- ハルメク365トップ
- 美と健康
- 健康
- 「口の渇き」も危険なサイン!お口の老化をチェック
口の渇きが気になる、飲み物でむせることが多い……口の機能が衰えた状態「オーラルフレイル」かも。オーラルフレイルを放置すると徐々に全身の機能が衰え、将来、要介護状態に陥る恐れがあります。まずは、チェックリストでお口の状態を確認してみましょう。
教えてくれた人:松尾浩一郎(まつお・こういちろう)さん
歯科医師。東京医科歯科大学大学院地域・福祉口腔機能管理学分野教授。1999年、東京医科歯科大学歯学部卒業。米国ジョンズ・ホプキンス大学医学部講師、松本歯科大学准教授、藤田保健衛生大学教授などを経て、2021年から現職。歯学博士。専門は高齢者歯科学、摂食嚥下リハビリテーション。オーラルフレイル予防の「カムカム健康プログラム」活動に携わる。
お口の健康が損なわれると老化へまっしぐら!
食べ物を噛む、飲み込む、話をするといった口の機能が低下すると、食事や会話にも影響が出てきます。これが「オーラルフレイル」と呼ばれる状態です。オーラルは「口の」、フレイルは「虚弱」を表しています。
最近、「食事のときに汁物でよくむせる」、「滑舌が悪くなった」という方は要注意です。実は、オーラルフレイルは口だけの問題にとどまらず、全身の「フレイル」に進む“入り口”であることがわかってきました。
「噛む力や舌の力が弱くなったり、歯周病で歯が抜けたりすると、軟らかいものばかり食べるようになって栄養が偏ってしまいます。また滑舌も悪くなり、会話や外出の機会も減ることに。
つまりオーラルフレイルになると栄養と社会活動の両面から心身の衰えが進み、全身のフレイルにつながってしまうのです」と、歯科医師で東京医科歯科大学大学院地域・福祉口腔機能管理学分野教授の松尾浩一郎さんは話します。
フレイルはどんな状態?
フレイルとは、加齢とともに心身の活力や機能が低下して病気にかかりやすくなった状態で、介護が必要になる少し手前の段階とされています。
具体的には体重減少、筋力低下、疲労感、歩行速度の低下、身体活動の低下のうち、3つ以上当てはまるとフレイル、1~2つの場合はフレイル予備軍とみなされます。
千葉県柏市の住民を対象にした大規模調査では、オーラルフレイルの人はそうでない人に比べ、フレイルになるリスクが2.4倍、要介護認定になるリスクも2.4倍、総死亡リスクも2.1倍高かったと報告されています(*)
「たかがお口の不調」と軽く考えていたら大変。心身の老化は、お口から始まるのです。
*Tanaka T, Hirano H, Watanabe Y, Iijima K. et al. Oral Frailty as a Risk Factor for Physical Frailty and Mortality in Community-Dwelling Elderly. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2018
お口の変化チェックリスト
「口の機能は、放っておくと気付かないうちに落ちていきます。ご自身の口の機能が今どんな状態なのか、まずはチェックしてみてください」と松尾さん。
次の8つの質問に答えてみましょう。合計点が4点以上ならオーラルフレイルの危険性が高く、3点だと危険性ありです。
あなたのお口は大丈夫?まずはチェックしてみましょう
- 半年前に比べて、硬いものがたべにくくなった(はい2点、いいえ0点)
- お茶や汁物でむせることがある(はい2点、いいえ0点)
- 義歯を入れている(はい2点、いいえ0点)
- ※歯を失った場合、義歯等を適切に使って硬いものをしっかり食べられるよう治療することが大切です。
- 口の渇きが気になる(はい1点、いいえ0点)
- 半年前と比べて、外出が少なくなった(はい1点、いいえ0点)
- さきイカ、たくあんくらいの硬さの食べ物を噛める(はい0点、いいえ1点)
- 1日に2回以上、歯を磨くはい0点、いいえ1点)
- 1年に1回以上、歯医者に行く(はい0点、いいえ1点)
すべての質問事項に答え、該当する回答の点数を合計してください。
合計点の点数で危険性をチェック
0~2点:オーラルフレイルの危険性は低い
3点:オーラルフレイルの危険性あり
4点以上:オーラルフレイルの危険性が高い
チェックリスト出典:東京大学高齢社会総合研究機構 田中友規、飯島勝矢
「危険性が高い人も適切なケアを行えば、健康な状態に戻すことが可能です。もちろん、一番大事なのは予防。口の健康を意識したケアと生活習慣を早速始めてください」と松尾さん。
次回は、オーラルフレイルの対策法を紹介します。
取材・文=佐田節子、イラストレーション=山村真代、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2023年8月号を再編集しています
■もっと知りたい■
雑誌「ハルメク」
女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら
-
スマホで医師に健康相談
24時間365日OK!30秒以内に医師・看護師・薬剤師などの医療チームがあなたの「健康相談」に応答してくれる♪ -
最高のワイナリーツアー♥
家族・友だちと!雰囲気バツグンの熟成庫見学・高価な貴腐ワインのテイスティングはいかが?お得なクーポンも! -
やばっ、冬の尿モレ
寒い冬、なぜ尿モレが増える…?3つの原因&4つの「効果的な尿モレ対策」を専門医に教えてもらいました! -
人生で1度は訪れたい場所
ミネラル豊富な美人の湯、最高のオーシャンビューなど、心もカラダも癒やされる魅力が盛りだくさん!人生で1度は訪れたい名所をcheck -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
体験談:50代やって正解
銀行は断然「紙の通帳」派!そんな「デジタル嫌い」の私が 銀行アプリを使ってみたら想像よりもはるかに便利すぎて… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
認知症リスクに40%も差
最近、驚きの研究結果が…!「犬を飼っている人」は「飼っていない人」に比べて認知症リスクが… -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
自分に似合う「眼鏡」は?
見た目の印象が若返る♥「自分に似合う眼鏡」を知って、ワンランク上のおしゃれを!