エッセイの書き方とポイント・面白い文章にするコツ
2024.09.282024年09月28日
言葉の力、再発見「大和言葉」・1
大和言葉とは?美しい響きと思いやりの心に癒されよう
当たり前のように使っている日本語ですが、人と人とをつなぐ大切な媒体であり、自分と人を励ましてくれる、心の支えでもあります。「大和言葉(やまとことば)」の相手の心を包み込む、懐かしい言葉の世界に触れてみてください。人間関係もよくなりますよ。
日本の風土で生まれ、育まれた美しい言葉たち
うさぎ追いし彼の山
こぶな釣りし彼の川
夢はいまもめぐりて
忘れがたきふるさと
日本人なら誰もが知っている唱歌「ふるさと」。日本の歌として、海外でも広く知られています。
この歌を口ずさむと、子どもが野の花の咲く山を駆け回ったり、川のせせらぎを聞きながら釣り糸を垂らしたりと美しい里山の眺めが自然と思い起こされ、どこか懐かしく感じるという人も多いのではないでしょうか。
「うさぎ」「追う」「山」「こぶな」「釣る」「川」「夢」「めぐる」「忘れがたい」「ふるさと」……。この歌の歌詞はすべて、日本固有の言葉である「大和言葉」で作られています。
「日本の風土で生まれ、育まれてきた言葉でできているからこそ、この歌がこれほどに日本人の心に染み入るのだと思います」と、『日本の大和言葉を美しく話す』(東邦出版刊)の著者で、文筆家の高橋こうじさんは言います。
大和言葉には、気候や風景を表す美しい表現がたくさんあります。
風も波もない海の様子を「凪(なぎ)」と呼び、土砂降りの雨を「篠突く(しのつく)雨」、変わりやすい天気を「狐日和(きつねびより)」、月が出ていないのに満天の星で明るい夜を「星月夜(ほしづきよ)」、家々の屋根が連なる様子を「甍(いらか)の波」。
どれも目を閉じて耳にしただけで、その様が具体的に、さらに趣深く目に浮かんできます。
日本人の遺伝子に刻み込まれた、やさしい音の響き
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