観光列車レールキッチン チクゴに乗って食べてみた!
2019.04.192019年03月30日
乗るだけで気分が高まるとっておきの列車を紹介
グルメと絶景を楽しむ! 全国のおすすめ観光列車
ただ移動するだけではもったいない! 絶景を眺め、美味しいお酒とともに絶品料理が味わえる特別な観光列車が走っています。寄り道してでも乗りたい特別な列車をご紹介します。
沿線のマルシェも楽しいグルメトレイン(九州)
新幹線のセットツアーも。本格料理の味は文句なし「おれんじ食堂」
まず初めにご紹介する観光列車は、熊本県の新八代駅と鹿児島県の川内駅間を走る肥後おれんじ鉄道の看板列車で、グルメ自慢の「おれんじ食堂」です。「食堂」と名乗るだけあって、料理は本格的で味も大満足です。
アミューズのような前菜と、お重に入った軽めのライトミールのあと、ディナーの前菜とメインの料理(この日はエビ料理)をいただきました。食事の締めくくりはデザートとコーヒー。「食堂」という名前を付ける、そのプライドが感じられる内容でした。乗車時間が長いので、次々に料理が運ばれてくるのではなく、各自の食事の進み具合を確かめながらサーブしてくれる感じで、ゆっくりいただけるのがうれしい限りです。
食事の充実ぶりに加えて特筆すべきは、駅マルシェの多さ。駅マルシェでは、地元の特産品などを購入できるほか、乗車したときに受け取る引換券を利用して、いくつかの駅で特産品を無料で受け取れ、お土産物だけで、袋がひとつ、いっぱいになるほどです。
そしてもうひとつ、「おれんじ食堂」に乗車した人には必見の場所があります。それは、沿線にある阿久根駅。この駅は、「ななつ星」をはじめ、全国各地の観光列車のデザインで有名な工業デザイナーの水戸岡鋭治さんがデザインした駅。駅全体に木材がふんだんに使われ、イメージが統一されていました。水戸岡さんのファンの方はもちろん、観光列車に乗る楽しみに「駅を見るという視点」が加わるのは興味深いです。阿久根駅では待合室のほか、図書室やキッズルームなども統一されたデザインになっていました。
■肥後おれんじ鉄道「おれんじ食堂」の予約方法
予約方法:「おれんじ食堂予約センター」への電話予約 0996-63-6861(9:00~17:00)、WEB予約あり
料金:プレミアムモーニング4,000円~スペシャルランチ21,000円
おれんじ食堂+新幹線 日帰りプラン おれんじ食堂(2~4便)+新幹線(自由席)
2便スペシャルランチ乗車プラン(熊本or鹿児島発)24,800円
3便スウィーツ乗車プラン(鹿児島発) 9,900円
4便ディナー乗車プラン(熊本発)16,800円
※運行日は金・土・日曜、祝日 大人1名~ 出発の10日前までに要申込。そのほか旅行会社でもプランを取り扱う
(写真・文:畠中雅子)
秘境駅で途中下車が楽しいシーサイドライン(四国)
大人気の瀬戸内グルメ列車「伊予灘ものがたり」
四国を代表する観光列車「伊予灘ものがたり」は、松山~伊予大洲を走る「大洲編」と「双海編」、松山~八幡浜を行く「八幡浜編」と「道後編」の4つの旅が用意されており、瀬戸内の美しい海を眺めながら食事ができます。
私は1泊2日ツアー(羽田から松山までは空路で、「伊予灘ものがたり」乗車以外はバスで移動)にひとりで参加しました。列車の座席は抽選で、向かい合う4人掛けタイプの座席に着席。食事は下の写真のように、二段重に入った懐石風のお弁当。着席した時点で、座席には重箱がすでに置かれていました。地元食材を使った海と山の幸が見た目も鮮やかに盛られています。コースによって、朝食、昼食、夕食が用意されます。私が乗車した「双海編」には昼食としてこのお弁当が出されました。とても美味しく、アルコールの好きな方でしたら、日本酒の肴にもピッタリではないかなという印象でした。
「伊予灘ものがたり」は、その名前の通り、瀬戸内海西部の伊予灘の海岸線に沿って、ゆっくりと進みます。乗車した日は快晴で、海に光が差して、輝くような青さを見せてくれました。ところで、観光列車のお約束!? として、いくつかの駅で途中下車をして、駅周辺を散策したり、マルシェ(地元の特産品の販売ブース)で買い物をしたりというイベントが行なわれます。途中下車した下灘駅では、車両をバックに写真を撮ったところ、青い空に真紅のボディを華やかに写せました。
■伊予灘ものがたりの予約方法
伊予灘ものがたりは1日4便の運行。それぞれの旅は時間によって刻々と表情を変える車窓と、地元食材を使ったおいしい食事が楽しめる。
大洲編(朝食付き)
松山駅を8時25分に出発して伊予大洲駅に10時28分に到着(下灘駅8分停車)
松山~伊予大洲 (片道・大人1人) 1,930円 (運賃950円+グリーン車料金980円)
食事代 ※ 2,500円 (税込) 合計4,430円 (税込)
双海編(昼食付き)
予大洲駅を10時51分に出発して松山駅に13時11分に到着(下灘駅10分停車)
松山~伊予大洲 (片道・大人1人) 1,930円 (運賃950円+グリーン車料金980円)
食事代 ※ 4,500円 (税込) 合計6,430円 (税込)
八幡(やわた)編(昼食付き)
松山駅を13時28分に出発して八幡浜駅15時52分に到着(下灘駅8分停車)
松山~八幡浜 (片道・大人1人) 2,260円 (運賃1,280円+グリーン車料金980円)
食事代 ※ 4,500円 (税込) 合計6,760円 (税込)
道後編(夕食付き)
八幡浜駅を16時06分に出発して松山駅に18時21分に到着(下灘駅10分停車)
八幡浜~松山 (片道・大人1人) 2,260円 (運賃1,280円+グリーン車料金980円)
食事代 ※ 3,000円 (税込) 合計5,260円 (税込)
の4つのコースが設けられています。※食事は事前予約が必要
また、四国発着往復JR(特急列車自由席・伊予灘ものがたり) + 食事が付いた「伊予灘きっぷ」も発売されている。
予約方法:全国各地のみどりの窓口や旅行会社のツアーなどを利用
(写真・文:畠中雅子)
高級リゾートへ一直線のおしゃれ列車(関西・東海)
観光特急「しまかぜ」で伊勢志摩旅へ
大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、全国の観光列車に乗車して、旅の楽しさを紹。今回は近鉄の観光特急「しまかぜ」で伊勢志摩を訪ねました。
私、YASCORNは、初めてひとりきりで行った旅は「伊勢志摩」でした。その頃は実家暮らしで、このままでは自立できないと焦り、行ってみたのが伊勢神宮。かつて伊勢神宮には妹と旅行したことがあり、一度行った場所ならひとりで旅ができるだろう、と考えた次第です。その後、伊勢神宮へは何度もひとりで訪れるようになりました。伊勢志摩は海の幸もお肉も、いろいろと美味しいものが揃っているので大好きです。
そしてあれからうん十年。2013年に登場し大人気の近鉄の観光特急「しまかぜ」で伊勢志摩に向かいました。大阪難波〜宇治山田間に1度乗りましたが、人気でチケットを取るのが大変でした。「しまかぜ」のプレミアムシートで特に人気なのが1・6号車の展望車。特に週末などはチケットが入手しづらいと聞きます。前日・当日に空きが出ることもあるので要チェックです。
本革を使用したふんわりと柔らかいシートは大変ゆったりとしていて、なんと電動のリクライニング機能・エアクッションなども付いています。もちろんコンセントもありますよ。カフェ車両は大人気! 特に宇治山田駅までは混んでいることが多いです。
今回も、しばらく並んでやっと座れた……と思ったら、混み合っていて調理に30分程かかり、私の下車駅・鳥羽までに提供が間に合わないとのことで、お料理を注文することができませんでした……。なのですぐ出てくる地ビールとおつまみのみを注文。
確実にこちらで食事したい方は、乗車して間もなく、カフェ車両に行くことをおすすめします。名古屋発の場合、カフェ車両の営業時間は11時からです。
鳥羽駅で下車して水族館を見学。水族館を堪能した後は、再び鳥羽駅へ。駅近くの佐田浜東公園の海側には、無料で入れる足湯があります。こちらのお湯は鳥羽本浦温泉のアルカリ性単純温泉。ちゃんとした温泉なのです。
私はいつも、すぐ横にある農水産物直売所鳥羽マルシェで、大内山コーヒー牛乳やヨーグルトを買います。それを飲みつつ、海を見ながらのんびりと足湯に浸かるのが好きです。鳥羽駅から、賢島駅に移動。賢島駅には2編成のしまかぜが。「しまかぜ」は、賢島からそれぞれ、近鉄名古屋、京都、大阪難波と3区間を3編成が走っています。
■しまかぜの予約方法
近鉄駅窓口・旅行会社・近鉄インターネット予約で受付
しまかぜの料金:大阪難波-賢島 乗車券2,310円+しまかぜ特急券2,660円(個室利用+1,030円)
京都-賢島 乗車券2,530円+しまかぜ特急券3,030円(個室利用+1,130円)
近鉄名古屋-賢島 乗車券1,970円+しまかぜ特急券2,640円(個室利用+1,130円)
※通常の近鉄特急と料金は異なる
(イラスト・写真・文:YASCORN)
気分はオリエント急行!? おしゃれをして乗りたくなる「ザ・ロイヤル・エクスプレス」
JR横浜駅と伊豆急下田駅間を走る「ザ・ロイヤル・エクスプレス(THE ROYAL EXPRESS)」。基本は宿泊を伴うクルーズプランですが、月曜日、木曜日、金曜日などの一部の日程で、日帰り乗車できる食事つき乗車プランが設定されています。日帰りコースには、ゴールドクラスとプラチナコースの2コースがあり、プラチナコースで乗車すると、別の車両の食事専用席でランチをいただけます。
「THE ROYAL EXPRESS」の乗車は、食べ鉄仲間4人での観光列車旅です。食事を専用車両でいただけるプラチナクラスは大人気で、2回目の応募で当選! もう気分はオリエント急行にでも乗車するかのようなハイテンションになりました。
気分が盛り上がる横浜駅の専用ラウンジ。旅はここから始まります。ここでドリンクサービスと乗車の説明を受け、乗車が開始する時間までは自由に過ごします。ほとんどの方がクルーズプランの乗客なので、宿泊用の荷物を持つ中、私たち日帰り組は手荷物だけの身軽な恰好。とはいえ、ドレスコードはスマートカジュアルとなっていましたので、旅行なのに珍しくスカートで出かけました。
食事をいただく専用車両に移動したのち、アミューズとして出されるポタージュスープからフルコースランチが始まります。乗車した日は、カツオや鱒、柿を使った3種類の前菜、カマスをパイで包んだ魚料理、メインディッシュとしてローストビーフの肉料理をいただきました。デザートは、モンブランエスプーマのパルフェ。とても舌触りの柔らかい食感で、まさに「おいしゅうございました!
ザ・ロイヤル・エクスプレスは2020年5~8月の間の約1か月間、週4日程度北海道(札幌~道東エリア)で運行されることが決まりました。この列車で道東の美しい景色の中、美味しいものが食べられそうです。また楽しみが増えそうです。
■ザ・ロイヤル・エクスプレスの予約方法
コース:横浜駅 → 伊豆急下田駅(JR東海道線・JR伊東線・伊豆急行線)
予約方法:日帰りプランはWEBか郵送で応募。宿泊はWEBを通した申し込みのほか、旅行会社を通して申し込む方法もある
料金:食事つき乗車プラン プラチナクラス35,000円/ゴールドクラス25,000円
クルーズプラン 1泊2日で135,000円~195,000円(2人1部屋 2018年9月現在)
(写真・文:畠中雅子)
絶景、絶品料理とお酒を満喫できるローカル観光列車(東北)
三陸の海と本格コース料理を堪能「東北エモーション」
「東北エモーション(TOHOKU EMOTION)」は、車両の内外装のデザイン、食、アート、景色などが楽しめるJR東日本の名物観光列車のひとつです。とりわけグルメは、目の前で調理されるオープンキッチンをはじめ、列車全体がレストランといった感じ。三陸の絶景を眺めながら、東北の地元食材をふんだんに使ったメニューが楽しめると評判です。
私は、三陸の美しい海や食事を楽しみに、2018年6月、2度目の乗車をしてきました。今回は、往路、復路の往復乗車の旅です。観光列車の予約のコツもつかめているので、先行予約があることを確認。予約初日の予約開始時間の少し前に「びゅうプラザ」に行き、予約がスタートするのを待ちました。先行予約の初日ということもあって、往路、復路とも希望する個室が取れました。
「東北エモーション」の乗車時間は、往路、復路とも、2時間弱。往路のランチコースでは、ウエルカムドリンクに始まって、アミューズ、前菜、メイン、デザートと続きます。いずれも地場の食材を使っており、器や見た目の工夫も相まって、とても美味しくいただきました。
復路のデザート&アフタヌーンティーコースでは、最初に3品のデザートが出てきた後は、ブッフェスタイルで、好きなデザートや前菜、おつまみなどをいただけます。その場で切り落としてくれる生ハムが大人気で、ビュッフェが始まった当初は、長い列もできていたほどです。ブッフェスタイルなので、ダイエットを忘れてついつい手が伸びてしまいます。
初めて乗った時は個室があることも知らなかったのですが、今回は往路、復路とも個室に乗ることができました。個室は、扉を閉められる構造になっているので、他の乗客の気配を感じることなく、自分たちだけの空間でゆったりと過ごせます。個室といっても、1部屋片道3,000円ですみます。
「東北エモーション」(東北レストラン鉄道)は、臨時列車として八戸線(八戸→久慈)で土・日・祝日、ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始を中心に年間150日間程度運行されています。
■TOHOKU EMOTION 東北エモーションの予約方法
【往路・ランチコース】 八戸→久慈 11時05分発→12時56分着
【復路・デザート&アフタヌーンティーコース】 久慈→八戸 14時20分発☞16時07分着
予約方法:「びゅうプラザ」にて予約
料金:ランチコース+アフタヌーンティーコース 11,900円(往復乗車)、個室料金片道(1部屋)3,000円
(写真・文:畠中雅子)
福島のフルーツが堪能できる走るカフェ「フルーティア」
東北を旅するとき、新幹線で一気に目的地まで訪れ、目的地でゆっくりするのもいいですが、ちょっと寄り道をというのであれば、観光列車で景色やスイーツを楽しんではいいかがでしょうか。
郡山から会津若松・喜多方へ特別な旅行をしたい方におすすめなのが、郡山-会津若松間を走る観光列車「フルーティアふくしま」。フルーツ王国福島が誇るフルーツをふんだんに使ったスイーツセットが楽しめます。レトロモダンな内装で、1車両はまるまるカフェカウンターで広い窓からの眺めは最高です。広々としたカフェカウンターには、地酒やおつまみ類、アイスクリーム類、お土産などが並び、見るだけでも楽しめるでしょう。地酒とおつまみを購入したら、カウンターでのんびり風景を楽しみながらいただくのも、この列車ならではの楽しみです。
■フルーティアの予約方法
4~9月の土・日・祝日
乗車券はすべてスイーツセット付き旅行商品として、JRの「びゅー」で2~3か月前から販売されます。事前にチェックをして、予約をしておきましょう。車内で福島のフルーツを生かしたスイーツコースが堪能できる。車両がまるまるカフェになっています。
現地発着プラン例 郡山-会津若松 スイーツセット付き片道4,800円、ドリンクセット付き片道3,000円(1名利用の場合はいずれも+200円)
車窓からの絶景と津軽三味線のライブを堪能「リゾートしらかみ」
青森から秋田への移動には、青春18きっぷでも座席指定席券(520円)をプラスすれば乗れる「リゾートしらかみ」がおすすめです。「リゾートしらかみ」は、世界自然遺産白神山地と日本海の絶景が楽しめると評判の五能線を走る豪華観光列車です。
「リゾートしらかみ」の車内は、秋田産のスギや青森ヒバなど沿線の木材をふんだんに利用し、温かみのある車内と評判です。カウンターのある車もあり沿線の「うまいもの」を販売。シートは窓側に向きを変えて、景色を楽しみながら食べることもできます。津軽三味線の車内ライブもあり、インバウンドの観光客にも大人気だとか。予約はお早めに。全国のみどりの窓口などで予約可能。「びゅー」では「リゾートしらかみ」に乗車できる宿泊パックも予約できます。
■リゾートしらかみの予約方法
料金:青森駅-秋田駅の乗車料金は4,430円、指定席料金は520円。座席指定券を購入すれば青春18きっぷで乗車できます。
雪の奥入瀬とストーブ列車・冬の青森旅
大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、青森の冬の風物詩ともいえるストーブ列車の旅を紹介。五所川原と津軽中里を結ぶこの観光列車は雪景色と車内でいただくお弁当やストーブで焼くスルメが名物です。
ストーブ列車は乗車券以外にストーブ列車券も必要です。ストーブ列車の車両は2両、1両目が個人客用、2両目が団体用。そしてストーブ券のいらない普通車両の3両編成です。座席はいずれも指定ではなく、自由席です。
いよいよ乗車。レトロな木の床や網棚、そしてストーブの匂いに懐かしさを感じます。寒い外とは裏腹に、ストーブの横は熱いくらいです。火の勢いが弱まると、車掌さんが石炭を入れにきてくれます。目の前で石炭がくべられるのを見て、北国にいるんだなあ、という実感が湧いてきました。
この日はかなり混んでいました。なんとかストーブ横の座席を確保し、スルメとお酒を購入。スルメは自分で焼くのではなく、アテンダントさんに渡すとストーブの上に乗せて手でギュウギュウと押して焼いてくれます。軍手をしているとはいえ、熱くないのか心配になりますが、慣れているので大丈夫だそうです。
金木駅までは30分足らず。お弁当を食べて、スルメとお酒を……となるとちょっと慌ただしいです。列車メインで楽しみたいのであれば、終点の津軽中里まで行き、再びストーブ列車で戻るのがよいかもしれません。
■ストーブ列車の乗り方
ストーブ列車は通年12月1日~翌3月31日まで1日3往復運行。座席の予約制度はなく早いもの勝ち。
料金:五所川原-津軽中里 850円+400円ストーブ列車券
※津軽鉄道では、通年7月1日~8月31日は風鈴列車、9月1日~10月中旬は鈴虫列車を運行
(イラスト・写真・文:YASCORN)
番外編 世界は広かった! 大陸横断鉄道に乗る(オーストラリア)
荒涼とした景色に飽きたら食べる食べる寝る?「インデアンパシフィック号」
番外編。オーストラリアの大陸横断鉄道「インディアンパシフィック号」をご紹介します。この列車は、インド洋に面したパースから太平洋に面したシドニーまで全長3,961キロを結び、全区間を乗車すると3泊4日の旅になりますが、私たちは途中駅のアデレードから乗車する1泊2日のプランを選択しました。私たちが予約したプラチナサービスの場合、乗車料金や食事などのほかに、乗車地と降車地でのホテルの往復送迎費用が含まれています。
前菜やメイン料理などが、冷たいものは冷たいままで、温かいものは温かい状態で、サーブされます。レストランで食事をしているのと変わらないレベルのサービスが受けられました。食事の後は、しばし休憩。
ゆったりと外の景色を楽しみたいところですが、アデレードを出発してからかなりの時間、オーストラリアの赤茶けた大地をただひたすら眺める感じです。変化が乏しい景色を退屈に感じられる人は、ダイニングルームに行くのがおすすめ。食事時間以外でも、アミューズ(おつまみ)とドリンクのサービスが受けられるからです。
夕食のアナウンスが聞こえてきました。そのアナウンスを聞いて、再びダイニングカーへ。夕食のメインはオーストラリアビーフのステーキを注文しましたが、日本で食べるオーストラリアビーフよりも柔らかく、美味しいように感じました。前菜やメイン料理のほかに、付け合わせとなる野菜料理がたくさん出てくるなど、食べ盛りの息子たちにとってもボリュームの面でも満足できる食事内容でした。
■インディアンパシフィックの予約方法
日本から予約する場合、インディアンパシフィック号の乗車申し込みを取り次ぐ業者のサイト経由で申し込むのが一般的。日本での申し込みは、プラチナサービスかゴールドサービスいずれかの選択になりますが、英語が得意な方なら、現地の旅行会社などのサイトに直接申し込むことも可能。現地のサイトであれば、プラチナサービスとゴールドサービス以外の座席の申し込みもできて、費用もかなり抑えられると思います。
料金:アデレードからシドニーまでの1泊2日プラン・プラチナサービスを選択(※乗車日の昼食と夕食、翌日の朝食とエクスカーション時の昼食の合計4食付き)1人につき1,619オーストラリアドル(乗車時の価格。1オーストラリアドルが91円のときに支払ったので、約147,300円)
(写真・文:畠中雅子)