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素朴な疑問藤井聡太くんで話題、将棋のタイトルっていくつある?
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
何かと閉塞感のある昨今、唯一無二の輝きで快進撃を続けている人といえば、プロ棋士の藤井聡太くん! 2016年に鮮烈なデビューを飾って以来、怒濤(どとう)の勢いで勝ち星を挙げ続け、今やすっかり時の人。2021年9月には史上最年少で三冠を達成したことがニュースになりました。将棋のルールはさっぱりわかりませんが、落ち着いた語り口と、ときどき見せるあどけない笑顔にメロメロになっております。
ところで、藤井聡太くんをきっかけに気になり始めたのが、将棋のタイトル。「名人」や「竜王」ってニュースで聞いたことがあるけれど、棋聖(きせい)や王位なんていう名前もあるの? そもそも将棋のタイトルっていくつあるの? 気になるので、早速調べてみました!
将棋のタイトルは8つある
日本将棋連盟によると、現在日本には現役・引退合わせて200人ほどのプロ棋士がいるんだとか。プロ棋士になると、8つあるタイトル戦や7つある公式戦に出場でき、タイトル戦はタイトル保持者と挑戦者による勝負、公式戦はトーナメントによる勝ち抜き戦となります。
中でもタイトル戦は、新聞社やメジャーなメディアがスポンサーとなって開催され、格式、賞金ともに別格であり、プロ棋士にとってタイトルを取ることは大変な名誉とされています。一流の証しとなるタイトル獲得を目指し、タイトル保持者と挑戦者が5回、もしくは、7回にわたって対局を行い、先に多く勝った方が新しいタイトル保持者となります。将棋のタイトルと現タイトル保持者は次の通り(各タイトルホルダーは2021年9月17日現在のもの)。
- 竜王(りゅうおう)戦
現タイトル保持者:豊島将之 第33期竜王
名人戦と並んでタイトル戦の最高位とされ、8タイトル中で最も賞金が高いタイトルです。読売新聞社が主催社で、賞金額は数千万ともいわれています。毎年10~12月に、タイトル保持者と挑戦者が七番勝負を行います。
- 名人戦
現タイトル保持者:渡辺明 第79期名人
毎年4月から7月にかけて、タイトル保持者と挑戦者が七番勝負を行います。竜王戦と並ぶ序列最高ランクで8タイトル中、最も歴史が古く権威のあるタイトルです。他のタイトルが新人でも挑戦できるのに対し、名人戦はA級(5つある棋士のランクの中で最上ランク)であることが条件。名人戦に挑戦できること自体が、一流の証しということですね。そして、A級グループの順位戦で最上位になった棋士が、名人に挑戦できます。主催は朝日新聞と毎日新聞。
- 叡王(えいおう)戦
現タイトル保持者:藤井聡太 第6期叡王
2021年9月、藤井聡太くんが勝利して史上最年少三冠を記録したのが、叡王。
全棋士参加による将棋タイトル戦。各段位別に予選を行う唯一の棋戦で、決勝は毎年7~9月に5番勝負で行われます。2017年から始まった、8タイトルの中で最も新しいタイトルです。2020年10月末より、主催は公益社団法人日本将棋連盟・株式会社不二家に。 - 王位戦
現タイトル保持者:藤井聡太 第62期王位
2020年7月に藤井聡太くんが初めて取ったタイトルが王位。
全棋士と女流棋士2名が参加して行われ、予選トーナメントと挑戦者決定リーグで構成されています。、王位戦はすべての棋士(王位在位者を除く)が予選から登場するため、番狂わせが起こりやすいといわれています。毎年7~9月に七番勝負が行われます。主催は新聞社合同(北海道新聞社、中日新聞社、西日本新聞社、神戸新聞社、徳島新聞社)で、各新聞社のエリアで対局が行われます。
- 王座戦
現タイトル保持者:永瀬拓矢 第68期王座
王座戦は、全棋士と女流棋士4名で行われ、一次予選と二次予選、挑戦者決定トーナメントで構成されています。1953年に創設され、1983年にタイトル戦となりました。毎年9~10月に五番勝負が行われます。主催社は日本経済新聞社。
- 棋王(きおう)戦
現タイトル保持者:渡辺明 第46期棋王
1974年に創設され、1975年からタイトル戦に。全棋士と女優名人、アマチュア名人が参加できます。特徴は、敗者復活戦があること。決勝トーナメントの勝者と、残りのベスト4(3人)で行う敗者復活戦の勝者が勝負して挑戦者を決定します。毎年2~3月に五番勝負が行われます。主催社は共同通信社。
- 王将戦
現タイトル保持者:渡辺明 第70期王将
王将戦は、1950年に一般棋戦として創設され、1951年にタイトル戦に格上げされました。参加資格は、すべての棋士で、女流枠やアマチュア枠はありません。参加者は、1次予選・2次予選・挑戦者決定リーグを行い、勝利した1名が王将保持者と次の王将の称号をかけて戦います。毎年1~3月に七番勝負が行われます。主催社はスポーツニッポンと毎日新聞社。
- ヒューリック杯棋聖(きせい)戦
現タイトル保持者:藤井聡太 第92期棋聖
2020年8月に藤井聡太くんが2つ目に獲得したタイトルです。1962年からタイトル戦に。1994年までは一年に2期行われていました。全棋士と女流棋士2名が参加して挑戦者を決めます。毎年6月から8月にかけて、棋聖と挑戦者による五番勝負が行われます。主催社は産経新聞社で、ヒューリックが協賛しています。
タイトルを取ると名前+タイトルで呼ばれるようになります。例えば、藤井聡太くんが棋聖を取れば「藤井聡太棋聖」、タイトルを二つ取れば「藤井聡太2冠」となります。
藤井聡太くんの最年少記録
藤井聡太くんの何がすごいって、取ること自体が難しいといわれる将棋のタイトルを、史上最年少で獲得していること! 当時、現役最強といわれる渡辺明2冠(現3冠)を破って初タイトル「棋聖」を取ったのが、17歳11か月。そして3か月後、18歳1か月で二つ目の「王位」を獲得し、史上最年少の2冠に。それと同時に、最年少で八段に昇格しました。さらに、19歳1か月で「叡王」を獲得して史上最年少三冠を達成しました。「(記録よりも)どこまで強くなれるかが自分にとっては大事」とコメントしていました。かっこいい……。
史上最年少の14歳2か月でプロ入りして以来、まさに最年少記録を塗り替え続けている藤井聡太くん。次は、どんなタイトルを取るのか、楽しみだわ~!
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イラスト:飛田冬子
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