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- 人生相談:夫からの離婚勧告!愛はないけど離婚はイヤ
「女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が答えるQ&A連載。今回は、44歳女性の「愛情が冷めた夫からの離婚勧告。でも今後の生活を考えると離婚したくない…」という相談に、夫婦関係カウンセラーの岡野あつこさんが回答。
44歳女性の「愛のない夫からの離婚勧告」についての相談
私(44歳)、夫(46歳)、娘(15歳で高校生)の三人暮らしです。コロナ禍以降、夫はずっと在宅勤務になり、家が職場と化して苦痛な日々です。
夫は仕事中、15分に1回くらいリビングに出てきて、ジュースやお菓子を取り、大きな溜息をついていきます。さらに「あー、働きたくない」「会社なんて潰れればいいのに」など大きな独り言を言うこともあります。
夫は友達がほぼいなく、趣味も無い人なので土日もずっと家にいるので、私の心は一切休まりません。パート以外の日は、毎日逃げ場所を探して家にいないようにしています。
今までもいろいろありましたが、娘がいるのでなんとかやってきました。しかし娘も大きくなり一緒に出掛けることもほぼなくなり、そんな中、夫はずっと家にいる……。
この先の人生を考えると恐怖で耐えられなくなり、心の内を自分宛のLINEに書いてなんとかバランスをとっていましたが、それを夫に見られ「気持ちがないことは薄々気付いていた。離婚しよう」と言われました。
気持ちが無いのは確かですが、このまま娘にとっての“母親”と“父親”だけの関係でいいかな?と思っていたので、離婚は考えていませんでした。もし離婚したとして、この先自立してやっていけるのか不安です。
私は夫から言われた離婚を、受け入れるべきでしょうか?
(44歳女性・ぴよぴよこさん)
岡野さんの回答:家族のために働いている夫をまずは理解して
ぴよぴよこさんは44歳、お嬢さんが15歳ということは結婚生活も20年近いご夫婦だと思います。
結婚20年以上で、子どもの手が離れてから熟年離婚を考える人も増えてはいますが、その後の生活が成り立たない方には、おすすめできません。離婚は夫婦の合意で成り立つものですから、受け入れるのに不安があったり、意に沿わないなら受け入れる必要はないです。
離婚には経済がついて回るので、現在ぴよぴよこさんはパートで働いていても、離婚となれば正社員の道を探したいところですが、なかなか難しいのが現実だと思います。
そんな中、夫は在宅勤務とはいえ仕事を続けていて、家に生活費も入れてる様子。
夫の状況を察するに、コロナ禍があけて職場に復帰してる人も多い中、ずっと在宅勤務を続けてるということ。そして夫の言葉で「働きたくない」「会社なんか潰れればいい」とかこういう言葉が出るということは、会社が夫を必要としないのか、夫が会社に嫌気をさしてるのか、どちらかなのでしょう。
そう考えるとこのまま長く勤めあげられるとは思えませんよね。
辞められたり、病気になったりしたら、とたんに生活に響くと察しがつく妻なら、夫の在宅勤務でつらい日々を分かち合って家族でできることの対策を早急に練って改善にはしることができます。こんな夫のメンタルの状況においては家族のサポートが必要な時期です。
今回、誰にも見られないと思い、ぴよぴよこさんの思いの丈や夫への不満を綴った文章を読んでしまった夫からすると、がんばってきた甲斐や我慢も失せたのではないでしょうか。
夫が仕事をがんばれるサポートを!
私の相談所に来る男性の相談者の中には「浮気している女性と再婚したいから妻と別れたい」という人も多いです。
しかし最近の相談では「一生懸命働いて家族のために努力をしてきたのに、妻は当たり前だと思っている。そして自分のことを大切に扱ってくれない妻と、この先の人生を一緒にはやっていきたくないから、離婚の方法を教えてください」そういう男性が増えてきています。
夫婦は一心同体のように言われますが別人格です。長年一緒に暮らしていてもなかなかわかり合えないことも多いものです。
わかり合えないなら相手が何を考えてるのか、何をすれば喜ぶのかを聞いてみればいいのです。
ぴよぴよこさんの夫は、妻の気持ちを知って離婚を提案して来ました。しかしまだ決めたわけでなく、どういう答えが返ってくるか確認したいんだと思います。ぴよぴよこさんご夫婦にとっては、ここでお互いの気持ちを理解し合い乗り越えられるかの瀬戸際。夫婦関係改善のチャンスかもしれません。
今までぴよぴよこさんは、子育てをがんばり、妻の役割として夫も十分に支えてきました。だからこそ、そんな夫の甘えた気持ちをわかりたくもなく、夫と顔を合わさないように出掛けるという方法で逃げていたんだと思います。
子どものため、経済のために離婚しないのではなく、子どもが巣立って夫婦二人きりになっても「一緒でよかった」と思えるように、乗り越える術を身につけましょう。
たとえ15分ごとに降りてきてネガティブな言葉を発している夫であってもあなたとお嬢さんの生活を支えてくれるパートナーです。夫が仕事に励めるように、お嬢さんと二人で優しい言葉掛けやおいしい料理、気遣い、気配りで応援するのはどうでしょうか。
夫が家族の生活のためもあって我慢して働いてるんだとしたら、家族も協力、応援してあげてはいかがでしょうか。
やりがいがなく愚痴がでているのなら、夫の気持ちをひもといて(打ち明けてくれないなら親・きょうだいに協力してもらう)やりがいのある会社を探す、副業を見つけるなどの提案や、一緒にできる何かを見つける、そんなことでもいいと思います。
縁があって結婚して、かわいいお嬢さんもいるんです。今までに離婚の危機はいっぱいあれど、今日までなんとか乗り越えてきたのだと思います。
「雨降って地固まる」のことわざのように、今降ってきた雨=離婚という問題に対して、しっかりと向き合って「夫のことが嫌い」という理由だけで逃げるのではなく、どうやったらこの夫と支え合える関係になれるのかを、この機会に考え直してみたらよいと思います。
嫌な仕事でも辞めずに働いて家族を支えてる夫のがんばりを評価してあげて、褒めてねぎらって、夫がネガティブな言葉を発せず働けるようにサポートするのも、妻の分担できる役割の一つではないでしょうか。
そう考えて行動すれば経済不安がつきまとう離婚も撤回になって、夫とも今よりいい関係が生まれると思います。
回答者プロフィール:岡野あつこさん
おかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)がある。
・離婚相談救急隊運営
・YouTube「岡野あつこチャンネル」
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