もっと知りたい「葉酸」のこと

健康寿命を延ばすカギは「葉酸」にあった!?

公開日:2019.09.05

更新日:2019.11.19

埼玉県在住の上野さん。「日本一健康な街」を目指す坂戸市が主催する「葉酸セミナー」に参加しています。今回は、そのセミナーで学んだことの一部を報告してくださいました。

埼玉県坂戸市と「葉酸」

私の住む坂戸市は埼玉県中部にある人口10万1000人の都市です。市内にある女子栄養大学副学長の香川靖雄先生の研究で、認知症や脳卒中の原因となる動脈硬化の予防効果があるとされる、葉酸を一日400マイクログラム摂取する運動を進めています(1マイクログラムは1ミリグラムの1000分の1)。

その葉酸の勉強と葉酸が不足しやすい体質も調べて下さるということで、全7回にわたるセミナ-に参加することにしました。

香川先生は1932年、東京都生まれの87歳です。女子栄養大学副学長、自治医科大学名誉教授、栄養科学研究所所長をなさっています。1955年聖路加国際病院で、日野原重明先生の臨床現場での指導のもと、医師実地修練をされていました。このセミナーで、雑誌「ハルメク」でずっと連載をされている日野原先生のお名前を聞き、お二人の親交が深かったことがわかりました。お二人は命を大事にするというお心があり、香川先生の講演も人への優しさが感じられるものでした。

セミナーに参加してきました!

第1回のセミナ-は、「葉酸で健康寿命を延ばそう!」がテ-マでした。

葉酸は、ブロッコリ-、ホウレンソウなど緑色の野菜、海苔やお茶などに多く含まるビタミンB群の一種です。取り出してみると橙色の粉です。ビタミンCは白色です。

「葉酸」とはどんなものか、以前ご紹介しました。

葉酸は生命の基本のDNAの合成、調節、修復と有害なホモステインの除去で多数の疾患を予防します。ホモステインはアミノ酸の一種で血液中に増えすぎると、血管の内側の細胞を傷つけるなどして、動脈硬化の危険率を高めます。

ホモステインについてもう少し詳しくお話しします。

ホモステインは元々無害だったアミノ酸が私たちの肝臓の中で突然変異によって、化学変化を起こしたものです。ホモステインは肝臓で作られ、人体に有害な活性酸素を出す物質です。ホモステインが出す活性酸素は血管の壁にかさぶたを作って、動脈硬化や、心筋梗塞の原因になったり、骨に到達すれば骨粗しょう症の原因になったりもなるのです。ホモステインが増えると全身で様々な悪さをします。これを撃退できる唯一の物質が葉酸なのです。

日本人の食事摂取基準では、15歳から17歳の葉酸摂取量は1日250マイクログラム、18歳以上は240マイクログラムとされ、米国の400マイクログラムの60%しかなりません。野菜だけでは1日400マイクログラムの葉酸摂取は難しい。そこで、国民の健康を守るために、米国はすべての穀類に葉酸を加えることを義務づけて成果をあげました。1998年を境に米国の脳卒中死亡率が急激に減少したということが、今回のセミナーで報告されました。

日本では認知症が増えている!?

日本では認知症が増えている

葉酸摂取量が日本の倍の米国は心疾患が半減しています。要介護者も減少しています。日本では15年間に認知症は4.5倍に、うつ病は2.5倍に激増しています。日本は65歳以上の11%がフレイルになってます。フレイルとは、体重減少、疲れやすくなった、筋力の低下、歩くのが遅くなったなど、活動性の低下を表します。これらは認知症につながるといわれています。

認知症につながるフレイルという症状を知り、自分にもあるかしら? 夫はどう? と問いかけるようになりました。

葉酸を意識した食事にしたい

現在、私が暮らす坂戸市で販売されている葉酸添加食品には、パン(さかど葉酸ブレッド)、ドレッシング、カレ-、うどん、卵などあり、「サプリ米」は全国的に販売されています。

私が参加している講義を聞いて、もっと葉酸を意識して摂り、元気に年齢を重ねたいと思いました。

2回目のセミナーでは各個人の血液を採取して、葉酸代謝遺伝子の検査をしてもらえるとのこと。ちなみにこの検査を個人ですると約5万円かかるそうです。

血液検査で自分を知り、食事を見直す機会をいただけると思います。2回目の様子は、次回ご報告いたします。

上野 洋子

ママさんバレ-をしていた私が、30代半ばに「静」のイメ-ジにひかれ、近くの公共の施設の教室で気楽に茶道を始めました。お菓子を食べお茶を飲む、これなら宿題はないかな、こんな動機でした。しかし始めてみると奥深く厳しいものでした。茶道を通して学んだこと、良い先生・仲間のことなどを中心にご紹介していきます。

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