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シワやたるみの原因は骨密度!?骨からたるみを防ぐ
顔たるみ予防の鍵は“骨”にあり!美を保つ骨ケア
女性医療クリニックLUNAグループ理事長
関口由紀
公開日:2024.05.30
年齢とともに気になってくる顔のたるみ。スキンケアをがんばってもなかなか改善されないなら、それは骨痩せに原因があるのかもしれません。顔のたるみと骨との関係や、たるみ予防につながる骨ケアについて女性医療を専門とする関口由紀さんに聞きました。
■監修者プロフィール:関口由紀(せきぐち・ゆき)さん
山形大学医学部卒業、横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学終了。医学博士。横浜市立大学医学部泌尿器病態学講座客員教授。株式会社フェムゾーンラボ代表。女性医療クリニックLUNAグループ理事長。2019年より横浜の元町中華街駅前で生殖年齢向けの女性医療クリニックLUNA横浜元町と更年期以降向けの女性医療クリニックLUNAネクストステージを主宰。
女性ホルモンが減ると骨も弱くなる理由
女性の骨密度は50代からぐっと低下してきます。その原因の一つが、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの減少。関口さんは、女性ホルモンと骨の関係についてこう解説します。
「骨は、古い骨を壊して新しい骨を作るという新陳代謝を繰り返しながら、骨を新しく作り変えています。その中でエストロゲンは、骨が壊れるのを抑えるなどして、骨の代謝を調整する働きを担っています。
ところが、女性は閉経前後になるとエストロゲンの分泌量が急激に低下します。すると骨が壊れるスピードが速まり、作るスピードが追いつかなくなって骨密度が低下していくのです」(関口さん)
そうして骨密度が低下してくると、骨が痩せてもろくなっていきます。
「女性の骨密度は18歳くらいをピークに下がり始め、50代になるとぐっと低下します。ピーク時の骨密度を100として、70を下回ると骨粗しょう症と診断されますが、中には閉経直後に骨粗しょう症と診断される人もいます。『まだ早い』と思い込まず、50代からは骨の健康も意識していってほしいですね」(関口さん)
顔たるみの原因は骨にもある?
骨密度が低下してくると骨折しやすくなるなどの健康リスクが高まるだけでなく、骨が痩せることで顔もたるんでくると言われます。
「骨密度の低下は全身の骨で起こります。そのため、頬骨やあご、こめかみなどの骨が痩せてくると、顔の皮膚がたるんできます。特に、固いものをあまり食べない人は口まわりの骨が痩せやすいので、口元のシワやたるみが目立ちやすい傾向にあります」(関口さん)
スキンケアなど日ごろのお手入れをがんばってもたるみやほうれい線が改善されないなら、それは骨が痩せてきたのが原因かも。
とはいえ、骨は新陳代謝を繰り返している組織なので、骨代謝を促すケアを取り入れ、骨粗しょう症と診断されたらしっかり治療を受ければ、骨は強く生まれ変わっていきます。
ケガをしにくい体づくりはもちろん、顔のたるみを予防するためにも、屋台骨となる骨のケアを意識していきましょう。
丈夫な骨を作るための3つの対策
関口さんによると、丈夫な骨を作るケアのポイントは「骨づくりに必要な栄養素」「骨への適度な刺激」「日光を取り入れる」の3つだそうです。まずは、全身の骨密度アップにつながる具体的なケアを教えてもらいました。
■丈夫な骨を作るケア1:骨づくりに役立つ栄養素を
骨の形成に欠かせないカルシウムと一緒に、骨の材料となるタンパク質も十分に取るようにしましょう。
1日の摂取量の目安は、カルシウムは650~700g、タンパク質は50~60gです。骨を作る働きを促すビタミンKや、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも積極的に取れば、より丈夫な骨に近づけます。それぞれの栄養素が豊富な食べ物は以下の通り。
- カルシウム……魚、乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、海藻、ごまなど。
- タンパク質……肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など。
- ビタミンK……納豆、緑黄色野菜、卵など。
- ビタミンD……肉、海の魚、卵、きのこ類など。
こうした栄養素を毎日の食事に取り入れていくことで、丈夫な骨が作られていきます。難しければ、骨づくりをサポートする成分が入った栄養補助食品などを活用するのも一手です。
■丈夫な骨を作るケア2:運動で骨に刺激を与える
骨は衝撃を受けると、骨細胞が活性化されて強い骨に生まれ変わっていきます。ウォーキングやかかとの上げ下げなど、適度に骨を刺激する運動を取り入れていきましょう。
「手軽にできるおすすめの運動は、大股歩きやかかと落とし運動です。かかと落としのやり方は、立ったままテーブルなどに手をつき、斜め前に重心を置いたら、かかとを上げてストンと床に落とすだけ。トントンとリズムよく行うとなおよいですね」(関口さん)
■丈夫な骨を作るケア3:適度に日光を浴びる
カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、紫外線を浴びることで体内でも作られます。とはいえ、夏の直射日光を長時間浴びる必要はありません。
「夏は日陰で30分、冬は1時間程度日光を浴びるといいとされますが、難しければベランダで数分太陽を浴びるだけでも大丈夫。顔は日焼け止めを塗って、腕だけ日光に当てるなどでもOKです。室内ではなく、外で日に当たるのがポイントですよ」(関口さん)
紫外線量が最も多い10時頃から14時頃は避け、朝や夕方に日光を浴びるなど、紫外線をうまく利用しながらビタミンDの生成を促していきましょう。
顔たるみ予防に役立つ骨ケア2選
続いて、顔のシワ・たるみ予防に効果的な「顔の骨ケア」についても教えてもらいました。
■顔の骨ケア1:噛みごたえのあるものを食べる
よく噛んで食べると口まわりの骨が刺激され、顔の骨密度アップにつながります。根菜類やスルメ、ナッツなど噛みごたえのある食べ物を取り入れ、「噛む」ことを意識していきましょう。
また、しっかりと噛むためには歯の健康も大切です。「50代からはホルモンバランスの影響で虫歯や歯周病のリスクも上がりますから、毎日の丁寧な歯磨きを心掛けてくださいね」(関口さん)
■顔の骨ケア:表情筋をしっかり動かす
顔の表情筋をしっかり使うことで、顔まわりの骨が鍛えられます。「あ・い・う・え・お」の発音に合わせて口を大きく動かしたり、口の中で円を描くように舌を動かすなど簡単なトレーニングでいいので、すき間時間に取り入れてみましょう。
たるみのない顔の土台となる「骨」を守るためには、早めのケアで骨密度をキープしていくことが大切。「まだ大丈夫」と思い込まず、できそうなケアから取り入れてみてくださいね!
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