50代からの女性のための人生相談・196

人生相談:独立した子どもとの関わり方がわからない

人生相談:独立した子どもとの関わり方がわからない

更新日:2025年05月19日

公開日:2024年09月25日

人生相談:独立した子どもとの関わり方がわからない

読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は56歳女性の「子どもとのかかわり方がわからない……楽になったと感じる私って薄情?」というお悩みに、仏教の教えをわかりやすく説いて「穏やかな心」へ導く住職・名取芳彦さんが回答します。

名取芳彦
監修者
名取芳彦
監修者 名取芳彦 元結不動・密蔵院住職

 

56歳女性の「独立後の子どもとの関わり方」についての相談

25歳と22歳の子どもがいます。2人とも無事に独立し、一人暮らしをしています。

夜中に帰宅してお風呂に入ったりご飯を食べたりする人がいないので、家のことが本当に楽になりました。

しかし、周囲からは「お子さんが巣立ってお寂しいでしょう」と言われてしまいます。そのたびに「楽になったと感じる私って薄情なの!?」と心配になります。

一方で、22歳の息子が「お金がない」と言ってくるようになりました。この春、社会人になったばかりなので、ある程度は仕方がないと思います。

とはいえ「家電を買ってほしい」「帰る交通費が欲しい」などとねだられるたびに、すごく嫌な気持ちになります。結局、それなりに出してしまうのですが……。

大人になった子どもとの、今後の関わり方がよくわかりません。

(56歳女性・くうくうさん)

名取さんの回答:「初めての経験」だからわからないのは当然!

人生相談:独立した子どもとの関わり方がわからない
topic_kong / PIXTA(ピクスタ)

 まずは、生活の大部分の時間を子どもたちのために使ってきた25年の歳月に、心からお疲れさまでしたと申しあげます。

子どもたちのために食事を作り、洗濯をし、日々の予定を把握し、帰宅が遅くなれば心配する--。自身が親からしてもらったことを我が子へ行う立場になり、“子を持って知る親の恩”を実感されることもあったのではないでしょうか。

お子さんたちが自立して手を離れた今、くうくうさんは彼らの世話を焼けないし、帰宅した彼らと毎日会話をすることもできません。それを寂しいと感じる人もいると思います。

しかし、くうくうさんのように「やっと解放された。楽になった」と感じる人は少なくありません。それは、親としての一つの責任を果たした安堵感でもあるでしょう。

ここで “子育て”について、このあたりで一度総括をしてみませんか? その方が、大人になった子どもとの付き合い方という“これから”を見据えやすいと思うのです。

“子どもたちが一人暮らしをしている親”になったのは、くうくうさんにとって生まれて初めての経験です。対処法がわからないのは当然です。まずは、そのことを自分に言い聞かせて心のモヤモヤを薄めてください。

つかず離れずの関係で臨機応変に対応

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topic_kong / PIXTA(ピクスタ)

社会人になったばかりでお金がない息子さんからのリクエストに、モヤモヤしながらも、「結局、それなりに出してしまう」。そんなくうくうさんを「甘い親」「子どもの自立を妨げる親」と思う人もいるでしょう。

一方で、「お金に余裕があるなら、そのくらいしてあげてもいい」と考える人もいます。

何が正しいか、間違っているかは現時点ではわかりません。正誤、善悪も集まる条件(縁)によって変化する“諸行無常”の原則からはずれることはありません。いつだって結果論なのです。

22歳の彼が、援助してもらっていることを、「恥ずかしい」「これではいけない」と決意するときが来るかもしれません。

あるいは、親のすねだけでは飽き足らず、骨までシャブリ尽くすバカ息子への道をまっしぐらに進むかもしれません(粗野な表現ですみません)。

いくつになっても親は子どもの健康を祈り、何かあれば助けてあげたいと思うものです。

今のところは、子どもたちの健康を祈りつつ、物理的、経済的、精神的に何かあれば助けてあげられる力を蓄えながら、つかず離れずの関係で、臨機応変に対応すればいいでしょう。

繰り返しになりますが、その対応が正しいのか、間違っているのか、それはずっと後にならないとわかりません。

とりあえず“三人寄れば文殊の智恵”。25歳の子と夫に、「どう接すればいいと思う?」と意見を聞いてみるものいいと思います。その上で、くうくうさんが選んだ関わり方を試してみるしかありません。自信を持っていろいろなやり方を試してみてください。

息子さんも社会的にはもう大人。どんな対応も彼なりに勉強の材料にしてくれることを祈りつつ、自分の人生を充実させていきましょう。


回答者プロフィール:名取芳彦さん

なとり・ほうげん 1958(昭和33)年、東京都生まれ。元結不動・密蔵院住職。真言宗豊山派布教研究所研究員。豊山流大師講(ご詠歌)詠匠。写仏、ご詠歌、法話・読経、講演などを通し幅広い布教活動を行う。日常を仏教で“加減乗除”する切り口は好評。『感性をみがく練習』(幻冬舎刊)『心が晴れる智恵』(清流出版)など、著書多数。

回答者:名取芳彦さん

※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。 


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HALMEK up編集部
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