カテリーナ著『カテリーナの伝えたい5つのこと』

ウクライナで生まれ、19歳から日本で演奏活動を続けているバンドゥーラ奏者・カテリーナさん。祖国ウクライナがロシアの軍事侵攻を受けたとき、日本にいて何もできない無力さを感じながら、精力的に公演を行い、平和への思いを伝え続けています。

さらにステージ上では語りきれない、自身の生い立ち、音楽の大切さ、戦争とは？ウクライナとは？苦しくても夢を持ち続けること、などの思いを本書に込めました。

「国って何？」と問われたら、「おかあさん」と答えるというカテリーナさん。ウクライナは自分が帰ることのできる場所、迎えてくれる人だから。毎日の報道に心を痛めるばかりでなく何か自分にもできるのではと思える一冊です。

和田美代子 （著）、水上 治 （解説）『心もからだもおなかも”湯治”とっておきの温泉宿』

コロナ禍もいったんの落ち着きを見せ、そろそろ旅行へ行きたいと計画している方もいるのではないでしょうか。行き先を決めるお供におすすめしたいのが本書。

老舗にこだわらず、温泉への向き合い方や湯治ができるところを基準に著者が厳選した約27か所の宿と、そこでの真心尽くされた食事が写真付きで紹介されています。

アトピー改善を願い全国から客が訪れる北海道・豊富温泉、日本三古泉の1つである兵庫県・有馬温泉、世界的にも珍しい温泉の熱を利用した天然の砂蒸し風呂がある鹿児島県・指宿温泉……。各地の名湯たちに「ここも、あそこも行ってみたい」と旅への欲求が増します。ああ、温泉に行きたい！

貝谷郁子著『パルミジャーノをひとふり　イタリア旅ごはん帖』

貝谷郁子（かいたに・いくこ）さんは、30年以上にわたり、イタリア通いを続けている料理研究家。一般家庭、農園、ワイナリー、レストラン、料理人などを貝谷さんが訪ね歩き、現地で見聞きしてきたイタリアの料理と文化にまつわる35の話に引き込まれます。

例えば “米は水の中で生まれ、ワインの中で死ぬ”は、ミラノの女性に教わったリゾット作りの重要なポイント。水で生まれるのはイメージしやすいですが、ワインで死ぬとは？答えはぜひ本書で。

その他、トマトソース、パスタ、ピッツァ、フォカッチャに、もちろんパルミジャーノチーズ、と定番のイタリア料理の知恵も満載。陽気なイタリア人たちと街の描写に、今、一緒に旅をしている気分になれます

※この記事は2023年8月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。

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