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- 昼におすすめ!下半身の「ながら筋トレ」エクササイズ
50代になってめっきり体力が衰えた。でも運動する時間も取れないし……。という人におすすめなのが「おうちジム」! 運動習慣がない人でも、日常生活の中で無理なく続けられる「ながら筋トレ」を始めませんか? テレビを見ながらできるので続けられそう!
教えてくれた人
中野ジェームズ修一さん
なかの・じぇーむず・しゅういち フィジカルトレーナー、米国スポーツ医学会認定運動生理学士。青山学院大学駅伝部などトップアスリートを指導。会員制トレーニング施設「CLUB100」主宰。近著に『100歳まで動ける「おはよう」あとのしゃっきり!体操』(ポプラ社刊)。
まずは「ながら筋トレ」で運動習慣を!
仕事や家事に忙しい50代女性。運動時間が取れないまま過ごすうちに、だんだんと筋力が低下して、ちょっと歩くだけでも疲れる、階段を上るのがつらい、更年期太りでぽっこりお腹が気になる……なんて状況になりがちです。
でも、運動不足解消のために、いきなり長距離のジョギングやハードな筋トレなどの強度が高い運動をすると、逆に体を痛める原因になることもあります。
効率よく筋肉を付けるためには、強度よりも運動を習慣化して長く続けることが大切です。忙しくて運動ができない人こそ、日常生活の中で気軽にできる「ながら運動」がおすすめです。
そこで、青山学院大学駅伝部のフィジカルトレーニングをはじめ、多くのアスリートの指導で活躍する中野ジェームズ修一さんに、日中の活動の中で自然と体の土台・下半身を強化できる「ながら筋トレ」のやり方を教えてもらいました。
※ながら筋トレ:ながら運動で筋肉トレーニングをする方法
時間の長さよりも、筋肉への負荷のかけ方がポイント
「アスリートの体もみなさんの体も、筋肉の作りは同じ。違うのは筋肉量と動かし方です。年齢に関係なく、筋肉は使えばきちんと増えますよ」と中野さん。
だからこそ、時間は細切れでもいいので、しっかり筋肉に負荷をかけることが大切だと言います。
「いすから立ち上がるときに片脚だけで立つ、バスの待ち時間にかかと上げをするなど、日常生活の中でできる『ながら筋トレ』は、意外とたくさんあります」と中野さん。
中野さんに効果的に体の土台・下半身を強化するコツを教えてもらいました。
▼下半身を強化するコツ
- 使う筋肉を意識しよう
- きつくても、息は止めない!
- 徐々に負荷を高めていく
「ちょっときつい」が負荷の目安!徐々にレベルアップも
今回ご紹介する運動プログラムに、特別な器具は必要ありません。スポーツジムに行かずとも、自宅でテレビを見ながら、街の中を歩きながらできるエクササイズばかりです。
筋トレをするときは、常に「ちょっときついかな」と感じるくらいの負荷がベスト。ずっと同じ負荷で続けても、筋肉が増えづらいという性質があります。負荷を高める方法を「レベルアップ」として紹介するので、慣れてきたら挑戦してみましょう。
なお、ここで紹介する運動プログラムを一気にやる必要はありません。お好みのプログラムから、できる範囲で取り組みましょう。
自宅でできる!下半身の「ながら筋トレ」4つ
掃除機をかけながらできる筋トレ、テレビを見ながらできる筋トレなど、家事の途中やリラックスタイムに太ももやお尻を鍛えられるエクササイズを紹介します。毎日続けることで、脚痩せなど、ダイエット効果も期待できますよ。
ながら筋トレ1:掃除中に沈み込みウォーキング
回数の目安:1日10歩から、できれば目標100歩
1.掃除機をかけながらできる運動。片脚を前に踏み出し、ひざを深く曲げて静止します。
2.今度は逆の脚を前に出します。腰を下に落としながらゆっくりと前進します。つま先よりもひざが前に出ると、痛めてしまうので注意。太ももとお尻の筋肉を意識しましょう。
▼レベルアップ:もっと深い沈み込みウォーキング
同じ要領で、より深く沈み込みながら前進します。脚を前に出したら、逆側のひじがひざにつくまで腰を落とすのがポイント。その状態で2秒キープした後、逆の脚を前に出しましょう。
ながら筋トレ2:食後に片脚立ち上がり&スクワット
回数の目安:1日両脚各10回
1.いすから立つときは、必ず片脚で。バランスを取るために、テーブルに手をつくのはOKです。
2.スムーズにできるようになったら、その場で片脚スクワットに挑戦しましょう。4カウントで立ち上がった後、再び腰を下ろし、いすに座る直前でまた立ち上がる動作を5往復繰り返します。
▼レベルアップ:胸に手を当ててソファから立ち上がる
テーブルに手をつかずに片脚でスクワットをできるようになったら、手を胸元でクロスに組んだり、低いソファを用いたりすると、さらに負荷が高まります。バランスが取りづらくなるので、転倒には注意しましょう。
ながら筋トレ3:テレビを見ながら脚上げ
回数の目安:1日両脚各20回
1.寝ながらできる運動です。横になり腕を伸ばして手のひらを床につけ、ひざは90度に曲げます。動かす方の脚を床から離してまっすぐに伸ばし、天井に向けてゆっくり上げ下げします。お尻(骨盤横)を鍛えます。
2.床についた腕と脚をまっすぐ伸ばします。上側の脚を90度に曲げて前に出します。そのまま床についた脚をゆっくりと上に持ち上げ、下ろします。内ももを鍛えます。
ながら筋トレ4:お出掛け前に、片脚で靴下履き
いすやベッドに座らず、片脚でバランスをとりながら、靴下や靴を履きましょう。脚の筋肉とバランス感覚が強化されます。
※転倒の危険があるため、壁の近くで行いましょう。
外出・通勤中にできる下半身の「ながら筋トレ」2つ
電車やバスで移動する時間にも、ちょっとした工夫をすることで「ながら筋トレ」で下半身を鍛えることができます。通勤中などにぜひ挑戦してみてください。
ながら筋トレ5:駅や勤務先のビルで、階段エクササイズ
駅の階段を上るだけでも、太ももの筋肉に負荷がかかる、かなりの運動になります。
勤務先のビルや自宅マンションでも、なるべくエレベーターやエスカレーターは使わず、4階までは自力で上りましょう。下りは筋肉にブレーキをかけることを意識して歩きます。
▼レベルアップ:1段飛ばし
ビルの4階までスムーズに上れるようになったら、次は大股で1段飛ばしにチャレンジ! 筋肉はすぐに学習をするため、楽に動かす方法を見つけて怠けてしまいます。どんどん負荷を上げることを意識しましょう。
ながら筋トレ6:バスの待ち時間に、片脚かかと上げ
回数の目安:1日両脚各20回
片脚を逆の脚の後ろに上げて、片脚立ちに。さらにかかとを上げ、下ろす。ふくらはぎを鍛えることで、瞬発力が上がり転倒予防にも。
バランスをとるのが難しければ手を壁についてOK。片脚が難しければ、両脚でかかと上げだけでも効果があります。
以上、昼におすすめの「ながら筋トレ」エクササイズでした。
取材・文=田渕あゆみ、竹上久恵(ともにハルメク編集部) 撮影=鈴木宏 スタイリング=椎野糸子 ヘアメイク=木村三喜 モデル=小杉貴子 イラストレーション=Yuzuko
※この記事は雑誌「ハルメク」2019年8月号に掲載された内容を再編集しています。
参考書籍:『100歳まで動ける「おはよう」あとのしゃっきり!体操』(ポプラ社刊)
>>おうちジム・後編:夜におすすめ!筋肉をほぐす快眠「リンパストレッチ」
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