次回は、ちょっとお高いサービス付き高齢者住宅を紹介しようと思います。ここは、以前紹介した不動産会社と同じ系列の会社が運営するものです。

ひよっこ

水泳をするかたわら、陸上でストレッチやピラティスなどをやっています。色々レッスンを受け、顔なじみの人と友達になることができました。近くのフードコートで、ジムの話はもちろん、旅行や今日のおかず作りの話をすることが楽しみになっています。

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