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2019年01月15日
高崎でだるまとSL!七転び八起きの開運旅(前編)
大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、食べて食べて、また食べる鉄道旅の楽しさをご紹介します。今回は、群馬県高崎市を中心に、運気アップの旅にお出かけ。鉄道好きにはたまらない、一風変わったホテルも登場しますよ。
毎年、元旦は特別列車の初日の出号に乗ってどこかしらの初日の出を見に行きます。
今年は銚子電鉄で犬吠埼の海岸から拝みました。みなさまは良い年明けを迎えられましたでしょうか。
今回は2019年が素晴らしい年になるよう、開運祈願の旅に行ってみたいと思います。
まずは東京駅で駅弁を買って出発です。気分を盛り上げるために、目的地の高崎駅の駅弁「だるま弁当」を買いました。JR上野東京ラインに乗車して食べながら向かいましょう。
上野東京ラインに乗ったことがある方は、車内でお弁当は食べられないのでは? と思われるかもしれません。ボックス席ならまだしも、通常のロングシートではなかなか難しいですが、今回はグリーン車に乗車します。グリーン車ならテーブルもあり、種類は少ないですが、飲み物などの車内販売もあります。ただし自由席なので、グリーン券を買ったからと言って必ず座れるとは限りません。
高崎駅に着くと、だるまがあちらこちらに。そう、高崎市はだるまで有名な町なのです。顔に鶴と亀が描かれていることから、高崎だるまは「縁起だるま」「福だるま」とも呼ばれているそうです。
今日宿泊するホテルは、駅と直結の「ホテルメトロポリタン高崎」。荷物をホテルに預け、駅弁を買って観光に出かけます。群馬は駅弁がたくさんあって選ぶのにワクワクします。
こちらの駅弁屋さんでお昼用に「おぎのや」の「鳥もも弁当」を買いました。これは元々、軽井沢駅限定で売られていたお弁当。数年前から高崎駅での販売も始めたようです。
駅からは「ぐるりんバス」で少林寺に向かいます。ぐるりん、という名前の通り、市内を循環するバスです。いろいろなコースがありますが、バスの本数が少ないので、前もって時間を調べておいた方が安心です。
「少林山入口」のバス停で降りて坂道を上がって行くと、「少林山達磨寺」の寺社が見えてきました。
まずはお参りをして、やってみたかった「だるま絵付け体験」に挑戦です。私は金色のだるまを選びました。最近、漫画やイラストはデジタルで描いているので、筆を使って描くのはかなりひさしぶりで緊張します。
黒い墨汁でまず顔を描き、それから白いアクリル絵の具で体に模様などを描いていきます。描き方は自由ですが、ちゃんと飾りたかったので、基本に沿って鶴と亀を意識しました。
そしてうれしいのが、自分で描いただるまに、魂を入れてもらえること。住職が達磨堂にてご祈祷、目を入れていただきました。この点の上から、自分で好きな大きさに目を描き足します。裏にはお札も貼られます。
ちなみに私が書いた「鉄」という字は「金」に「失」ではなく「金」に「矢」、つまり金を失わないという意味がこめられています。実はほぼ全国の鉄道会社の「鉄」にこの字が使われています。駅に行った際に会社名の表示をよく見てみてくださいね。
だるまの絵柄に迷って、けっこう時間がかかってしまいました。お腹が空いたので、先ほど駅で買った鳥もも弁当を食べます。境内の売店ではコーヒーや缶ビールも売っていました。私は温かい昆布茶を頼んでお弁当をいただきます。
鳥ももはクリスマスのチキンを思わせる見た目と味。揚げてあるため旨味が詰まっています。付け合わせのもつ焼きの味に、お酒が欲しくなりました。
一度、駅に戻って、今度は別ルートのぐるりんバスに乗り、観音山を目指します。
バス停「白衣観音前」で下車すると、高さ41.8メートルの巨大な白衣観音が目に入ってきます。私は巨大観音・巨大仏巡りが趣味なので、2度ほど来たことがありました
拝観料を払って胎内に入ります。仏様や高僧の像を見ながら階段を登っていくと、9階の肩の高さまで上がることができます。窓からは景色が一望。観音像は常に逆光なので、影が伸びる方向に向かって写真を写すと、おもしろい写真が撮れますよ。
先ほど、バス停「白衣観音前」の目の前に、ちょっと気になるお茶屋さんがありました。こちらでは「観音もなか」というお菓子が売られています。このもなかは自分の治したいところから食べると観音様のご慈悲がいただけるとのこと。
さて、どこから食べようか……顔か頭か、でも足腰も弱ってるし、と迷って結局どちらからも食べました。
おや、お土産用のもなかの包装紙に「モチモチの木」で有名な切り絵作家・滝平二郎さんの絵が。初代の店主が滝平さんを支援していた縁で、今も使用が許可されているそう。幼い頃にモチモチの木の絵本が大好きだったので、印象深い出会いでした。
再びバスでホテルに戻ります。今回泊まる部屋はなんと、「D51 498」というSLルーム!ドアにはプレートが掲げられ、カードキーも素敵なデザインです。
「D51」とはD51形蒸気機関車のことで、通称「デゴイチ」。その名前なら知っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。後に続く番号は、何番めに作られたかという製造番号です。ドキドキしながら扉を開けます。
部屋は壁一面に原寸大のD51 498の車体を模したクロス、至るところにプレートやマークなどSLモチーフが飾られ、まるでD51の車内にいるかのような錯覚。これはSL好きにはたまりません。この部屋はホテルで1室のみで、2年前にオープンしたそうです。
実際に使われていた青いモケット(生地)を使用した椅子に座り、タッチパネル式ディスプレイをグルグルと操作して台車の下側からの画像を見たり、60インチのモニターに映る走行シーンや転車台でのオリジナル動画に没頭したり。1番最初に泊まった家族は、子どもが帰りたくない、と泣いたそう。大人の私にも、気持ちがよくわかりました。
実は明日朝、高崎駅から「D51 498」が牽引する「SLぐんまよこかわ」に乗車し、横川駅に向かう予定です。その前夜祭として、この部屋に泊まろうと思ったのでした。この部屋にいると、すぐに時間が経ってしまいます。SLルームに泊まる場合は、早めにチェックインしないともったいないです。
食事を付けていなかったので、夕食は「登利平(とりへい)」に行きました。高崎駅ビル・モントレーに入っている店舗は、外に出ずにそのまま行けるので大変便利。
登利平のお弁当を群馬在住の友人に勧められ、買ったのが数年前。その美味しさに、以来、群馬県に来ると登利平がないか探してしまいます。店舗で食べるのは初めてでしたが大満足。あの味を思い出すとまた食べたくなります。
高崎までは贅沢に新幹線を使うこともできますが、東京から近いので、普通列車でもストレスはありません。高崎駅より遠くまで行く普通列車もあるので、寝過ごし・乗り過ごしに注意しましょう。
次回、「高崎でだるまとSL!七転び八起きの開運旅(後編)」に続きます。
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