介護につながるフレイルとは?まずはセルフチェック
50代から注意したい「フレイル」2
口の衰えから全身フレイルに!口の老化度をチェック
加齢とともに気を付けたいのが、フレイル(虚弱)です。フレイルになると、免疫力の低下にもつながるため、特に感染症などの流行時は注意が必要に。フレイルを招く要因の一つ「オーラルフレイル」を予防するには?
自覚しづらい「お口の衰え」がフレイルを招きます

「寝たきりや要介護にならないために意識したいのは、口腔機能の低下である“オーラルフレイル”です。口の衰えは本人も気付きにくいのですが、真っ先に老化の兆候が表れる場所です」。東京大学高齢社会総合研究機構 機構長・未来ビジョン研究センター 教授の飯島勝矢さんは、そう指摘します。
オーラルフレイルが注目されるのは、口の衰えが、全身の衰えに直結することがわかってきているからです。
飯島さんを中心に東京大学高齢社会総合研究機構は、千葉県柏市に住む65歳以上の健康な人2044人(平均年齢73歳)を対象に「柏スタディ」と呼ばれる調査研究を実施中です。2012年から4年間追跡したところ、調査開始時点でオーラルフレイルだった人は、そうではない人より、要介護になるリスクが2.4倍、総死亡リスクも2.1倍高いとの結果が出たのです。
まずは次のチェックシートで、オーラルフレイルの危険度を確認してみましょう。あなたは大丈夫でしょうか。
あなたは大丈夫? オーラルフレイル危険度チェック

噛む力が低下すると、栄養状態も悪化

チェックシートの一つ一つの項目は、硬い物が食べにくい、お茶や汁物でむせることがあるなど、生活に支障が出るほどのことではありませんが……。
「オーラルフレイルになると、軟らかいものを好むようになって噛む力が衰えます。そうなると、硬い食べ物を避けるため、ますます噛む力が低下。栄養状態も悪化して口の回りや体の筋力が落ちる悪循環に陥ります。機能低下が口から全身へ広がり、要介護、寝たきりへとつながる人も少なくありません」と飯島さん。
考えてみれば、口は、食べたり飲み込んだりする他、コミュニケーション、唾液の分泌、呼吸など、生きる上で欠かせない役割を果たしています。
例えば、私たちは、肉などの食べ物が口に入ると、噛んで細かくして飲み込みやすい形状にし、舌を使ってのどから食道へ送り込みます。特に意識することなく、話をしながらでも、噛んで飲み込むことを繰り返しているわけです。
ところが、口のことへの関心が低下し、歯が少なくなったり、舌や唇、口の回りの筋肉が思うように動かせなくなると、滑舌が低下し、食べこぼし、わずかなむせなどが生じ、オーラルフレイルになります。
「お口の衰え」を見過ごさないために
「年のせい」などと放置すると、ますます噛む力が弱まって、身体的なフレイルが顕著になり、やがて要介護、寝たきりになってしまう人もいます。急に介護が必要な状態になるわけではなく、第1段階から第2段階、第3段階へ徐々に進んでいくのです。

「オーラルフレイルだと気付いた時点で歯科検診に行ったり、口の周囲の筋肉を鍛えたりすれば、第2段階から第1段階、そして健康な状態へ戻せます」と飯島さんは助言します。オーラルフレイルになっていない人も安心せずに、口のケアをしましょう。
■教えてくれた人
飯島勝矢さん

いいじま・かつや 1990年東京慈恵会医科大学卒業。医師、医学博士。東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座講師、米国スタンフォード大学循環器内科研究員などを経て、現在は、東京大学高齢社会総合研究機構 機構長・未来ビジョン研究センター 教授。専門は老年医学、総合老年学。著書に『東大が調べてわかった 衰えない人の生活習慣』(KADOKAWA刊)など。
取材・文=福島安紀 イラストレーション=ねもときょうこ
※この記事は2019年3月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。
※雑誌「ハルメク」は定期購読誌です。書店ではお買い求めいただけません。詳しくは雑誌ハルメクのサイトをご確認ください。
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【参考資料】
・新型コロナウイルス感染症への対応について(高齢者の皆さまへ)-厚生労働省
・「長引く外出自粛 高齢者は楽しくフレイル予防を!!」-NHK
■50代から注意したい「フレイル」■
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