公開日:2019年12月24日

素朴な疑問

日本でのクリスマスっていつから始まったの?

日本でのクリスマスっていつから始まったの?

 

こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。

スーパーにはお菓子が入った長靴が並び、花屋には真っ赤なポインセチア。12月ならではの華やぎって、やっぱり心がはずみますよね。ところで、日本のクリスマスって、いつから一般の人たちの間に広まったのでしょう? 気になったので調べてみました。

一部のキリスト教信者を除くと、日本の一般庶民がクリスマスを祝うようになったのは、1800年代後半からといわれています。まず1898(明治31)年、子ども向け教材に『北國の老爺 三太九郎(ほっこくのおやじ さんたくろう)』という物語が登場しました。三太九郎はサンタクロースの当て字で、連れている動物はトナカイではなく、なんとロバ! びっくりですね。

続いて1900(明治33)年には、銀座の高級スーパー・明治屋が年末の大売り出しと合わせて、建物をクリスマス飾りで彩りました。これが、現在のクリスマスイルミネーションの先駆けといわれています。

1906(明治39)年の新聞には、サンタクロースのイラスト入り広告が掲載され、「クリスマス=サンタクロース」というイメージが少しずつ広まっていきました。さらに1910(明治43)年の記事では、帝国ホテルのクリスマスイベントが紹介されていますが、内容はキリスト降誕とは関係のないものばかり。すでにこの頃から「日本化したクリスマス」が始まっていたことがうかがえます。

同じ1910(明治43)年に創業した不二家は、創業当初からクリスマスケーキを販売していました。当時のケーキは、フルーツケーキに砂糖の衣をまとわせ、飾りは銀色の粒というシンプルなもの。生クリームもイチゴも使っていなかったそうです。

そして1926(大正15)年12月25日に大正天皇が崩御されると、25日は「先帝祭(せんていさい)」という祭日になりました。25日が休日になったことに加え、当時は“モダン”と呼ばれる西洋風文化が流行していた時代。クリスマスは大人も楽しむ行事として広がっていきます。

ただし、1937(昭和12)年の日中戦争から太平洋戦争が終わるまでの期間は、国家の非常時としてクリスマスのお祝いが禁止されました。再びクリスマスが復活したのは、終戦から2年ほどたってからのようです。

戦後の“にぎやかな大人のクリスマス”は1957(昭和32)年頃まで続きましたが、1960年代の高度経済成長期に入ると落ち着き、父親が子どもにケーキやプレゼントを買って帰るような、家庭で楽しむアットホームなお祝いへと変わっていったそうです。

さらに1980年代になると、「クリスマスはカップルのもの」というイメージが定着。カップルのクリスマスといえば、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」をBGMにしたJR東海「クリスマス・エクスプレス」のCMが有名ですよね。初回放送は1988(昭和63)年。あれからもう30年以上たつのかと思うと……(遠い目)。

2011(平成23)年の東日本大震災以降は、「クリスマスは家庭で家族と過ごしたい」と考える人が増えたともいわれます。今はデパ地下やスーパー、コンビニでも本格的な料理やスイーツが手に入るので、自宅でも手軽に“ちゃんと楽しい”パーティーができるのもうれしいところ。

こうして見ると、日本のクリスマスの過ごし方は、時代とともに少しずつ姿を変えてきたのですね。これから20~30年後には、また違う「日本のクリスマス」が当たり前になっているのかもしれません。

 

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参照:日テレNEWS24 クリスマス いつから日本に定着した? 

   OCEANS あの不二家が元祖だった!? クリスマスケーキ誕生秘話

   yahoo!ニュース 「性夜」でなく「聖夜」としてのクリスマス商戦の歴史

   日本経済新聞 世紀超えともる聖夜の灯 明治屋(東京・中央)

   国立国会図書館デジタル さんたくろう

 

子どもが大きくなってもツリーは飾りたいワタシ
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イラスト:飛田冬子