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- 【書評】『あさってより先は、見ない。』他2冊
雑誌「ハルメク」の編集部員がおすすめする新刊情報を毎月お届けします。今月は、普段の日常の中に生きる「素敵」を見つける3冊。街角のアートや、忘れ去られた手作りの温かさが現在に蘇る様子、日常を丁寧に生きる人たちを描いた書籍を紹介します。
浦島茂世著『カラー版パブリックアート入門タダで観られるけど、タダならぬアートの世界』
パブリックアートとは、文字通り「公共(空間)の芸術」。美術館・ギャラリー通いが日課という筆者が、街角で気になった絵画や彫刻、オブジェについて作者や作られた背景などを解説しています。
有名な、岡本太郎(おかもと・たろう)の「太陽の塔」や東京・渋谷駅前の「忠犬ハチ公」のエピソードなどもあり、現在のハチ公は実は二代目で、初代は第二次世界大戦中に金属供出で溶解されてしまったのだとか。
身近にあるのに見過ごしてしまいがちな作品を「タダで観られるけど、タダならぬ」芸術として、それぞれの魅力を教えてくれます。読んで楽しく、直接見に行きたくなる作品が満載です。
星ヶ丘洋裁学校著『星ヶ丘洋裁学校のソーイングレシピ』
大阪府枚方市の住宅街の路地奥にある「星ヶ丘洋裁学校」。女性が自立できることを目的に1948年に創設され、多くの卒業生を送り出したものの、大量生産・大量消費の時代を迎えると生徒が激減。
90年代には一時休校に追い込まれましたが、2000年代に入ると、自分の手で服を作りたいという女性たちが再び集うように。現在は、七夕祭、お月見会、演奏会などが開かれ、地域の人の交流の場にもなっています。
この本は、そんな洋裁学校の魅力を豊富な写真とともに紹介しながら、ワンピース、コート、シャツ、パンツの作り方を製図付きで掲載。脈々と受け継がれてきた古さこそが強くて新しいのだと気付かされます。
山本ふみこ著『あさってより先は、見ない。』
ハルメクでエッセー講座の講師を務め、毎月「だから、好きな先輩」の連載にも登場している山本ふみこさん。本書は、山本さんが16年続けているブログのうち最近の8年間のものを「旅するように暮らす」「食べる」などのテーマで編んだエッセー集です。
さらに、還暦を過ぎて、東京から埼玉県熊谷市の古民家に移住した2021年5月から約半年間の日記も収録されています。
夫の実家から届いた生姜の山と向き合い、家蜘蛛に名前を付け、朝、佃煮をご飯にのせながら亡き祖父母と会話する……日常を面白がる山本さんの姿に思わず口元がほころびます。そして、胸がすくような言葉に出合えます。
※この記事は2023年7月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。
※雑誌「ハルメク」は定期購読誌です。書店ではお買い求めいただけません。ハルメク365本会員様は、過去12か月分のバックナンバーを見ることができます。
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