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素朴な疑問鉄の船はなぜ沈まないの?
先日、久しぶりに片道2時間ほどのフェリーの船旅を楽しみました。船旅ってのんびり、ゆったりしていて、潮風も心地よかったです。ほんのひと時だったけれども、とっても贅沢な時間を過ごせました。
ところで、船にはお客さんもたくさん乗っていましたが、どうして沈まないのでしょう? そもそも船は鉄でできているのに、どうして浮いていられるのかしら? 船を下りてから、気になってしかたがないので、調べてみました!
すると、そこには「浮力」が大きく関係していることがわかりました。(当たり前?)
鉄の塊はドボンんと沈むのに、鉄の箱である船が浮いてられるのは、船体に浮力が働いているからです。船を水中に入れると、側面には持ち上げる力は働きませんが、船の下側は水圧による上向きの力と、船の上面には重力という下向きの力があり、水深が深いほど水圧は高くなるので、この力の差が船を浮かせる力となるそうです。この浮力が箱の重さより大きければ、たとえ鉄の箱であっても浮きますが、反対に小さければ沈むということになるわけです。
ちなみに、水面付近で1立方メートルの物体があれば、水深1,000mの場所では1,000トンの浮力が働いていることになるんですって。(なんだか不思議よね)
目で見るには、湯船の淵までお湯をはって、そこに体を入れると風呂のお湯があふれ出ますよね。その分だけ浮力を受けているわけですけど、お風呂だと水深が圧倒的に足りないからからだは浮かないのです。
船は排水量何トンなんていう単位で大きさ(重さ)を表しますが、これは水面下で押し退けた水の重量のことで船の重量と一致します。お風呂に入ってあふれるお湯の量が自分の体重なのと同じで、船の用語としては「排水トン数」と呼ばれています。私は排水トン数、0.0……トン。(ナイショだけど、トンで表すと怖いわ)
そう、これこそが中学で習った「アルキメデスの原理」よね。天秤で吊り合わせたおもりがあって、糸か何かでつるした片方のおもりを水に沈めると、その押し退けた水の重さがまして、浮力が働き、水に浸かっていないおもり側に傾く。実験しませんでしたか?
この原理を利用して、深くて広い海ならたとえ鉄の船だって浮いていられるというわけなのです。もちろん鉄の船を浮かせるには、その分だけ深い海と大きな容積の船でなければいけません。小さい船はよく揺れたりしますよね。大きな船だと揺れにくい。船の底の形状にも関係しますが、それは浮力を受ける容積が深く関係しているということ。大きい船だとそれだけ、安定して浮力を受けることができるのだそうです。
ちなみに、大きなタンカーなどは、原油を下ろしたあとは船が軽くなりすぎるのを防ぐために、海水を船内のタンクに入れて重さを調節しバランスを取っているそう。プールに入った時、脂肪の多い人は浮きやすく筋肉の多い人は浮きにくいとか言いますよね。見た目だけではわからない、重さの質も重要みたい。(ワタシはうっ、浮きやすいかも)
さて、鉄の船が浮く原理はわかったので、これからも安心して、船旅を楽しもうと思います! 次はもう少し遠くに行きたいな。
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イラスト:飛田冬子
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