人生の先輩に学ぶ、生き方と暮らし方の流儀4

樹木希林さん名言集“人と、自分と、どう向き合うか”

樹木希林さん名言集“人と、自分と、どう向き合うか”

公開日:2020年02月25日

樹木希林さん

2018年9月に75歳で亡くなった樹木希林さん。生前の言葉や行動、暮らしぶりには、たくさんの示唆がありました。それは50代からの生き方の道しるべ。樹木さんが残した言葉の中から、人との向き合い方についての珠玉の7つをご紹介します。

人間関係は、相手も自分も認めることから

きんつば
「きんつばを冷凍すると、小豆アイスみたいでおいしいのよ」。取材で伺った際、樹木さんはそう言って、ご自身でお茶を入れてふるまってくださいました

私たちがためこみがちな、人間関係のイライラや、もやもやする思い……。樹木希林さんも、いろいろな思いを抱えていたのかもしれませんが、自分も相手も認めることで、気持ちの整理をつけていたようです。

「自分の悪い点を見据えて、頭を下げるようにしたら、何のことはない、夫は実に優しい人でした」

自分ががんと知り、「夫(ロック歌手の内田裕也さん)に謝罪しないと死ねないと思った」と語っていた樹木さん。翌年の取材時にも、「謝るのはタダだし私にはピッタリ(笑)」とユーモアを交えて、当時の心境を話してくれました。
「いきいき(現ハルメク)」2007年1月号より


「皆が違っていて譲れない部分がある。それを認めた上で、生きて行く私たちっていうのがいいじゃない」

例えば、粒あん派か、こしあん派か。あんこ一つとっても、価値観が異なるもの。でも最後は認め合うしかないのが人間の面白い点、と樹木さんは考えていたようです。
「文藝春秋」2014年5月号より
 

「誰か付いてくれる人がいると、(中略)逆にいろいろ気になっちゃうから、一人の方が気楽なだけ」

晩年、マネージャーを付けなかった樹木さんは、その理由を別の雑誌のインタビューで「自分の亡き後、仕事がなくなって困るだろうから」と発言。「独りの方が気楽」という言葉の裏には、温かな思いやりの心がうかがえます。
「ハルメク」2016年6月号より

50代からの生き方は、求めすぎず、面白がる

もらい物ばかりと言っていた部屋は、不思議と調和していて樹木さんのセンスのよさをうかがわせました
もらい物ばかりと言っていた部屋は、不思議と調和していて樹木さんのセンスのよさをうかがわせました

「『昔はよかった』と嘆くより『へえ、こんなこともできなくなるんだ!』って、自分の変化を楽しんだほうが得ですよ」

老いてくると、例えば、口の周りに何か付いていても気が付かなくなる。そんなときも、「自分でも、よく気が付かないものだなあと、感心する」と面白がっていました。
「PHPスペシャル」2015年7月号より


「人間は50代くらいから、踏み迷う時期になるでしょ。(中略)年齢に沿って生きていく、その生き方を、自分で見つけていくしかないでしょう」

年齢に抗うでもなく、長生きを求めるでもなく、60代なら60代なりの生き方を探る。求め過ぎなければ、楽に生きられるとも話していました。
「いきいき(現ハルメク)」2015年6月号より

「病」をよしとし、今を「上出来」と受け入れる

十数年もがんと向き合ってきた樹木さんは、老いや病気の捉え方にも、独特の考え方を持っていました。不安ではなく変化と捉える。しなやかに、発想を転換していました
十数年もがんと向き合ってきた樹木さんは、老いや病気の捉え方にも、独特の考え方を持っていました。不安ではなく変化と捉える。しなやかに、発想を転換していました

「どの場面にも善と悪があることを受け入れることから、本当の意味で人間がたくましくなっていく。病というものを駄目として、健康であることをいいとするだけなら、こんなつまらない人生はないだろうと」

当時、がんの治療前後で生活の質に大きな差はない、と話していた樹木さん。それは、「病気=悪」と決め付けるのではなく、「善の面もある」と考えていたからかもしれません。
「文藝春秋」2014年5月号より


「いつ死ぬかわからない。諦めるというのではなく、こういう状態でもここまで生きて、上出来、上出来」

病気になると、「こんなはずじゃなかった」と思ってしまいがち。ですが、自分を俯瞰(ふかん)して、現状を「上出来」と捉えることですっと楽になると語っていました。
「婦人公論」2018年5月22日号より


取材・文=長倉志乃、田渕あゆみ(ともにハルメク編集部)
写真=小倉啓芳、島崎信一
※この記事は、雑誌「ハルメク」2019年2月号を再掲載しています。


※雑誌「ハルメク」は定期購読誌です。書店ではお買い求めいただけません。詳しくは雑誌ハルメクのサイトをご確認ください。

雑誌「ハルメク」
雑誌「ハルメク」

女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら