- ハルメク365トップ
- ハルトモ倶楽部
- 文化部
- 不思議な本「熊の敷石」
幼少の頃から読書が大好きな久田さんが、定期的に行っている読書会についてや、文学にちなんだ場所巡り、おすすめの本について紹介。今回は読書会にて、堀江敏幸さんの「熊の敷石」を読んだお話です。
5月は「熊の敷石」
2019年5月の読書会の課題図書は堀江敏幸氏の短編集「熊の敷石」。今までに読んだことのない不思議な本でした。
こんな本を読むのは初めてだと思い、会の席でそんなことを話すと、他のメンバーも同じ意見の人がほとんど。短編小説なのだけれど、斜め読みできないほど密度が濃く、それでいて話が全く違う展開になるので、途中で置いておいてしまっても、またそこから前を読まなくてもスーと入っていける……そんな不思議な本でした。
一見ばらばらな話が絡み合う作品
書き始めは、熊についてのメルヘンチックな描写から始まります。
そして描写は現代へ。
フランス留学経験のある日本人の「私」は、「フランス語辞典」を書き上げた「リトレ」の伝記の紹介文と部分訳を作る仕事のためフランスを再び訪れ、田舎にいる旧友ヤンを訪ねます。
ヤンと再開して話をするうち、「私」はびっくりしました。ヤンはリトレと同郷「アヴランシュ」出身の人だったのです。
そこからヤンとの話が弾み、モン・サン・ミシェルやリトレが引用した寓話について、ヤンとの出会いなどなど、次々に話題が移り変わっていきます。
ユダヤ人問題や、ヤンの隣人カトリーヌと盲目の息子についてなど、重い内容の話も多くありました。
ひとつひとつは関係がなさそうなさりげないエピソードなのですが、それぞれが綿密に絡み合っており、しっかりと繋がって一本の作品を構成しています。
物語の最後は熊の敷石の寓話で終わっていて、非常に考えさせられる内容となっていました。
書き出しと、最後の部分の構成が本当に見事な作品で、時間がある時にぜひもう1度ゆっくり読んでみたい本です。
また、最初に書いた通り少しずつ読むのに向いている本なので、普段はあまり本を読まない人にもぜひオススメしたい一冊です。
堀江敏幸氏の作品を読むのは初めてでしたが、今回の「熊の敷石」が非常に面白かったのでもう少し読んでみようということになり、来月の課題図書は同じ作者の「めぐらし屋」になりました。
-
上質な美酒がずらり!
希少で高価な「貴腐ワイン」を美味しく飲める場所をご存知ですか?何年も工夫を重ねて作られた美酒を、家族やお友だちとご一緒に!ギフトにもおすすめです。 -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
ボクと一緒に歩こう!
日々の歩数を記録して、かわいい「うごくま」がカロリー消費を応援してくれる!独自の歩数計アプリを搭載した便利スマホって? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?