【ラジオエッセイ】山本ふみこ「だから、好きな先輩」
2024.12.242024年02月29日
ハルメク編集部が選ぶ大人の女性におすすめの書籍情報
【書評】『写真でみる紫式部の有職装束図鑑』他
雑誌「ハルメク」の編集部員がおすすめする新刊情報を毎月お届けします。今月は、2024年の大河ドラマの主人公・紫式部の装束や生涯、源氏物語にまつわる衣食住を紹介する、有職研究の第一人者・仙石宗久さんによる「有職装束図鑑」など、3冊をご紹介。
仙石宗久『写真でみる紫式部の有職装束図鑑』
有職(ゆうそく)とは、朝廷や公家の儀式・行事・官職などに関する知識のこと。有職研究の第一人者である仙石宗久(せんごく・むねひさ)さんが、2024年の大河ドラマの主人公・紫式部(むらさき・しきぶ)の装束や生涯、源氏物語にまつわる衣食住を紹介しているのが本書。
十二単(ひとえ)はもちろん、仕事着、日常着、夏の部屋着なども大きな写真で見ることができ、それぞれの装束の成り立ちや仕組み、文様、重ね方などの解説も豊富です。
パラパラとめくっているだけでファッション誌や美術館のようにも楽しめ、目にとまった装束の知識も深められます。男性の装束も紹介・解説。この本を片手にドラマを見れば、ストーリーに加え、衣装の背景もわかって、さまざまな角度から楽しめるかも。
谷山彩子『ごちそうごよみ』
「ハルメクカフェ」でおなじみ、イラストレーターの谷山彩子(たにやま・あやこ)さんによる、行事にまつわるごちそう絵本です。
おせちに始まり、節分、ひな祭り、お彼岸、さらにはハロウィンやクリスマスまで、おなじみの行事に関連するごちそうを1月~12月の順にたっぷりと紹介。くいしんぼうで料理好きの谷山さんの筆によるごちそうの数々は何ともおいしそうで、行事のたびに目を輝かせていた幼い頃の記憶がよみがえるよう。
それぞれのごちそうに込められた意味や来歴も丁寧に紹介されており、1年に節目があることの有難さや、みんなで食事を分かち合う幸せをしみじみ感じることができます。大人も子どもも楽しみながら学べる構成になっているので、プレゼントにもぴったりですよ。
麻生圭子『66歳、家も人生もリノベーション自分に自由に 水辺の生活』
麻生圭子(あそう・けいこ)さんと言えば、吉川晃司(きっかわ・こうじ)さんや浅香 唯(あさか・ゆい)さんなどのヒット曲で知られる作詞家。その後エッセイストに転身したのは、実は耳が聞こえなくなる病気の進行が理由でした。
イギリスから帰国後、琵琶湖のほとりの小屋をリノベーション。65歳で聴力を失うも人工内耳の手術を受けて少しずつ音を取り戻しながら、第2の人生を歩む様子をつづったのが本書です。
真っ白な壁に鹿のオブジェ、玄関ドアは英国のアンティーク。“お気に入り”だけに囲まれた穏やかな暮らしを、美しい写真とともに読むと、麻生さんのお宅にお邪魔している気分に。人生100年時代のセカンドライフのありようを教えてくれる一冊です。
※この記事は2024年3月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。