「家中ぜ~んぶ洗いたい!」シニア女性は臭いに敏感⁉
2018.09.072018年11月02日
近未来☆最前線レポート vol.4
50代以上の女性が求める、非日常の旅が意味すること
普段50歳以上の素敵な女性にお会いして誌面や商品開発の種になるお話を伺っています。驚きや気づき・学びから、シニア世代のトレンドや日常の工夫をお伝えします。今回は旅行がテーマの調査結果をレポート。50代以上女性が求める、旅の「非日常感」とは?
「国内にいながらも、非日常」がたまらない島旅
最近、特にはまっている旅のパターンがあります。それは、「2~3泊の離島旅」です。
ここ1年だけでも、「屋久島」「八丈島」「小豆島」「利尻島・礼文島」「淡路島・沼島」などに行きました。※以前からダイビング目的で、沖縄の八重山諸島(石垣島や竹富島など)には行っていましたが、最近のパターンは「観光目的」です。
なぜ、ここまで、はまったのでしょうか?
「取り残された独特な空間やゆったりとした時間の流れのなかで、文化・歴史を感じることができる」、「新鮮な海の幸や昔から伝わる伝統料理が味わえる」ことは、島ならではの体験です。
そして……何といっても、「数時間、移動するだけで、非日常感をどっぷりと満喫できる」ことがいいのです。どの離島も、1日数本という限られたフェリーや船を駆使して渡ることが多いので、簡単に帰ること、引き返すことはかないません。天候や海の状態次第で、欠航することも珍しくありません。
電車がなく徒歩や自転車でしか行動できない島もありますし、人間よりも牛の数の方が多い島もあります。また、携帯電話の電波が悪く、通話やネットが使えない状態になる場所も残っています。
それにしても、なんという不便さ! でも、おそらくこの不都合さや不自由さこそ、普段とは違う世界へ誘ってくれる大事なポイントなのでしょう。
年を重ねた女性に「神楽坂(街)」が人気な理由
ところ変わって、東京の神楽坂の話をします。
「神楽坂は、外国人があまりいないから好きな街」
「インバウンドに侵食されていない場所に行くようにしている。神楽坂はいい」
これは、「ハルメクおみせ 神楽坂本店」について話していたときに伺ったハルメク読者の声です。弊社は、通信販売だけでなく店舗販売もしています。ハルメク おみせの一号店が「神楽坂」にあることから、このような話の展開になりました。
読者が言うように、昨今はどこを歩いていても、電車に乗っていても外国人がいる風景が当たり前になりました。非日常を求めて旅行しても、観光地にも普段と変わらない外国人がいつも以上にたくさんいて賑やかです。経済効果という点では、ありがたいことなのですが……。
「非日常」に潜む複数の意味が、離島にはまったワケ
「神楽坂はインバウンドに侵食されていないから好き」という読者の声で、ハッと気づかさたことがあります。それは、私が離島にはまっている大きな理由に、外国人観光客が少ないから、ということがあったのかもしれないということです。離島は、浦島太郎になったような一時的な異次元感があります。空間だけでなく、時間も何十年、何百年か前にトリップした感覚になれます。
20年以上前は、外国人が日本にいることの方が非日常でした。しかし、今は逆です。多国籍の方々がそばにいるのが当たり前の世の中になりました。
私はおそらく、人自体少ない離島に足を運び、若かった頃の自分やその頃の日本人しかいない原風景や空気を、時代のトリップ感とともに懐かしみ、全身で味わいたい。だから、離島に惹かれているのでしょう。
「非日常」のなかには、冒頭で述べた「不便さ」だけでなく、「懐かしさ」も関係していたのです。「非日常」とは、多くの意味が複合的に絡み合った言葉だったのです。……読者の一言から、そんな気付きを得ました。
多くの経験を積んでいるからこそ、「非日常」に多くの意味を見出せる
半世紀以上の長い人生を歩み、多くの経験を積んできた女性の多くが、私同様、旅に「ちょっとした非日常」を求めていました。
2018年4月、私が所属する生きかた上手研究所で、50~79歳女性1,000人に「旅行」に関するアンケートを行いました。その中で、「旅で優先したいことは何ですか?」という質問をしています(複数回答)。
「安全であること」はダントツ1位(25.7%)でした。安全性は大前提であるということが読み取れます。次いで「非日常であること」が2位(24.4%)、「ゆったり過ごせること」が3位(19.7%)、「おいしいものが食べられること」が4位(13.9%)でした。
このアンケートのなかで、旅行タイプや頻度なども聞きました。
調査結果から明らかになったことは、「海外旅行」よりも「国内旅行」を好み、「一点豪華な旅行」よりも「小旅行をたくさん」を望んでいるということです。1年以内に「海外旅行をしている」人は2割だったのに対し、「国内旅行をしている」人は8割近くおりました。
また、「低頻度でも豪華な旅行をしたい」人は3割だったのに対し、「低額でも回数多く旅をしたい」人は7割いました。具体的な旅でイメージすると、「世界周遊の大旅行」より「国内1、2泊の小旅行」が好きという感じでしょうか。もしかすると、身近で小さな旅行の中にこそ、時・空間を超えたトリップ感を多く見出すことができるのかもしれません。
47歳の私も、歳を重ねたからこそ少しずつわかってきた「非日常」が意味すること。今後も、しばらくは離島へ出向き、多くの「非日常」を探す旅が続きそうです。