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- 驚きの70代谷玉惠さん伝授!ひざ・腰悩みゼロの秘訣
シャキッとした若々しい歩き姿——運動健康指導士・谷玉惠さんです。2022年8月に77歳を迎えた谷さんは、なんと、多くの読者世代が抱える“ひざ・腰のつらさ“知らず!谷さんの”ひざ・腰シャキッ“の秘密を聞きました。
谷 玉惠(たに・たまえ)さんのプロフィール
1945(昭和20)年生まれ。健康運動指導士。85年、東京・青山に体操教室を開業し、以来、約30年にわたり、整体、鍼、ダイエット体操などを通して、“骨盤のゆがみ”を整える健康な体づくりと生活習慣を指導。70歳を機に教室を閉じ、現在は講演会や講座などで指導を続けている。
“ひざ・腰シャキッ”の秘訣は、とにかく「動くこと」!
77歳にしてひざ・腰につらさを感じないという谷さん。その理由をたずねると、ズバリ「運動」といいます。
「私の場合は、週2〜3回はジムで筋トレをしています。脚〜お尻5〜6種、腕3〜4種、お腹2種などですね。所要時間1時間少々です」
見るからにハードなトレーニング! かなり若い頃から鍛えられていたのではと思いますが……。
「いえいえ、始めたのは40代。青山に体操教室を開業した頃ですね。年を重ねてから筋肉を増やすためには、自分で負荷をかけなければいけないことに気付いたんです」と谷さん。筋力が低下し筋肉繊維が弱まると、ゆくゆくはひざ・腰の痛みの原因につながると指摘します。
「加齢や運動不足によって、筋力はどんどん落ちていきます。また長時間、悪い姿勢でいると筋肉のつき方もゆがんできます。そうなると全身の筋肉バランスが崩れて、踏ん張りがきかなくなってくるんです。すると、弱い部分を補うように腰・ひざなど、一部分に負荷がかかって痛みにつながります」
なるほど、筋肉繊維を太く、筋力を強く育てることが、ひざ、腰の痛みやつらさを防ぐためには必要ということですね。でも、 ひざと腰が”シャキッ”とした若々しい姿をキープするためとはいえ、谷さんくらいのハードなトレーニングはこなせない!思う方も多そうですが……。
「続けられないような、ハードなトレーニングは必要ありません。大事なのは動くことで、簡単でいいんです。でも何より大切なのは“やろう”という気持ちです。筋肉は、何歳からでも鍛えられますよ!」
それは希望を持てる言葉です!では、あまり運動に慣れていない方たちは、どんなことから始めるといいでしょうか?
トレーニングは「ウォーキング」でいい
「いちばん簡単な方法は、歩くことです。ウォーキングを3000〜4000歩、時間として30〜40分が目安です。週3回くらい歩くといいですね」と谷さん。
「50代以降は内ももの筋肉が落ちやすく、サッと歩けなくなってくるので、歩くことはとても大事。ポイントは、“お散歩”ではなく“ウォーキング”をすることです。軽く汗をかくくらいの速足のイメージです。厳密にいうと、時速3.5~4kmくらい。スマートフォンのアプリを利用して、測ってみるのもいいですね」
買い物のときに少し遠いスーパーに行く、1駅分歩くなど、30分なら、外出のついでにちょっとした工夫でできそうです。
「さらに日常的にできる方法は、常にお腹に力を入れること。ウォーキングのときはもちろんですが、普段電車に乗っているとき、家にいるとき、気付いたらお腹にぐっと力を入れてみましょう。これだけで、かなり効果が変わってきますよ」と谷さん。
いつでもできて手軽なトレーニングです!ずっと力を入れ続けるのは大変そうですが、気付いたときだけでも力を入れるようにしたいものです。さらに、日常的にひざ・腰に不安を感じやすいシーンにも、“動き方のコツ”があるそうです。
ひざ・腰のつらさを防ぐ体の動かし方
階段の上り下りで気を付けるポイント
読者世代からよく聞かれるのが、階段を下りるときの不安。聞いた話では、階段を下りるとき、ひざには体重の約3倍の負荷がかかるといいます。
「上がるときは、手すりにしっかりつかまって、手で体を引き上げるようにしてください。お尻に力を入れ、お尻から上がることをイメージ。下りるときは、体を前傾にすると、ひざに一気に負荷がかかります。体を少し後ろに反るようにして降りると、ひざに負担をかけるのを防げますよ」(谷さん)
立つ・しゃがむは、家具を使って負荷を分散!
おうち時間が長くなり増えたのが、立ったりしゃがんだりするときのつらさ。家事をする際に欠かせない動作なので、何とかしたいものです。
「立つときは、テーブルがあればテーブルに手をついて立ちましょう。なければ太ももに手を当てながら立ち上がると、ひざや腰への負荷を分散できます。しゃがむときは片ひざをつくのがいいです。本来は痛いときはしゃがまない方がいいのですが、どうしてものときは低めの台を準備して、腰を下ろしましょう。例えば草むしりなどは、その台を持っていって腰かけましょう」(谷さん)
立ちっぱなしのときは、お腹・お尻・脚のスタンスがポイント
最後は立ちっぱなしです。特に台所仕事をするときは、何十分も立っている場合もありますが……。
「立つときに、ひざを少し曲げてみましょう。お腹を締めて、お尻もキュッと締めると体幹が立つのでなおいいですね。脚はやや開き、地面に足裏を押つけてバランスをとりましょう。ちなみに台所ならば、風呂場の腰かけなどに片足を乗せるとラクですよ」(谷さん)
あらゆる動作をラクにしたいなら、スパッツがおすすめ!
それでも、毎日ふとした瞬間につらさを感じたり、つらくなくても「もっとシャキッと歩きたい」という方も。そんなときに手軽なケアは、「着圧タイツ」や「サポートスパッツ」をはくことです。
「サポートで下半身の負荷を分散してくれるので、あらゆる動きがラクになります。動作が楽になれば、『動きたい!』というスイッチも入るはず。
筋肉や骨の正しい動きを助けてくれるので、普段の動きもいい運動になりそうです。いわゆるスポーツ用のきつい矯正スパッツではなく、読者世代向けに日常的にはきやすいスパッツもあるので、活用してみるのもいい方法ですよ」(谷さん)
自分の足で歩ければ、行きたいところに自由に行ける!
最後に、谷さんからメッセージです。
「いつまでも自分の足で動けることは、とっても大切です。杖を使うことになったり、行きたいところにも行けなくなったりすると、徐々に引きこもり気味になり、結果、認知症や老人性鬱(うつ)を併発することもあります。また、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防にもなり、寝たきりにもなりません。自分で動くことで、日々が快適に過ごせて、家族や身内に迷惑をかけないことにつながりますよ!」
次回は、筋力をUPするトレーニングを谷玉惠さんに教わります!
取材・文=水野 愛(ハルメク 健康と暮らし編集部) 撮影=渡辺裕之 ヘアメイク=小島けさき
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