YASCORN 鉄道食べすぎひとり旅

高崎でだるまとSL!七転び八起きの開運旅(後編)

YASCORN
2019/01/20 27

大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、食べて食べて、また食べる鉄道旅の楽しさをご紹介します。今回はSLをテーマにしたホテルの部屋に宿泊して迎えた、高崎開運旅2日目。鉄道好きをトキめかせるスポットと美食が満載です。

【目次】
  1. 本日の朝ごはんは、幻の駅弁「上州の朝がゆ」
  2. SL列車に乗車して、横川駅へ向かいます
  3. 鉄道の歴史を感じる、見どころ満載の碓氷峠鉄道文化むら
  4. 帰り道も盛りだくさん!フラワーパークと観光列車、〆の高崎グルメ

本日の朝ごはんは、幻の駅弁「上州の朝がゆ」

前編を読んでいない方は、こちらから「高崎でだるまとSL!七転び八起きの開運旅(前編)

 

ゆったりとしたベッドで快適に目覚めた朝。今日はスケジュールがびっしりです。起きて最初の行動は、改札横の駅弁屋さんに駅弁を買いに行くことでした。なんと高崎駅で朝7時〜9時の間のみしか販売されない、幻の駅弁があるのです。

くり・えび入りの「上州の朝がゆ」。塩や梅ペーストで味の調節もできる
くり・えび入りの「上州の朝がゆ」。塩や梅ペーストで味の調節もできる

 

それがこちら、「たかべん」の「上州の朝がゆ」という駅弁。

そう、おかゆのお弁当です。温かいこのお弁当は、買ってすぐに食べるのが一番。駅弁屋さんの店舗内にもカウンター席があり、サラリーマンがこのおかゆ弁当を食べている姿も見かけます。今回のホテルはスープが冷めない距離ならぬ、おかゆの冷めない距離なので、部屋に持ち帰ってまだ温かいうちにいただけました。
 

SL列車に乗車して、横川駅へ向かいます

ホテルの部屋はトレインビュー。真下の線路にSLが見える
ホテルの部屋はトレインビュー。真下の線路にSLが見える

今日は高崎駅から横川駅まで、SLぐんまよこかわに乗車します。

高崎駅出発は9時47分。入線(列車が線路に入ってくる)時間は通常15〜20分前ほど……と聞いていたのですが、この日はなかなか入ってきません。せっかくホテルの部屋からSLの写真が撮れるチャンスなので、私もまだかまだかと粘りました。

そしてなんと、入線したのが5分前! 慌てて写真を数枚撮り、部屋を飛び出しました。ホームでSLの写真を撮る間もなく乗車、本当にギリギリでした……。

荷物室のある1号車のレトロな車内
荷物室のある1号車のレトロな車内


客車は旧客車で、昔使われていた車両が使われています。窓のテーブル下に「せんぬき」も付いていて、かつての旅情を感じさせます。座席の青いモケットは、ホテルのSL部屋に置いてあった椅子と同じもの。他にも同じモチーフを見つけては、SLに乗っている実感を味わいました。

横川駅では地元の高校生たちが太鼓の演奏でお出迎え
横川駅では地元の高校生たちが太鼓の演奏でお出迎え


1時間ほどで横川駅に到着。朝ごはんが軽めだったので、もうお腹が空きました。

改札口を出て目の前に、峠の釜めしで有名な「おぎのや」本店があります。いつもならここで食べるのですが、今日は大型店舗のドライブイン横川店の方に向かいます。こちらも駅のホームからすぐ見える距離です。

おぎのやの季節の釜めし「冬」と地ビールと峠の力餅
おぎのやの季節の釜めし「冬」と地ビールと峠の力餅


実はおぎのやには定番の「峠の釜めし」以外に「季節の釜めし」というメニューがあります。これはこちら、横川店でしか食べられない特別な釜めしなのです。季節の、と書かれている通り、春夏秋冬4つのバージョンがあります。私が食べたのは冬。通常の具材とは違う、下仁田ねぎ焼きや鴨、下仁田蒟蒻など地元の冬素材がたっぷり。ご飯は鶏塩めし、香の物はゆず大根と、とても凝ったぜいたくな一品でした。

鉄道の歴史を感じる、見どころ満載の碓氷峠鉄道文化むら

横川駅からすぐの碓氷峠鉄道文化村、入り口付近
横川駅からすぐの碓氷峠鉄道文化むら、入り口付近


そして「碓氷峠鉄道文化むら」にやってきました。こちらには以前も訪れたことがあります。かつて横川駅は終点ではなく、その先の軽井沢駅へと線路が続いていました。今も横川駅からこちらの鉄道文化むらに引き込み線という線路が残っています。

展示されているのは地元で活躍していた車両たち
展示されているのは地元で活躍していた車両たち


横川駅から軽井沢駅の間は碓氷峠という、かなりの急勾配の難所があります。そこに鉄道を通すため、通常のものではなく「アプト式」という日本初の方式が採用されました。アプト式とは通常のレールではなく、歯型のようなレールを歯車型の車輪で登って行く仕組み。それでようやく峠を越せるようになったのです。

レンガのアーチが美しい碓氷第三橋梁(めがね橋)
レンガのアーチが美しい碓氷第三橋梁(めがね橋)


今回は行けませんでしたが、鉄道文化むら横の「アプトの道」を約1時間半(約5km)くらい歩いていくと、かつてアプト式の鉄道が走っていた第3橋梁(通称めがね橋)を見ることができます(※)。これらの橋梁は国の重要文化財に指定されています。(※3月~11月の土日祝日(8月は毎日)は、途中の「とうげのゆ駅」までは、碓氷鉄道文化むらからトロッコ列車ラインが運行しています)

おぎのや
写真左/おぎのや本店前、写真右/店内では釜の蓋にスタンプが押せる


おぎのや本店前の道路には、先ほど説明したアプト式のレールが排水溝蓋として使われています。まさに歯型のような形なのがわかりますでしょうか。そしておぎのや本店では、店内でこんなスタンプを押すことができます。本店向かいには、無料で見学できる「おぎのや資料館」もあります。

ELぐんまよこかわ
ELぐんまよこかわ

 

さて、もう高崎駅に戻る時間です。帰りも行きと同じ列車に乗りますが、横川駅には転車台(車両の向きを変える機械)がないので、先ほど一番後ろにくっついていたELと呼ばれる電気機関車が一番前になります。つまり先頭だった蒸気機関車は後ろ向きに走ることになるわけです。走っている姿を見ると、列車がバックしているかのように見えます。

上州D51弁当
上州D51弁当

 

車内では、高崎駅の駅弁屋さんでSL乗車前に買っておいた「上州D51弁当」を食べました。こちらはSL運行時のみ販売するお弁当。ケースはお弁当箱にも使えます。お箸も使い捨てではない素材なので、何度も使うことができます。朝がゆ弁当もですが、こちらも人気なので、事前に予約しておきました。

帰り道も盛りだくさん!フラワーパークと観光列車、〆の高崎グルメ

 

満開の藤の花で彩られた階段の、あしかがフラワーパーク駅
満開の藤の花で彩られた階段の、あしかがフラワーパーク駅

 

高崎駅に到着し、駅構内にある登利平(とりへい)でお弁当を買い、今度は「あしかがフラワーパーク駅」に向かいます。この駅は2018年4月に開業したばかりの新しい駅。それまで、あしかがフラワーパークに行くには隣の富田駅から約13分歩かないとなりませんでしたが、今は入り口まで徒歩3分です。

あしかがフラワーパークのイルミネーションの藤の花
あしかがフラワーパークのイルミネーションの藤の花


あしかがフラワーパークは花のテーマパークとして有名。栃木県天然記念物に指定された藤の木の花が見事……なのですが、私はまだ見たことがありません。冬季の間は関東三大イルミネーションの一つ、「光の花の庭」として関東最大級450万球のイルミネーションが輝く庭園になります。

イルミネーションのSLはちゃんと煙が出る仕様
イルミネーションのSLはちゃんと煙が出る仕様


園内に順路はありません。広い敷地内をキョロキョロしながら歩いていくと、カップルの多いこと……! とはいえ、一眼レフカメラを持って一人で来ている方も結構いて安心しました。あとはインスタ映え写真を撮る女子の団体、海外からの観光客も多かったです。

足利イルミネーション号はリゾートやまどりの車両を使用
足利イルミネーション号はリゾートやまどりの車両を使用


帰りはこのイルミネーションの時期だけ運行される「足利イルミネーション号」に乗って帰ります。全指定席の列車で、あしかがフラワーパーク駅から大宮駅まで行ってくれます。

足利イルミネーション号車内
足利イルミネーション号車内


車内は1列シートと2列シートがあり、ゆったりとした座席。もちろん1列シートを予約しました。一人で乗車する時、隣の方を気にしなくてよい作りは大歓迎。この列車にはぬいぐるみなどが置いてあるキッズスペースや和室風のコーナーもありました。

登利平の鳥めし竹弁当
登利平の鳥めし竹弁当


車内販売はないので、何か食べたい場合は事前に準備しておかないと大変です。ジュースの自販機はあしかがフラワーパーク駅の外にはありましたが、売店はパーク内にしかありません。

私は高崎駅で買っておいたお弁当を食べました。昨夜店舗で食べたものと同様、秘伝のたれがしっかりと染みた鳥肉が、本当に美味しいです。

ガトーフェスタ ハラダの群馬限定販売「グーテ・デ・レーヌ」


実はこちらのレーズンクリームを挟んだラスクもお土産に買っていました。ガトーフェスタ ハラダ本館は、高崎駅からJR高崎線で2つめの新町駅・徒歩約15分(車で3分)。本社工場が隣接していて、なんと月〜土は無料で工場見学ができます。ラスクの試食もできますよ!

高崎地図
2日めのルートはこちら!


今回のルートは、青春18きっぷでも回ることができます。SLぐんまも、足利イルミネーション号も快速なので、指定券を取れば18きっぷで乗車できるのです。ただし18きっぷだと、最初に乗ったグリーン車両には乗車できません。自分が行きたい・乗りたい列車によって、きっぷも選んでみてください。

次回は雪の奥入瀬とストーブ列車・冬の青森旅(前編)です!
雪の奥入瀬とストーブ列車・冬の青森旅(前編)

前編を読んでいない方は、こちら「高崎でだるまとSL!七転び八起きの開運旅(前編)

takasaki trip

☆本記事に記載されている写真や本文の無断使用・ 無断転載を禁じます。また掲載情報は取材時点のものであり、最新の情報は施設等へお問い合わせください。

YASCORN

駅弁・駅そばが好きな鉄道好き漫画家&文筆家。温泉ソムリエ。児童誌から鉄道誌まで幅広く活動中。著書に「おんな鉄道ひとり旅」(小学館・プチコミック増刊で連載中)、「メシ鉄!!!」電子書籍1〜3巻(集英社)他。「鉄道漫遊記」を東洋経済オンラインで連載中。HP: yascorn.com

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