宮部みゆきさんの小説タイトルになる俳句を作ろう!

雑誌「ハルメク」では、宮部みゆきさんの書き下ろし小説連載がスタート!同時に俳句をみなさんから募集し、宮部さんが気に入った応募作から小説を書き下ろします。365本会員の方限定でお読みいただける本記事では「俳句作りのコツ」をお伝えします。

あなたの俳句が小説に!?
俳句はじめてガイド

雑誌「ハルメク」2024年1月号から、宮部みゆきさんの書下ろし小説連載がスタートしました。みなさんの実体験を題材にした俳句をもとに小説をつくるという新たな挑戦です。宮部みゆきさんの小説タイトルになる俳句の募集第3回は「秋の楽しみ」「冬休み」がテーマです(締め切り:2025年2月28日金曜日必着)。応募方法の詳細はこちら 「みなさんからの投句を楽しみにしています」という宮部みゆきさんへ、初めての方もお久ぶりの方も、あなただからこその一句を、作ってみませんか? 俳句をつくるために知っておきたいポイントを、宮部みゆきさんとも親しく、一緒に俳句づくりをしている宍戸健司(ししど・けんじ)さんに聞きました。

 

【お話】 宍戸健司(ししど・けんじ)
ケン・エディトリアル・ワークス代表。編集者。角川ホラー文庫、角川文庫それぞれの編集長を経て、角川書店第一編集部取締役部長を歴任し、数多くの作家を送りだす。現在、宮部みゆきさんやお仲間との「BBK」(文中参照)も通じて、創作活動を行っている。

宮部さんもハマった俳句の魅力

宮部さんが俳句に魅せられたきっかけは、作家で俳人の倉阪鬼一郎さん(くらさか・きいちろう)の著書『怖い俳句』(幻冬舎新書)を読んだことでした。この本は俳句の入門書としてもわかりやすく、「たった17文字でこんな深い読み方ができる」という驚きが、句作のきっかけになり、その後もBBK(ボケ防止句会)という仲間と共に作り続けています。

もともと俳句は複数の人で詠み合い、室町時代にそのかたちが定まったと言われる連歌から始まりました。連歌とは、一人が五・七・五を詠み、次の人がその句からインスピレーションを得て新たな七・七をつける。それを一晩中車座になってくり返すのです。どんなインスピレーションを持つかは人それぞれ。詠んだ人の意図と違う解釈をすることもあるわけです。今回のこの企画は、この連歌の流れを受け継いでいて、ハルメクのみなさんの俳句を宮部さんがストーリーにしていくことは、とても意義深いことだと思います。

俳句から小説をつくる新たな試みに取り組む宮部みゆきさん
写真=林ひろし

宮部みゆきさんの小説になった俳句

*いずれもBBKのメンバーの皆さん作
プレゼントコートマフラームートンブーツ
散ることは実るためなり桃の花
月隠るついさっきまで人だった
窓際のゴーヤカーテン実は二つ
―― 『ぼんぼん彩句』 角川文化振興財団刊
 
亡き夫に好物の鱧供えけり
―― 「ハルメク」2024年1月号~6月号 俳句×小説 連載第1回・第2回

俳句入門【虎の巻】

俳句は物語です。難しいルールはなし。まず作ってみましょう!
 

Point1具体的に詠みたい対象を決める

街を歩いて目にとまったことや、心に浮かんだことを、まず五と七にまとめてみましょう。その後、五を足すと作りやすいと思います。そして必ず見直しましょう。
また、俳句には季語が必要です。
一つの句に「寒い朝」と「布団」(両方とも冬の季語)が入っていたら、季語は2つになってしまうのでどちらかを変えたほうがよいのですが、季語については、過度に気にしなくてもいいと思います。
まず思ったことや見たものをその場でまず文字にし、描写をしてみることが大切です。
 

Point2切れ字で印象深く

短くも物語である俳句。
「や・かな・けり」などを使って区切ると、その後に視点が集まり、印象を深めることができます。例えばこの句。

菜の花や月は東に日は西に

与謝蕪村の有名な句ですが、切れ字の「や」でいったん区切ることで、菜の花いっぱいの風景を、より印象づけることができます。効果的に使ってみましょう。
 

Point3擬音語・擬態語(オノマトペ)を効果的に使う

俳句は文字数が限られるため、「ぽつぽつと降る」「ほうほうと鳴く」など、擬音語・擬態語を使うと、よりリアルに、感覚的・体感的な表現ができます。
写生に近い感覚でしょうか。字余りになることもありますが、感じたままを表すことが大事。
ぴったりの表現があれば、ぜひ使ってみましょう。
もし自分の考えたことと人の理解が違っていても、それもまた面白いものです。

宮部さんに選ばれるポイントは!?

それは宮部さんでなければわからないなあ(笑)。
でも決してありきたりではなく、ご自身の新鮮な驚きや気持ちを言葉にされるのが一番だと思います。どこかで見たような情景は、その人だけの感動が見えにくいもの。
あくまで生活の中で見聞きしたことや、キーになる特徴的なアイテムの描写を入れ、あなただけの経験をぜひ、句にしてみてください。

俳句 素朴なQ&A

Q1 初心者でも大丈夫でしょうか?

大丈夫です。むしろ手馴れていない方のほうが、大胆な発想ができます。小学生がのびやかな感性で、とてもよい句をつくることもあり、慣れていないことは強みです。 「俳句は難しい」というイメージを持たず、自由な気持ちで、気軽に言葉にしてみてください。

 

Q2 なかなかアイデアが浮かびません。

俳句は、感じたままを表現するのが一番。もちろん昔のエピソードを思い出すのもよいですが、「今見たこと」のリアルで鮮明なイメージからつくったほうが、句に力がこもります。 吟行(ぎんこう。仲間と外に出て俳句をつくること)のように、歩いて見て聞いて体験するのもいいかもしれません。動きながら考えると、小一時間も歩けば一つや二つは必ず句にしたいものが見つかるはず。お散歩がてら、ぜひ出掛けてみてください。足も頭も同時に動かすのがいいのか、俳句をつくる人はボケにくいと言われています(笑)

 

Q3 もっと挑戦してみたい気持ちになってきました。

ご質問の方は、俳句が面白くなってきたのでしょうね。次回以降も応募していただく他、お住まいの自治体で主催の講座を探したり、「ネット句会」と呼ばれる、インターネットで開催される句会に参加する方法や、「結社」と呼ばれる集まりに参加する方法も。俳句誌(NHK俳句など)に掲載される情報をもとに、好きな作風の主宰者の結社に、連絡をとってみてもよいかもしれません。

【応募要項】兼題:夏の思い出

応募方法

ハルメク365から応募する場合は、応募フォームからご回答ください。
応募には、ハルメク365へのログインが必要になります。

詳細は応募フォームを
ご確認ください

応募フォームはこちら

郵便はがき、封書、FAX、メールでのご応募を希望される場合は、詳しくは雑誌「ハルメク」2024年12月号をご確認ください。

 

募集締め切り

2025年2月28日(金)必着
※2025年6月号(5月10日お届け)以降で発表予定。
※投句作品の著作権は作者に帰属します。ただし、大賞の句の著作権は、宮部みゆきさんに移転します。御了承ください。
※作品の使用、利用、発表、出版、電子配信、その他の二次的利用については独占的に(株)ハルメク及び宮部みゆきさんが許諾を受けるものとします(著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む)
※お送りいただいた俳句の返却はいたしません。あらかじめご了承ください。

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