1300年の歴史ある温泉の湯を無料で楽しむ

和歌山・白浜の足湯 |風光明媚な“絶景足湯”4選

公開日:2019.06.25

和歌山県といえば、青くきらめく海、緑したたる熊野古道、そして、かわいいジャイアントパンダが有名です。でも実は、古くから“いい湯”が湧くことでも知られてきました。南国ムードの漂う風光明媚な白浜の“絶景足湯”をご紹介します。

海に溶け込む大足湯「インフィニティ足湯」(白浜町)

大足湯から太平洋を一望!

南紀白浜空港から路線バスで15分の好立地に佇む「SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE(シラハマ キーテラス ホテルシーモア)」。2018年にリニューアルオープンし、温泉や客室、レストランなどの充実ぶりで話題を呼んだホテルです。

中でも、旅好きたちがザワついたのが、長さ30mに及ぶプールのような「インフィニティ足湯」。ホテルの敷地内にありますが、パブリックスペースとして解放されており、日帰り客も無料で自由に使えます。なんと足を拭くタオルも無料で貸してくれます。

爽やかなブルーが広がる日中はもちろん、夕暮れ時もおすすめ。刻一刻と赤く染まる空とドラマチックな光が織りなすマジックアワーは感動的です。

「インフィニティ足湯」の近くには、爽やかな潮風が心地いい「mikan terrace(ミカンテラス)」が広がっています。なんだかヨーロッパに来たかのようで、バカンスを味わうにはぴったりの場所。手ぶらバーベキューができるメニューもあります。

「mikan terrace」から見わたせる海はまるでエーゲ海

 

「mikan terrace」に面したBAR

17時からはテラスに窓の面した「KON BAR」がオープン。カクテルを受け取って満天の星を見ながら一杯、そんな過ごし方もすてきです。

この施設を訪れたら、ぜひ堪能してほしいのが温泉です(日帰り1000円)。というのも、とっても珍しい“立ち湯”の露天風呂があるからです。

深さ1m20cmの珍しい立ち湯「露天風呂 三段の湯」

立ち湯は体に負担のかかりにくい入浴方法として知られますが、源泉掛け流しの露天風呂でこの規模のものを見るのは筆者も初めて。

眼前には丸窓からチヌやグレなど約30種類の魚を鑑賞できる「白浜海中展望塔(コーラルプリンセス)」が見えています。お風呂の下はすぐ海。ドドォ! と波とうの砕ける音が絶え間なく響いて、波と溶け合うような湯浴みタイムを満喫できます。

ほかにも、卓球やボルダリングなどができる「プレイルーム」(無料)、壁一面にコミックが並び、マッサージチェアなどが利用できる「うたたねルーム」(無料)、おいしい本格パンとオーガニックジュースを味わえる「TETTI BAKERY (テッティーベーカリー)& CAFE」などのサービスも充実。日帰りでも十分楽しめるスポットです。

「TETTI BAKERY & CAFE」のパン売り場


■インフィニティ足湯
住所:和歌山県西牟婁郡白浜町1821
電話:0739-43-1000
営業:7:00〜23:00 無休
交通:JR紀勢本線「白浜駅」から車で約10分
紀勢自動車道「南紀白浜IC」から約10分
最寄バス停「新湯崎」下車 徒歩すぐ

 

目前にダイナミックな崖と海が広がる「三段壁足湯」(白浜町)

サスペンスドラマに出てきそうな「三段壁」

南紀白浜で最も歴史のある景勝地とされるのが「三段壁(さんだんべき)」。写真ではなかなか伝わりませんが、この海から崖上までの高さは約50m。つまりビルの15〜20階に相当する高さで、それが約2kmにわたって続いています。

ちょっと足が震えてしまいそうな断崖絶壁ですが、ポカポカとした湯に足を浸して、のんびりと眺める三段壁はまさに「絶景!」の一言です。

源泉名は、生絹湯(すずしゆ)。足湯は西向きで天気がよければ沈む夕日も望める

実はこの「三段壁」、平安時代に起きた源平合戦で知られる熊野水軍が船を隠した洞窟があることでも知られています。足湯を楽しんだ後は、ぜひエレベーターに乗り地下36mまで降下して、珍しい洞窟探検にも出かけましょう。熊野水軍が船を隠したという伝説が残る洞窟は、まるで迷路のようです。

ドォンという音とともに岸壁に砕ける波しぶきは大迫力

洞窟内部を進むと、荒波が削ったダイナミックな地形、再現された水軍小屋、日本最大級の青銅でできた「牟婁大辯才天(むろだいべんざいてん)」など、珍しいものにたくさん出合えます。

ピンと張りつめた空気の中で「牟婁大辯才天」にご挨拶

洞窟を出て歩き出すと、クンクン、おいしそうな香り。「さんだん通り」で屋台を見つけました。この日はホタテ(350円)や大きなサザエ(550円)の網焼きといった海の幸がずらり。その場で買って、熱々をパクリ。アイスクリームやご当地のお菓子、フルーツなどの食べ歩きも楽しめます。

三段壁から駐車場までの「さんだん通り」に並ぶ屋台

まずこの「さんだん通り」で腹ごしらえをして、洞窟探検を楽しみ、最後に足湯でリラックスして旅を締めくくる。そんなコースもおすすめです。


■三段壁足湯
住所:和歌山県西牟婁郡白浜町2927-52
電話:0739-42-4495(三段壁洞窟)
営業:9:00~16:30 無休(雨天休業)
料金:無料
交通:紀勢自動車道「南紀白浜IC」から車で約15分
JR紀勢本線「白浜駅」から車で15分
最寄バス停「三段壁」下車 徒歩約2分

 

白浜の名勝・円月島にうっとり「御船(みふね)足湯」(白浜町)

白浜のシンボルとして親しまれる「円月島」
白浜のシンボルとして親しまれる「円月島」

海の波に削られて、ぽっかりと穴のあいた「円月島」。ここは、白浜観光といえば必ず名前が挙がる名所です。和歌山の夕日100選にも選ばれており、春分の日や秋分の日の頃には、島に開いた丸い穴の中に太陽がすっぽりと沈んでいくんだとか。地球の神秘を感じる不思議なスポットとして、Instagramにもたくさんの写真が投稿されています。

この円月島のすぐそばというロケーション抜群の足湯が「御船(みふね)足湯」です。

海辺にある「御船足湯」。小さく円月島が見えています

 

源泉名は、生絹湯(すずしゆ)。ちょうどいい温度でした

 

唇? いいえ、貝です

源泉掛け流しで、お湯の温度は41℃と適温。白浜で発見された「ホンカクジヒガイ」のモニュメントが湧き出し口にあるのもユニーク。現地の人によれば、「この足湯から見る朝日や夕焼けの景色は格別」とのこと。忘れられない旅になりそうです。


■御船足湯
住所:和歌山県西牟婁郡白浜町743-5
電話:0739-43-6588(白浜町観光課)
営業:8:00-22:00(7・8月は7:00-22:00)無休
料金:無料
交通:JR紀勢本線「白浜駅」から車で約15分
紀勢自動車道「南紀白浜IC」から車で約20分
最寄バス停「白浜バスセンター」下車 徒歩約5分

硫黄の香りの塩泉でツヤ肌に「つくもと足湯」(白浜町)

「快水浴場百選」にも選定された絶景ビーチ「白良浜(しららはま)」

三日月型の白砂のビーチが約620mにわたって続く「白良浜(しららはま)」。まさに「白浜」の地名の由来になったとされる、真っ白でサラサラの砂が美しい浜です。夏は海水浴客で賑わい、カラフルなパラソルが咲き乱れるそう。トロピカルムード満点のこの白良浜の近くには、海や浜で遊んだ帰りにぜひ立ち寄りたい足湯があります。

源泉名は砿湯(まぶゆ)。石造りの湯船です

それが、白良浜海水浴場の南入口のそば、浜から護岸を越えるとすぐのところにあるのが「つくもと足湯」。あたりには、ほんのりとした硫黄の香りが漂っています。それもそのはず、硫黄を含んだ高濃度の塩泉なのです。

この足湯のパワーはすごいもので、少し浸かっただけでも汗ばむほど。湯上がりの肌もしっとり潤い、ツヤツヤに。

白砂の浜でめいっぱい遊んだ後は、きらめく潮風に吹かれながらポカポカと温かい自然の力をしっかりチャージ。旅に出て疲れて帰るなんて昔の話。足湯を上手に活用すれば、心も体も足元もピカピカになって帰ることが可能なのです。どうぞみなさま、よい旅を!


■つくもと足湯
住所:和歌山県西牟婁郡白浜町3079-20
電話:0739-43-6588(白浜町観光課)
営業:8:00-22:00(7・8月は7:00~22:00)無休
料金:無料
交通:JR紀勢本線「白浜駅」から車で約15分
紀勢自動車道「南紀白浜IC」から車で約15分
最寄バス停「走り湯」下車 徒歩約5分

 

※掲載情報は2019年6月取材時のものです。

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矢口 あやは

やぐち・あやは ライター・編集・イラストレーター。旅行誌やカルチャー誌、WEBなどを中心に、グルメ・歴史・アウトドアなどのジャンルで活動。2014年に狩猟免許を取得。現在、「海ガール」を目指しセーリング修行を開始、ヨット専門誌『Kazi』(舵社)でその修行レポートを連載中。

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