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更新日:2025年05月11日 公開日:2025年05月10日
ガーデンダイアリー
印象派の画家たちの名画が花に囲まれた色彩豊かなガーデンで鑑賞できる……そんな優雅な世界が、標高840mの比叡山の山頂にあります。それは「ガーデンミュージアム比叡」。バラ愛好家でライフスタイルブログが人気の奥野多佳子さんが、バラ咲くベストシーズン6月の様子をご案内。これからのお出掛け計画に入れたくなりますよ。
ガーデンミュージアム比叡は、京都市北部に位置する比叡山山頂にあるガーデンですが、そこではモネやルノワールなどフランス印象派の画家たちの名作を、陶板に再現して花壇の中で展示しています。
そう、庭園の中の美術館です。
絵を観たり描いたりすることが大好きな私にとって、花も絵も両方楽しめる何よりのガーデン! 春に訪れた際は色とりどりの花であふれていたのですが、今回は6月のバラの季節に来てみました。
比叡山の山頂は市街地と比べて4~5℃も気温が低いので、バラも6月中旬頃頃が満開になるようです。
ガーデンは、西側(地図の上)のロープウエイの駅からと 東側(地図の下)の駐車場からの2つのゲートがあって7つのエリアに分かれています。
訪れたのは6月17日。ちょうどバラが満開の頃でした。
ローズガーデンには5点の絵画があって、これはモネの「昼食」。
手前に食べ物が置かれたテーブルやワゴンが描かれていて、左にいる男の子や奥の女性たちが集まって今から食事が始まるような……そんな様子が、黄色やピンクの花の向こうで繰り広げられている感じがするほど絵は自然に溶け込んでいます。
ガーデンミュージアムに展示されている絵画は、タイルと同じように陶器の板に絵を焼き付けて作られたもので、ほぼ原寸大で色彩など忠実に再現されています。自然の中にあって風雨にさらされても、半永久的に変色したり変形することがないそうです。触ってもいいのが何よりうれしい!
陶板の絵画は、京都府立植物園の前にある安藤忠雄さんが設計した「陶板名画の庭」で20年ほど前に初めて見ました。ほぼ原寸大で再現されていたので、ミケランジェロの「最後の審判」などに圧倒されたのを覚えています。徳島県にある大塚国際美術館も陶板名画で有名で、特殊技術で陶板化する日本の高い技術力に驚かされます。
このガーデンでは、12人の印象派の画家の陶板名画を45点も展示しています。
印象派の画家たちがキャンバスと絵の具を抱えてアトリエを飛び出し、自然の光の中で絵を描いたのと同じように、まぶしいほどの光の中で名画を観ることができる……展示室で観るのとは違った開放感や臨場感がありました。
ローズガーデンにはさまざまなバラが植えられています。
早咲きのバラは終わり、オールドローズやシュラブ、ツルバラがよく咲いていました。
修景バラがふんわり。ホロホロと流れ落ちるように、どこもナチュラルな雰囲気です。
アーチに絡ませたバラ、白色はアルバメイディランド、濃いローズ色はコロンとしたポンポネッラ……かわいい組み合わせです。
どのバラもふんわりきれいに咲いていて、甘い香りが漂っています。病気や虫の被害もほとんどなくお手入れが行き届いていました。
花の庭に入ると6連のアーチがあります。フランス・ジヴェルニーのモネの庭をモチーフに作られ、絡ませたポールズヒマラヤムスクはよく咲いて、蕾もまだいっぱい!
これだけ大きなアーチだと誘引するのも大変でしょうけれど、満開の時は大迫力!
アーチの下はネペタなど、かわいい小花がいっぱい。まるで点描画のようです。
ここには10点の絵画がありました。
花壇の色彩は、モネやノワール、セザンヌ、ゴッホたちが描いた作品をモチーフに植栽しているようです。
花の庭にはショップがあります。
ショップの横には ゴッホの「アイリス」。このサイズだと1枚の陶板で仕上げられていて、滑らかな線や微妙な色合いもよく再現されています。これを触れるって……なんだかうれしい。
壁をくりぬいて見える風景も、もう1枚の絵画のようです。
明るい緑の中にピンクのアスチルべ、斜面には千日紅が植えられています。丘の上にあるのは藤棚です。
上の写真は、以前5月に来たときの藤の丘です。紫を中心としたパンジーなどと藤の花色がよく合って、それは華やかな雰囲気でした。
エリアを繋ぐ小径に植えられた大型ホスタの存在感がすごいです。ブルー系や黄色系がこんなに色鮮やかな状態を保てるのは、日差しや気温が適しているんでしょうね。この色合い、成長ぶりが羨ましい!
睡蓮と柳と藤と太鼓橋……まさにジヴェルニーのモネの池! よく再現されています。ポツポツと白やピンクの睡蓮が水面に映えます。
この美しい新緑の中、溶け込むように置かれているモネの絵画。見事に絵の世界が再現されているようです。
このエリアにはモネの睡蓮が6点もありましたが、どの絵にもキャプション(説明文)があって、読み進むとモネの世界へ導かれるようです。その一つをご紹介します。
『睡蓮の池に初夏の光が射すと、黄色やピンクの花々がはじけんばかりの輝きを発する。それを目にするこれほどの悦びはない。するとそこに風がやってきて、池のほとりの草花や水面に映った立木の梢をふるえさせる。その心地よい揺れによって世界は生き物のごとく息づくのだが、そればかりではない。画家の悦びが筆先をふるえさせているのだ』
想像の世界にいざなう言葉の力……素敵な文章を読みながら一つ一つの絵の世界感を感じます。
池の周囲を歩いていると珍しいものを見つけました。
白い泡の塊。モリアオガエルの卵です。泡で守られていてオタマジャクシになったら池に落ちて蛙になるんですね。こんな直径10~20cmの泡の塊が木の枝にいくつも釣り下がっていました。近くではカエルの鳴き声……自然豊かです。
ベンチやパラソルがあって一休みできるエリアです。以前来たときはハープのコンサートが開催されていて、木漏れ日の下、優しい音色にうっとりしました。
「田舎のダンス」が高さ180cmですから2点並ぶと迫力があります。
展望台に置かれていて、ここからは琵琶湖を一望できます。
南フランス・プロバンスをイメージしたエリア……なだらかな丘にナスタチューム、エスコルチア、セージ、ルピナス、セリンセ、ラベンダーなど、あふれるように咲いて、黄色とブルーのコントラストがきれい。
シモツケゴールドマウンドのピンクの花も満開!虫たちも集まってきます。
他にも こもれびの庭があります。
今回、もう一つ楽しみにしていたのが村野藤吾さん設計の展望塔でした。地下1階地上4階建。最上階はぐるりと歩いて回れて、琵琶湖や京都市内など360度パノラマの景色を楽しむことができます。
ガーデンミュージアムが作られる前の比叡山頂遊園地の時に建築されたもので、その頃は最上階は回転して動いていたそうですが、今は老朽化のために止められています。キノコのような面白い形!
展望台からは京都市街だけでなく滋賀の街、晴れていたら大阪湾や伊吹山も望むことができるそうです。ここが動くなんて面白かったでしょうね。
展望塔の横にはカフェがあります。
気持ちのいいテラスです。ランチメニューはカレーやハンバーグがあります。
バタフライピーを使った青いびわ湖ソフト(600円)もあっておいしい~! キャラメルラテやソーダもあるので琵琶湖を眺めながらゆっくり楽しめるスペースです。
カフェにはスーラの「クールブヴォワの橋」
ここからも琵琶湖や近江大橋、大津の辺りまで見渡せます。
広いガーデンをゆっくり巡ると、山頂の心地いい風を感じます。地上より5℃も気温が低いと花たちも色鮮やかで長く咲いてくれますね。
2m×2.5mもある大きな絵が、カツラの巨木に守られるように展示されていて存在感がありました。絵の額縁をなくしてしまっても、白いドレスの女性がカツラの木の向こうにいそうな……そんな気がするほど絵は自然の中に溶け込んでいました。絵の世界に浸ってしばらく見とれてしまいました。
今まで美術館の展示室でドキドキしながら見ていた名画が、太陽の下で自然に伸びをしながら見ることができる、しかも触れる! うれしい経験でした。一つ一つキャプションが丁寧に書かれているので、読みながらゆっくりと、印象派の画家たちの美しい作品を楽しめます。
そして絵の後ろにあるもう一枚の絵画も見事でした。それは比叡山の自然を生かして人々が丁寧に作り出した色彩豊かなガーデンでした。
絵も花も楽しめる庭園美術館、心豊かになれる空間です。
●開園日
2025年4月19日~2025年12月7日
●定休日
水曜日(ただし4/30、 5/7、 8/6、 8/13 は営業)
●開園時間
4/19~10/31は、10:00~17:30(入園は17:00まで)
11/1~12/7 は、 10:00~17:00(入園は16:30まで)
●入園料
4/19~11/24は、大人(中学生以上)1200円、子ども(小学生)600円
その他の期間は、大人(中学生以上)600円、子ども(小学生)300円
※2025年5月1日現在の情報です。最新情報はホームページでご確認ください
※記事中のミュージアムの画像はガーデンミュージアム比叡の許可を得ています。
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