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公開日:2025年04月09日
50代婚活奮闘記13・C恵の場合
恋愛・婚活ジャーナリストの清葉アキコが出会った婚活女子の第13話。今回は、ひとり息子が高校卒業を機に家を出ていくことが決まり、人生初のひとり暮らしが始まろうとしているバツイチ・シングルマザー52歳の派遣社員C恵の話。
18歳の息子がいるバツイチ52歳。短大卒業後は事務機器メーカーの総務部で働いていたが、6歳年上の先輩と社内恋愛の末、22歳で寿退社。専業主婦として家事と育児に専念していたものの、夫のモラハラに耐え兼ね42歳で離婚。以後、派遣社員として事務の仕事をしながら、当時8歳だったひとり息子を10年間育ててきた。その息子がいよいよ高校卒業。
C恵との出会いは、知人カメラマンが経営する撮影スタジオだった。ある雑誌の企画でそのカメラマンに撮影をお願いしていたので、打ち合わせのために私は彼のスタジオを訪れたのだ。
約束の時間より少し早いとわかっていながらスタジオの扉を開けると、ちょうど一人の女性が撮影を終え、緊張がほどけて笑顔になった瞬間だった。小柄でちょっとふくよか。一般の女性であることはすぐにわかった。
「前の仕事がまだ終わっていないのね」とこっそり外に出ようとしたが、カメラマンは私がいることに気付き、女性に私を紹介した。「恋愛や婚活の記事も書いているコラムニストだよ!婚活アプリのこと聞いてみたら?」。カメラマンはドイツ製の高級コーヒーメーカーで熱々の深煎りコーヒーを3杯入れ、私たちに打ち合わせテーブルを囲んで座るように視線で促した。
最初はおどおどしていたC恵だったが、コーヒーで体が温まっていくと同時に心も温まったのか、表情が柔らかくなっていく。「私、今日は婚活アプリ用の写真を撮っていただいたんです」と恥ずかしそうに視線を落として言った。かなり控えめな印象なのは、おっとりとした話し方や所作のせいだろう。
そんな彼女が、ふと、思い立ったように視線を上げた。「清葉さん、写真にも婚活にも詳しいなら、アプリに最適な写真を選んでもらえませんか?」。声のトーンが今までの会話とはまったく違う。この写真撮影には気合十分で挑んだにちがいない。
C恵が婚活を始めたきっかけは、10年間、女手一つで育ててきたひとり息子が家を出て職場の寮に入ることが決まったから。ちなみに離婚の原因は、元夫がC恵に育児や家のことを丸投げし、頻繁にモラハラ発言を繰り返したためだそう。
「私、結婚するまでは実家にいたから、息子が家を出ていったら人生初のひとり暮らしなの」とC恵。晴れて“子育て卒業”となるのになぜか浮かない顔をしている。子どものいない私にはわからないが、やはり“子離れ”するのは寂しいものなのだろうか?
「正直、今まで生活するのが精いっぱいで、将来のための貯えがほとんどないの。派遣社員なので退職金もないし、もし65歳まで働けたとしても老後の生活に必要な額まで貯められる気がしなくて……」。C恵は“ひとり暮らし”を満喫するどころか、将来の不安に押しつぶされそうになっているのだ。
「それに、この年齢でひとりだと思ったら“孤独死”っていう心配もあるなって思い始めてしまって」と、すっかり冷めたコーヒーの残りを見つめながら小さな声でつぶやいた。
「正直、再婚したいと思ったのは、生活への不安をなくし経済的な安定を手に入れたいからなんです。こんなこと知人には絶対に言えないけれど……」とC恵。なぜアプリで婚活をしているのか聞くと、シングルマザーの友人のひとりが2か月ほど前に婚活アプリで出会った相手と結婚したから。
なんとなく抵抗はあったものの、友人の幸せそうな様子を見て、同じアプリに登録。とりあえず、写真は掲載せずに――。「だって、会社の人や昔の同僚など、知っている人に婚活していることを知られたら、恥ずかしいじゃない?だから写真を載せたくなかったの」
しかし登録して1か月経っても「いいね!」はほとんど来ないし、C恵から「いいね!」してもマッチングには至らない。マッチングしないという現実は、小さなボディブローを受け続けるような感じだ。世の中から拒絶され多様な気分になり深い孤独感に陥ることになる。C恵の将来への不安はアプリに登録する前より大きくなっていた。
私のもとにC恵のメッセージが届いたのはその1か月後。取材を兼ねてオンラインで話を聞いてみると、あの不安な表情はどこへやら!まるで別人のような明るい笑顔のC恵が画面の向こうにいる。
「清葉さんに選んでもらった写真をアップしたとたん、『いいね!』もマッチングもすごい勢いで増えたんです。最初は経済的な不安から再婚しなくちゃ……と考えて婚活を始めたけれど、婚活でいろんな人と出会えたことでこういう楽しい人生っていうのもあるんだなって知りました」
初めてお付き合いした相手と22歳で結婚し、離婚後はまったく恋愛をしてこなかったC恵だったが、今、アプリで出会った相手とのたわいないメッセージのやり取りや食事デートで、仕事の疲れも将来への不安な気持ちも癒やされているという。
たった1か月で40人程度とマッチングしてメッセージを交わし、10人の男性と会ったというから、めちゃくちゃ婚活に積極的!あんなにおとなしそうなタイプに見えたのに(笑)
「実はアプリには抵抗があったんです。でもね、会った人はみんないい人でしたよ。メッセージをしていても楽しいです」。52歳にして人生初のモテ状態に、わくわくが止まらないといった感じだ。結婚が不安でいっぱいの人生を変えてくれると思っていたC恵だったが、婚活の時点で人生が変わりつつある感じがする。
「実は、この取材の後にディナーの約束をしている人がいるんです」。アプリで会った10人の中で、5人の男性と今も続いているというのだが、今日会う人が今一番の本命候補だと言う。照れくさそうにしながらも、まるで少女のようなかわいらしい表情のC恵を見送り、その日の取材は終了した。
今、マッチングアプリはたくさん存在していてそれぞれに多くの人が登録している。それぞれ特徴があるが、普段の生活圏内にはいない相手と出会うことができるのが魅力。これまでの人生で知り合うことがなかったタイプの男性もいたかもしれない。そんな中で見つけたC恵の“一番”はどんな人なんだろう……。
三島さんからのひと言
マッチングアプリは、日常生活では出会えない相手とつながることができる便利なツール。アプリで出会って結婚した人もたくさんいる一方で、「婚活アプリ」と銘打っていても結婚が目的ではない人が利用している場合もあります。使うならそういったリスクも知っておくいたほうがいいでしょう
婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある
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