水戸の梅まつりとおさかな天国の癒やし旅(後編)
水戸癒やし旅!ひたちなか海浜鉄道でお魚天国
水戸癒やし旅!ひたちなか海浜鉄道でお魚天国
公開日:2019年03月20日
大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、女性ひとりで気軽に行ける鉄道旅をご紹介します。水戸の癒やし旅後編は、神々しい日の出からスタート。パワースポット巡り、海の生き物、猫、そしてもちろんグルメ情報もてんこ盛りです。
大洗磯前神社の鳥居から昇る日の出
前編はこちら。「水戸の梅まつりとおさかな天国の癒やし旅(前編)」
今朝は5時半起き。服を着替え、歩いてすぐの海岸に急ぎます。
海上の岩の上に立つ大洗磯前神社「神磯の鳥居」から、太陽が昇ってくる瞬間を見るためです。こちらは神が降り立ったという言い伝えがある神聖な場所だそう。
寒い中、海岸沿いにはすでに30人以上の人々がずらりと待機していました。天気予報は晴れ、カメラの三脚を立てて待っている方も多く、美しい日の出に期待がかかります。
そして6時前、凍てついた空気を溶かすかのように地平線が明るくなりました。
なんという神々しさ! 岩にくだけ散る荒波、鳥居のシルエット、けあらし、すべてに見とれてしまいます。地平線に雲ひとつないこれだけきれいな日の出は年に3日ほどしかないそう。
すばらしいタイミングに出合えたことに感謝しつつ、大洗磯前神社にお参りします。856年創建とされる由緒ある神社の境内は、階段を上がった高台の上。中世の戦乱で荒廃したものの、近世になって、水戸藩主の徳川光圀・綱條により再興したそうです。
旅館に戻り、貸切の朝風呂へ。お風呂のある別邸は、どなたかのお宅のようないでたちでした。それもそのはず、もともと旅館オーナー個人の別荘として作られたものだそう。温泉ではありませんが、神社から出る湧き水を引いたもので、なんといってもこの絶景。シャッター式の窓を全開にして入るお風呂は本当に気持ち良かったです。
水族館のアクアワールドで駅弁も食べられます
さて、バスで「アクアワールド茨城県大洗水族館」へ移動。駅や宿で前売り券を買っておくと入館料が10%お得です。館内に入ると、大きな水槽が目に付きます。こちらでは時間ごとに水中カメラを持ったダイバーが大水槽の生物たちを紹介してくれるのです。アクアワールドはショーがたくさんあるので、プログラムの時間に合わせて行動するのがおすすめです。
実はこちらの入口前の売店にも、駅弁・万年屋の店舗があります。今日は「三浜(さんぴん)たこめし」を選びました。三浜というのは大洗、那珂湊、平磯の3つの浜の総称。三浜地区はたこの加工高日本一だそうです。たこが炊きこまれた風味良いおこわの上に、柔らかいたこが5切れ。やはりおこわが美味しいです。館内のカフェで買った地元の「常陸野ネストビール・ヴァイツェン(小菓子付き)」と共にいただきました。
館内は下の階から上へ上へと巡るのが基本ルート。その合間にショーをいくつか見ました。アクアワールドのサメは現在54種類、飼育種類数は日本一だそう。ちなみにエサを食べるサメが見られるのは1日1回のショーのみです。
小さい頃、初めてマンボウを見たときは、あまりのインパクトのためしばらく夢に出てきたほどでした。「マンボウはデリケートな魚で水槽の壁にぶつかってよく死ぬ」とその頃読んだ図鑑に書かれていたのを覚えています。こちらの水槽にも、壁にぶつからないようネットが張られていました。ちなみに自然界でのマンボウの餌はクラゲだそうです。
那珂湊おさかな市場で、安くておいしい海鮮を
水族館を堪能した後は、バスで「那珂湊おさかな市場」へ。見る魚から食べる魚へと移ります。こちらはひたちなか海浜鉄道に乗って何度か訪れたことがあります。活気ある市場ではいつも美味しそうな魚が大量に安く売られていて、眺めているだけでも楽しいです。
昨夜はあんこう鍋を食べましたが、あんこうの吊るし切りを見られなかったことがちょっと残念でした。あんこうはグニャグニャしているので、まな板の上では非常に切りにくい。そこで吊るして解体していくのです。するとちょうど市場で吊るし切りをやっていました。他にも冬ならではの食材がたくさん。いろいろと買い食いして歩くのもおすすめです。
来るたびに違うお店でお寿司や海鮮丼を食べていますが、今回は「海花亭」へ。地魚8種類、他にもネタがたくさんのっている浜の地魚丼です。メニューにはあんこうも書かれていたのですが、この日は入っていませんでした。日によって仕入れる魚が変わるようです。
ひたちなか海浜鉄道は見どころがいっぱい!
市場から歩いてひたちなか海浜鉄道の那珂湊駅へ。
こちらにはいつの頃からか駅に住み着いたオス猫の「おさむ」がいます。おさむは駅長ではありませんが、その存在感は絶大。人を怖がらずホームの真ん中に座っていたりします。しかし媚びることもないので、とりあえず先ほど食べたお弁当の空箱の、たこの匂いでおびき寄せました。まんまと匂いにつられ、クンクンと嗅いでいます。
はい、空です。ごめんなさい。その後いやいやながら、撫でさせてくれました。何度も会っているけれど、ちっとも覚えてくれません。さすが猫。おさむには、いつまでも元気でいてほしいです。
那珂湊駅から終点の阿字ヶ浦駅へ向かいます。ひたちなか海浜鉄道は2008年に茨城交通から第三セクターの鉄道路線として再びスタートを切りました。なんと2024年には、ネモフィラの花で有名な国営ひたち海浜公園西口間前まで延伸する計画があります。
ひたちなか海浜鉄道の駅名標は、各駅の名物などがイラストで描かれた飾り文字。各駅で色も違っていて、全部写真に納めたくなります。
勝田—阿字ヶ浦間の全長は14.3km、その区間の乗車時間は30分足らずと短いです。真ん中あたりに位置する那珂湊駅を挟んで、線路がそれぞれまっすぐに伸びていて、一番前、もしくは後ろから見るととても気持ちがいいのです。田んぼに水が張られている時期は、車両が水田に映り、情緒があります。
阿字ヶ浦駅から徒歩20分ほどの「酒列(さかつら)磯前神社」。創建は856年と言われており、実は朝にお参りした大洗磯前神社とは兄弟神社とのこと。茂った樹木が境内へと続く参道をトンネルのように覆いかぶさる樹叢(じゅそう)が壮観です。
酒列磯前神社は1702年に水戸光圀公の命によって今の場所に遷宮されました。境内には水戸斉昭公が腰かけた石や、撫でると宝くじが当たるかもしれない亀の石像、日光東照宮の眠り猫の左甚五郎作と伝わっている彫刻作品があります。
神社から歩いて「阿字ヶ浦温泉のぞみ」へ。こちらは掛け流しではありませんが、自家源泉を引いた温泉です。露天風呂はいろいろな種類があるので入り比べるのも楽しいです。私が決まってお風呂屋さんで飲むものは、明治のフルーツ牛乳。なければコーヒー牛乳です。最近、フルーツ牛乳を販売している所がずいぶん減った……と思っていたら、なんとこちらのフルーツ牛乳、3月末で製造終了だそう。最後に出合えてよかったです。
帰り道は、黒毛和牛の駅弁「牛べん」で!
お風呂から出て、ひたちなか海浜鉄道で阿字ヶ浦駅から終点勝田駅まで乗り通します。
勝田駅で買った駅弁は、しまだフーズの「牛べん」。地元茨城の黒毛和牛のお弁当です。すき焼き風の味付けをした甘めのたれが食欲をそそります。海鮮が続いていたので、最後にお肉が食べたくなりました。
3月16日からの車内販売の見直しでは、ビールやおつまみは残るというので油断していました。しかし販売員さんによくよく聞いてみると、こちらの地ビールと、しそ巻や笹かまなど日持ちのしないおつまみ類もなくなるとのこと。これからこれらは買って持ち込むしかないようです。最後となる常磐線の車内販売メニューを堪能しました。
土日のバスは朝方2便しかないので注意。水戸駅や勝田駅の駅弁はニューデイズで売られていて、予約もできます。確実に手に入れたい方は予約しておきましょう。
前編はこちら。「水戸の梅まつりとおさかな天国の癒やし旅(前編)」
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