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- 年齢で似合う服が変わる?悩んだタイミングが見直し時
ファッションデザイナー・横森美奈子さんが50代からのおしゃれのコツをアドバイスする連載企画。今回のテーマは「何だか似合わない」の対処法。気に入っていた服がなぜかしっくりこず、「何を着たらいいかわからない…」という悩みを解決します。
おしゃれへの第一歩は「自分を客観的に見ること」
読者モデルの鶴間美穂(つるま・みほ)さんは現在70歳。55歳のときに殺陣(お芝居の乱闘や斬り合いなどの演技)と出合って稽古を始め、これまで大きな舞台に立った経験もあるのだそう。
「もともと演劇や映画の鑑賞が大好きでアクティブな性格でしたが、コロナ禍で外出できなくなった上、2021年11月に会社を退職。巣ごもり生活が続いたせいか、何をするのもおっくうになり、おしゃれにも自信がなくなってきました。明るいパステル調の服が好きでよく着るのですが、最近は何だか似合わなくなってきて……」と悩みを打ち明けます。
せっかく買った服も着ないことが増えたという鶴間さんに「そこでメゲてはいけません。似合わない原因がわかれば対処法は考えられますよ」と横森さん。「お稽古を重ねると殺陣が上達するのと同じように、おしゃれも前向きに取り組めば必ず結果が出ます!」と鼓舞します。
横森さんによれば、おしゃれへの第一歩は「自分を客観的に見ること」。全身鏡の前に立ち、頭を下げておじぎをし、ぱっと顔を上げて目に入った自分が、明るい人か、暗い人か?元気な人か、疲れた人か?全体のイメージを見ることが大事だといいます。
「“ぱっと見”の印象って、細かいところよりも、実は色のイメージが大きいのです。パステルカラーはきれいですが、あいまいな色なので、全身がパステル調だとぼんやりあいまいな印象になりがちです。だからといってパステルカラーが悪いわけではありません。着方を見直してみましょう」と横森さん。
さっそく実践です!
パステルカラー×引き締め色が大人スタイル
「明るいパステルカラーが好きだけど、今の自分にどうも似合わなくて……」という鶴間さん。パステルピンクのパンツには、パステル調のブラウスをよく合わせるそうです。そんな鶴間さんのいつものスタイル(写真左)は、全体的にぼんやりしているような……。お気に入りの服なのになぜか垢抜けないのも気になるそうです。
全身が淡い色だとぼんやり見えがち。引き締める色を合わせてメリハリをつければ、“大人のピンク”の着こなしに(写真右)。「パステルカラーは優しく着なきゃダメ」という思い込みは手放しましょう。黒のトップスでびしっと引き締めればエレガントで大人っぽいスタイルに。着やせ効果も大!
濃いブルーのパンツで「すっきりシャープ」に
ブラウスの柄に使われている色と同系色のパンツを合わせるのは、おしゃれの基本テクニック。ただし淡い色ではなく、濃い色を選んで上下でメリハリをつけるとすっきり引き締まります。
同系色で濃淡をつけると上品にまとまる!
「ラベンダー色が気に入って買ってはみたものの、ほとんど着ていないパンツ。無難に白を合わせるくらいしか着方が思い浮かびません」と鶴間さん。ボトムにきれいな色を選ぶのは正解。さらに、上下で濃淡をつけると垢抜けます。
カラーパンツは50代・60代にもおすすめ。淡い色同士で組み合わせるとぼんやりとした印象になりがちですが、同系色の濃淡ならおしゃれにまとまります。
濃い目のビッグシャツで縦長ラインを意識
白いインナーに濃いめのラベンダー色のシャツを羽織って縦長ラインを強調。ビッグシャツは、体型カバーにも寒暖差調節にも便利で、大人世代にうれしいアイテムです。
カラーパンツは同系色でまとまりを
きれいなライムグリーンのパンツに、緑と黄色の小花柄のブラウスを合わせたものの「何だかパッとしなくて」と鶴間さん。いつものスタイルは、つい無難に白っぽいものを合わせがちです。
そこで、ユニクロの1000円Tシャツで、グリーンの濃淡コーデを実践!色を組み合わせるのは難しいと思われがちですが、同系色なら問題なく決まります。TシャツはゆったりしたLサイズを選んで下半身をすっきり見せます!
明るい服となじむ「髪の軽さ」も重要!
写真左はいつものスタイル。3週間に1回は白髪染めをしているという鶴間さん。真っ黒に染めた髪は頭を重たく見せ、パステル調の服とのなじみもよくありません。
部分メッシュを入れてヘアに軽さと立体感が出ると、似合う服の幅が広がります。白髪をぼかす効果もあり「気に入りました!」と鶴間さん。
■挑戦した鶴間さんの感想は?
何を着ればいいかわからなくて立ち止まっていましたが、横森さんのアドバイスでまさに目からウロコが落ちました。これをいい機会に、もっとおしゃれに前向きに挑戦してアクティブだった自分を取り戻したいです。
取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) 撮影=日高奈々子 ヘアメイク=木村三喜
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年8月号に掲載された内容を再編集しています。
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