新しくなった特急踊り子号で、伊豆の温泉巡りへ!
2020.04.152018年09月20日
絶景と温泉・讃岐〜伊予旅(後編)
絶景と温泉・讃岐〜伊予旅!道後温泉入りすぎ
大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、食べて食べて、また食べる「鉄道ひとり旅」の楽しさをご紹介。東京から愛媛県まで駆け抜け、美食と絶景を楽しんだ前回と打って変わって、のんびり温泉三昧。道後温泉を堪能します。
道後温泉駅に到着。1日の疲れを癒やす足湯へ
前編はこちら「絶景と温泉・讃岐〜伊予旅(前編)寝台特急サンライズ」
愛媛県の下灘駅で海に沈みゆく美しい夕日を眺めた後は、松山に戻り、今日の宿泊先の道後温泉に向かいます。
JR松山駅から路面電車に乗り換え約25分、運賃は160円均一で、降車時に支払います。SUICAなどの交通系ICカードは使えません。ちなみにJR四国でも全国共通の交通系ICカードが使用できるのは、今のところ香川県の高松駅—多度津駅区間のみとなっています。
これから温泉三昧なので、ホテルは駅から徒歩5分の道後温泉本館近くを選びました。道後温泉駅に到着後、まずは駅正面にある無料の足湯に入って行くことにします。
タオルはすぐ側にある観光案内所で、100円で買えます。ちゃんと道後温泉の絵が入ったハンドタオルサイズで、ちょっとしたおみやげにも最適です。
こちらの泉質はアルカリ性単純温泉。道後温泉本館と同じ湯を使用した掛け流しです。動き出したカラクリ時計を眺めながら、丸1日歩き回った足の疲れを癒しました。
昼間も夜も観光客で賑わう道後温泉は、日本最古といわれる名湯。
宿泊先のホテルでは、道後温泉本館の「神の湯階下」の券が付いてきました。ホテルの浴衣とタオルを持って行き、まずはひと汗流します。本館周りのホテルでは「ホテルのタオルや浴衣を持って行ってください」と書かれていることが多いです。道後商店街は、ホテルの浴衣を着て散策もできます。
実は小学4年生の頃に1年間だけ、ここから歩いて10分ほどの場所に住んでいました。その時によくお小遣いで買いに来たのが、このすっきりとしたバニラ味のアイスもなか。現在は130円ですが、その頃は確か50円だったと記憶しています。
住んでしまうといつでも行ける……と当時、道後温泉へはなかなか行きませんでしたが、次への引越しが決まった日に親と慌てて入りに来ました。子どもの私にはお湯がすごく熱く感じました。
6時起床! 道後温泉本館で朝風呂とお団子を
翌朝は朝風呂に入ろうと決めていました。朝6時の道後温泉本館の営業開始と同時に1番乗り! のつもりでしたが、オープンの合図の太鼓の音で目が覚めました。
道後温泉本館には、4つの入浴コースがあります。今朝は「霊の湯三階個室」コースを利用します。
まずは部屋に通され、浴衣に着替えてお風呂へ。その後部屋に戻って、お茶とお菓子をいただきます。それから日本で唯一の皇室専用の浴室「又新殿(ゆうしんでん)」の拝観と、文豪・夏目漱石も利用したという「坊っちゃんの間」の見学もできます。
「霊の湯三階個室」コースに付いてくる坊っちゃん団子とお茶。コースによってお菓子が違います。
個室は1人利用でも1室使えるので、ぜひゆっくりくつろいで行きたいところです。
道後温泉本館の各コースの違いは以下です。
- 「霊の湯3階席」(1,550円)、神の湯・霊の湯利用可、3階個室利用可、貸浴衣・貸タオル、お茶・坊っちゃん団子付(又新殿観覧料含む)
- 「霊の湯2階席」(1,250円)、神の湯・霊の湯利用可、2階小広間利用可、貸浴衣・貸タオル、お茶・せんべい付(又新殿観覧料含む)
- 「神の湯2階席」(840円)、神の湯のみ利用可、2階大広間利用可、貸浴衣、お茶・せんべい付
- 「神の湯階下」 (410円)、神の湯のみ利用可
貸バスタオルは200円、タオル、石けん、シャンプー・リンスは館内で売っています。コースによって利用時間が違います。神の湯を利用される方も、又新殿は別途260円で観覧できます。
こちらは3年前の取材で来た際、利用した「神の湯二階席」コース。いただいたのは煎餅とお茶。なお、「霊の湯二階席」コースの広間は、こことは違う場所です。
道後温泉本館はまるで迷路のような作りなので、全コース体験して知るのも楽しいですよ。
ホテルの朝食を付けなかったので、道後商店街中程にある宇和島鯛めし「丸水(がんすい)※」へ。2階には充電もできるカウンター席があり、1人でも入りやすいお店です。
宇和島鯛めしとは、炊き込みご飯ではなく、鯛の刺身を細切りにし、生卵とタレ、薬味を合わせてご飯にかけて食べるもの。こちらのお店では更に卵とタレが、それぞれ3種類の中から選べます。
味が濃く、しっかりとした身の鯛は、さすが天然。ご飯が進み、お代わりしてしまいました。
※営業時間は11時以降
松山の街をぶらり。ダイヤモンドクロスは一見の価値あり!
荷物はホテルに預けたまま、路面電車に揺られて約10分、大街道駅で下車しました。
ひさしぶりに松山城へ行ってみます。
松山城は敷地も城内も広く、展示物も充実しています。天守閣からは瀬戸内海まで見渡せました。とても暑い日でしたが、天守閣には気持ち良い風が通り抜けていきます。
再び路面電車に乗り込んで、今度は大手町駅前で下車します。こちらには何を見に来たかというと、「ダイヤモンドクロス」です。
ダイヤモンドクロスとは、線路が直角に交わる場所。写真からわかるでしょうか。その中でもここは、国内唯一の路面電車と郊外電車の交差で、一見の価値あり。車両がそこを通過する時の音にも注意してみてください。
しばらく待っていると、伊予鉄道がやってきました。路面電車が車と一緒に信号待ちをしている姿はなんだかかわいらしいです。
こちらの伊予鉄道の車両、見たことがある……と思った方もいるかもしれません。実はもともと京王電鉄井の頭線で運行されていた3000系電車。沿線住民の私にとっては馴染み深い電車です。
汗をかいたらやっぱり風呂! 道後温泉別館 飛鳥乃湯泉へ
暑い中、ダイヤモンドクロスを撮影していたので、汗を流しに再び道後温泉へ。
今度は、2017年末にできたばかりの飛鳥乃湯泉へ行ってみます。
こちらも「1階浴室」「2階大広間」「2階個室」「2階特別浴室(家族風呂)」と、4コースあります。全コース、シャンプー・コンディショナー、ボディソープが備え付けで、ドライヤーも使えます。
飛鳥乃湯泉には、本館で見学した又新殿(皇室専用浴室)を模した「2階特別浴室」があります。しかし既に予約で全時間埋まっていました※。ちなみに、予約は3か月前からできるそう。
そこが第1希望でしたが、今回は1階浴室と2階大広間での休憩、貸浴衣、お茶・お菓子がついてくる「2階大広間」のコース(1250円)にしました。貸しタオルは別料金(50円)です。
歴史のある本館とは対象的に、飛鳥乃湯泉は新しいものを積極的に取り入れているところが大きく違う印象。浴室にはちょっとした露天風呂があったり、壁画に毎時00分に約4分間のプロジェクションマッピングを映し出したりなど、また本館とは違う魅力が楽しめました。
やはりコースによってお茶菓子の種類も違うようです。
道後温泉の中でも一番庶民的なのが「椿の湯」。入浴料は大人400円(一律)です。
こちらは時間がなくて寄れなかったのですが、地元のみなさんは椿の湯を使うそう。本館より湯船が広く、お湯もこちらの方が熱くなくて長湯できるとか。シャンプーや石けん、タオルなどはないので、買うかレンタル、できれば持参で。
今回は、松山空港からLCCで帰路につきます。
基本、鉄道に乗りたいのですが、時間や料金によって、飛行機や高速バスなどと使い分けています。松山空港までは、道後温泉駅前のバス停から始発のリムジンバスに乗って40分程なので、大変便利です。
ちなみに道後温泉本館、飛鳥乃湯泉、椿の湯は全て同じ泉質の温泉です。
今度は椿の湯にぜひ行きたいですが、椿の湯はバスタオルのレンタルがありません(フェイスタイルのレンタルはあります)。手ぶらで行くなら、シャンプーなどが備え付けの、飛鳥乃湯泉の1階浴室コース(600円)と貸しバスタオル(200円)がオススメかもしれません。
道後温泉本館は、2019年(平成31年)1月15日から、休憩室がある2階以上は休館、1階神の湯で営業しながら7年にわたる保存修理工事に入ります。
これから温泉が恋しくなってくる季節、道後温泉への旅はいかがでしょうか。
次回は、「観光特急しまかぜで伊勢志摩旅へ(前編)」です。
前編は、こちら「絶景と温泉・讃岐〜伊予旅(前編)寝台特急サンライズ」
☆本記事に記載されている写真や本文の無断使用・ 無断転載を禁じます。また掲載情報は取材時点のものであり、最新の情報は施設等へお問い合わせください。