不自由なりに楽しむクルーズ旅まであと1か月!

助っ人の登場で、戻ってきたルンルン気分

公開日:2019.12.06

2016年、C型肝炎を克服してわずか21日後に脳出血になったharumatiさん。海外旅行が叶わない日が続いていましたが、ついにクルーズ旅に挑戦します。体に残る障害を理由に、寄港地でのツアー参加を断念し落ち込んでいたところに、救いの手が!

ボランティアを終えて駆けつけた母の13回忌

母の13回忌に集まった兄弟姉妹。私が生まれた女木島を背景にパチリ

10月31日には、漁業体験ボランティアに向けて、夫のふるさと三重県のログハウスに向かいました。今度は、3日間とも晴天に恵まれそうです。

着くと早速、体験当日、ロープワークを指導してくださる漁師さんたちに挨拶するために、海岸の作業現場へ。それから、宿泊施設とお弁当屋さんに最終の人数確認。翌朝は、毎年体験を受け入れてくださっている鰤漁の会社の社長さんや、今年初めて受け入れてくださる養殖漁の漁師さんとの細かい詰めの打ち合わせ。地元意識の強い土地柄だけに、私は表には出ず、夫一人で、朝から大忙し。

寄港地でのオプショナルツアー参加が思い通りに行かないという重い気分を引きずりながらも、一旦そのことは横に置いて、学生さんの漁業体験を成功させなければなりません。

11月2日、予定通り、先生の引率で10人の学生さんが最寄り駅に到着。好天の中、地元の方々の善意に支えられて、11月4日、全ての体験が成功裏に終えました。学生さんたちを駅まで送ると、私たちは、そのまま車を飛ばして、私のふるさと高松に向かいました。

実は、11月4日は、母の13回忌の法事だったのです。10月に漁業体験が延期と決まった時点で、(困ったことになった)と思ったのですが、私たちがコーディネートしている行事だけに致し方ありません。そのことを息子に相談すると、「法事に間に合うように、早朝に家を発ち、新幹線で、日帰りで僕が行く」と、申し出てくれました。御香料や、お供え物を息子に託し、お参りの作法を伝授しました。

私たちは、車の中で、作業服から会食用の洋服に着替え、明石海峡・鳴門大橋を走り抜けて5時間後、翌日から仕事がある息子と入れ替わるタイミングで、会食会場に到着することができました。

高速道路を5時間飛ばし続けること(ただ乗っているだけとはいえ)、狭い車の中で着替えて身だしなみを整えること、一つ一つが不自由な身にとっては大変なことでしたが、代わりに法事に参加してくれた息子、朝から一休みもしないで、車を走らせてくれた夫に感謝しつつ、私の心は達成感に満たされていました。

兄弟姉妹、みんなでホテルに一泊して、翌日は、母ともよく行った源平合戦の史跡として有名な屋島へ。脳出血後初めて会う兄弟もいたのですが、さりげなく私に合わせて行き先を決め、私のペースに合わせて歩いてくれたので、穏やかな瀬戸内の空気を体いっぱいに感じながら、杖歩行で屋島山頂を一周することができました。

上の兄たちや姉が小・中学生時代を、下の兄と私が生まれ、小学校低学年時代を過ごした女木島(鬼ヶ島)を背景に、記念写真を撮りました。そして最後に、母のお気に入りだった讃岐うどんの店へ。69歳の私から、78歳の長兄まで、5人の兄弟全員が元気に集まれたことを喜び合いました。

気持ちを切り替えて、寄港地での過ごし方再検討

机の上は資料でいっぱい。やっと計画の詰めが進み始めました
机の上は資料でいっぱい。やっと計画の詰めが進み始めました

そんなハードなスケジュールをこなした後も、熱を出したり、寝込んだりすることもなく、帰ってきた翌日から、体力作りのリハビリに行くことができました。ますます船旅への自信は高まり、オプショナルツアーを受け入れてもらえなかった悔しさが再燃してきました。

「去年屋久島でも、全行程参加できたのに」「疲れてきても、あなたの腕を貸してもらいさえすれば、ちゃんと歩けるのに」と、つい不満が口をついて出てしまいます。けれども、集団行動である以上、もしものことを考えるのは主催者としては当然のこと。もう一度、「マイペース」の寄港地での過ごし方を、よく考えてみようと気持ちを切り替え、旅行雑誌「るるぶ」や「マップル」を買ってきて、一から研究のし直しを始めました。

助っ人 現わる

一連の行事が終わって久しぶりの英会話サークルの日、一人の先輩と入り口でばったり出会いました。出会った途端「今日サークルが終わったら、ランチしながらピースボートの話をしない」と、声をかけてくださったのです。

彼女は第100回のピースボートの乗船経験者。迎えに来た夫と3人で、色付き始めた木々が美しい、林の中のレストランで話を聞かせてもらいました。

まず、港ですぐにタクシーが拾えるのかどうか訪ねました。答えは「YES♪」下船時、入国審査などの手続きを済ませると、どこの港でもズラリとタクシーが待ち構えているとのこと。例えばバリなら、「行きたいのは○○と△△、時間は◇◇時間。××ルピアでどうでしょう」と、交渉するのだそうです。とんでもない料金をふっかけられる等、タクシーでのトラブルは全然聞かなかったとのこと。目の前がパーッと明るくなった気がしました。

その1週間後には、英語サークルの別の友人が、「役に立つ話ができるかどうかは分からないけれど」と、話をする機会を作ってくれました。彼女は、しばらく前まで毎年ご主人様と、時には息子さんや娘さんもご一緒に、ニュージーランドを訪れて暖かいお正月を過ごし、レンタ―カーで気の向くままに、美しい景色の中を走るというなんとも贅沢な経験をたくさんしてこられた方です。

彼女も、慣れない土地で、しかも限られた時間の中でのレンターカーは避け、タクシーを進めてくれました。ニュージーランドの中でも最も楽しみにしている、クライストチャーチは、一方通行が多く、慣れない者のスムーズな移動は難しいのでは……ということでした。あわせて、「ミルフォードサウンド、ダウトフルサウンドを、乗船していった船からじっくり見られるなんて最高」とも。イルカ、アザラシ等が悠然と泳ぐ姿、何より船からの星空が美しいとも。

助っ人の登場で、オプショナルツアー参加に頼らない楽しみ方のイメージが膨らみ、私にルンルン気分が再び戻ってきました。さあ! 出発まで後ちょうど一か月。私がこれを書いている横で、聞かせてもらった話を元に、夫が計画を詰めています。

次回は、「私の3本目の柱「旅行」への復帰が、もうすぐ始まる」

harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

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