短い季節を楽しむ庭づくり

白とブルーの花たちが主役の、初夏の庭

公開日:2020/07/10

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バラ栽培のコツや花に囲まれた暮らしを発信するブログが人気のバラ愛好家・奥野多佳子さん。布を駆使したタペストリーも芸術的な美しさです。今回は、奥野さんの初夏のお庭にご案内します。白とブルーの花々が基調となり爽やかな彩りに変わります。

白とブルーの花たちが主役の、7月の庭

作品「カラーⅡ」

作品「カラーⅡ」
作品「カラーⅡ」

6月になると、庭にはカラーが咲き始めます。派手ではありませんがとても魅力的な花……。緑の茎から白い花の部分にかけてのフォルムがとても美しく、私の大好きな花です。 

作品「カラーⅡ」

シンプルだけど微妙な色合いやラインを表現したくてカラーをモチーフに何作も作っていますが これは染めた布に綿を入れてふんわり仕上げました。オーガンジーやチュールも使っています。

 

初夏の庭の、白い花たち

初夏の庭の、白い花たち

バラの華やかな色合いで覆われたにぎやかな庭も、季節が進むと初夏のみずみずしい新緑と白やブルーが中心の落ち着いた色彩に変わっていきます。

今回は、初夏の美しいカラーリーフや、白やブルーの爽やかな色合いの花をご紹介します。

アナベルは初夏の庭に欠かせない

アナベル

初夏の花でとても重宝するのが、あじさいのアナベルです。アナベルは、小さな花が集まりボールのように咲いて、頭くらいの大きさにもなります。ふんわりと優しい、とても存在感のある花……。

ライムグリーンから咲き進むと真っ白へ、そしてまたライムグリーンに変化していくそのグラデーションは 本当にきれい……長く楽しめます。

アナベル

アナベルは庭の4か所に植えていて、大きな株に育っているので毎年ご近所や友人たちに配っています。
みんなが大好きな花……冬に肥料をパラパラと蒔き、土や堆肥を被せるだけと、ほとんど手間いらずで翌年もよく咲いてくれます。

また、他のあじさいと違って新しい枝に新芽ができるので、いつ剪定しても春には咲いてくれます。なので、冬に高さ調節のために切れるので助かります。

アナベル

切って、たっぷり生けたり……

リース

簡単にドライにできるので、リースを作って楽しみます。  

お庭に一株あれば、いろいろ楽しめて重宝する、おすすめのあじさいです。

見飽きることがない、カラー

見飽きることがない、カラー

カラーは日陰でも育ちますが、やはり日当たりのいい場所では地下茎が増えてどんどん大きくなっていきます。大きな葉が重なり合い個性的な花、そして手間いらず。でも、強い日差しで葉焼けすることがあります。

黄色いボールのような花は、クラスぺディアのゴールドスティック。ドライにもできる楽しい花で、アクセントになります。

クラスぺディアのゴールドスティック

カラーは作品のモチーフに使うのでよくスケッチしますが、クルッと巻きながら上がってくるつぼみのエッジの効いたスタイルや、それがほどけて開いていく様子は見ていて飽きません。

香りがまた最高な、ユリ

ユリ

オリエンタルリリーです。ユリは秋に球根を植え付けますが、3年以上たつと植え替えるようにしています。白いユリが引き立つよう いつも鮮やかな葉のカンナの横に植えて、色合いを楽しんでいます。ユリが咲き出すと香りが庭中に広がって、思わず深呼吸するほど気持ちがいい……季節を感じさせる花です。

この他の、かわいい白い花たち

左/シャスターデイジー、右/ホワイトレースフラワー
左/シャスターデイジー、右/ホワイトレースフラワー
左/コレオプシス、右/ノコギリソウ
左/コレオプシス、右/ノコギリソウ

この時期、背の高い花が多いですが、ホワイトレースフラワー以外は宿根草です。ノコギリソウは背が高く葉っぱがノコギリみたいなので名前が付いたそうですが、名前に似合わずかわいい花です(笑)

 

初夏の庭の、ブルーや紫の花たち

初夏に咲くブルーや紫の花は多くて、しかも手間いらずで毎年咲く優等生がいっぱい!

存在感のある、アガパンサス

アガパンサス

6月になると花穂が一斉に上がり、包んでいた苞から花火のようにブルーの細長い花が咲き出します。
高さ1mほどの高さで花が咲き、存在感があるのに手間いらず……本当によくできた花です。

イングリッシュラベンダーは、ドライにも

イングリッシュラベンダー

花茎がお日さまに向かって長く伸び、淡い色合いで咲きます。乾燥を好むので、夏の過湿は禁物です。夏の蒸し暑さに弱いイングリッシュラベンダーですが、ドライにするには一番きれいにできて香りもいいと思います。

いつもリボンでキュッと結んで吊り下げますが、それだけでいい香り……
いつもリボンでキュッと結んで吊り下げますが、それだけでいい香り……

その他の、涼しげな紫やブルーの花たち

左/ユウギリソウ、中/イソトマ、右/プルンバーゴ
左/ユウギリソウ、中/イソトマ、右/プルンバーゴ

涼しげなブルーのプルンバーゴや一年草のイソトマは真夏でもよく咲いてくれます。

種類の多いサルビアもおすすめ!

左/メドーセージ、中/サルビア・ファリナセア、右/サルビア・ネモローサ カラドンナ
左/メドーセージ、中/サルビア・ファリナセア、右/サルビア・ネモローサ カラドンナ

サルビアはほとんどが宿根草で、蒸し暑い夏でもよく咲くとても丈夫な花です。メドーセージは1mほどの高さで群れて咲くので迫力があります。何もない夏の我庭の主役になります。この花、茎とガクが黒くてシックな感じですが、いつ見ても怪獣が口を開けてるようにしか見えないのは私だけ……‽(笑)

クレマチスは、秋まで楽しめる

クレマチスにもブルーや紫色の種類は多く、切り戻すと秋まで楽しめます。

ブルーのアラベラ
ブルーのアラベラ
濃い紫のアフロディテ・エレガフミナ
濃い紫のアフロディテ・エレガフミナ

 

私の庭に欠かせない、カラーリーフたち

アメリカハナズオウは一年通して美しい

アメリカハナズオウ

バラが終わると待っていたように、アメリカハナズオウの葉っぱが展開してきます。その黄緑色のグラデーションの美しさには見惚れます。

春先には小さなピンクの花を咲かせ、秋になると黄色く色付き落葉していきます。1年を通して本当に美しい色合いを楽しめるおすすめの樹木です。

鮮やかな世界を作る、カンナ

カンナ

初夏の白い花を引き立ててくれるのが、カンナのベンガルタイガー(黄緑色)とダーバン(赤い葉)です。

このカンナ、花は普通にオレンジ色ですが、葉のスジスジの模様を見ると芸術的な美しさ……といつも思ってしまいます。この2つは隣り同士で植えるとより引き立て合って、鮮やかな世界を作ります。

そして きれいなだけでなくお隣のお役にも立っています。横に植えているユリにとっては、夏は日当たりがよすぎて過酷な場所になりますが、カンナの大きな葉っぱが直射日光を防いで地温が上がるのを防いでくれているのです。

夏になるとダーバンは少し葉焼けしますが、葉を楽しみたい方にはおすすめの植物です。

緑のグラデが美しい、ホスタ

雨で鮮やかなホスタ ジューン
雨で鮮やかなホスタ ジューン

ホスタは多年草で、春になると毎年美しい葉が広がります。緑色といってもいろんな色……黄緑や青緑 灰緑などや、ツヤのあるものないもの……それぞれが個性的で、まるで絵の具で描いたような葉っぱもあります。

小型のものから、大型だと直径1m以上になるものもあります。色合いや質感などさまざまで、私はホスタが大好きです。 

ホスタ

ところがホスタは夏の日差しに弱いものが多く、木陰など半日陰に置くのが一番なので、移動できるようにほとんど鉢で育てています。でも移動できないホスタも多くて、この時期は庭にパラソルを立てます。
庭作業する私は日焼けしてるのに、ホスタは日から守る……のです💦💦 子を思う親の気持ち……(笑)

このホスタたち、秋になると黄金色に輝きながら1年を終えます。私はいつか、カラーリーフだけの庭を作りたい……と思うほどです。

 

真夏の8月に向けての庭仕事

アブラハムダービーの二番花とアナベル
アブラハムダービーの二番花とアナベル

7月、バラは花が終わると新しいシュートが出て葉が繁り、来年に向けて動き始めます。花がらを摘んで肥料をあげますが、そのときちょっと土を耕して、堆肥も足してあげることも大事です。

5月の花後、新芽が伸びてバラはまた花が咲きますが、その二番花も楽しみ! でも梅雨や蒸し暑い夏を元気に乗り切るためにも、風通しを良くしたり、株元を整理したり、害虫対策をしたり……その他にも一年草の種を取ったり、暑さに弱いものを移動したり……。庭は大忙し!! あっという間に真夏がやってきます。

8月になると、庭は暑さや湿気に耐えじっと我慢! ちょっとスダレで直射日光を防いだり、マルチングして地温を上がりにくくしたり……暑さ対策をしています。

白やブルーの爽やかな景色はあっという間に過ぎていきますが、庭仕事が忙しい中、その色合いを楽しむのが 庭でのブレイクタイム!

夏の間は私もじっと我慢……いえいえ楽しい夏休み、です(笑)


次回は8月10日にお届けします。

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奥野多佳子

1952(昭和27)年、兵庫県生まれ、大阪府在住のバラ愛好家。82年にタペストリー制作を始め、2000年に陶芸、04年に庭づくりを始める。豊中市美術協会会員。兵庫県立美術館で解説ボランティアに参加。ブログ「Soleilの庭あそび…布あそび♪」は人気です。

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