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2019年03月02日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
ワタシが小学生の頃、周囲の大人たちは「石油はあと30年でなくなってしまう」と言っていました。親だけでなく、学校の先生すらそう言っていたような……。あれから30年以上過ぎていますが、幸いなことにまだ石油枯渇のニュースは耳にしません。実際はどうなんでしょう? 石油はあと何年で枯渇するのかを調べてみました。
まずワタシの記憶の信頼性ですが、1970年頃「石油の可採年数(枯渇性資源の残余量を時間で表したもの)は約30年」といわれていたのは事実だったようです。(よかった! 記憶どおり!)石油製品が市場からなくなるという噂が広まり、1973年オイルショックが起きています。(トイレットペーパーの買い占め騒動、よく覚えているわ)
しかし、石油の可採年数が約30年という言葉は、30年で石油が枯渇するという意味ではなく、「現在わかっている埋蔵量から採掘可能な量」のこと。費用の採算がとれる、技術的に可能という条件も含まれているそうです。もし、新しい油田が発見されれば埋蔵量が増え、技術の進化やコスト削減で、可採年数が伸びるとされています。
では、当時の大人たちはウソをついていたのでしょうか? いえいえ、それも少しニュアンスが違うようなのです。1970年代は、ちょうど中東戦争が起きて、原油価格が高騰していた時期。たまたま石油が値上がりしたことと、可採年数30年という数字がつながって、世間の不安を大いにあおったのかもしれませんね。
実際、今でも石油の埋蔵量は足りています。石油連盟が2018年に発表した「石油確認埋蔵量と可採年数の推移」によると、1985年の石油可採年数は36年でしたが、2005年が49年、2016年が57年です! 枯渇どころか年々長くなっています。(意外だわ~)これは、3,000mもの深い海底油田や、シェール層(岩石)からも石油を採取できるようになった技術の進歩のおかげと考えられています。
ひとまず、石油の枯渇はなさそうでひと安心! とはいえ、資源エネルギー庁の政策方針によると、日本は化石燃料(石油、石炭、天然ガス)の多くを輸入に頼っているため、エネルギー源はできるだけ分散することが理想なんですって。
でも、2010年81%だった「日本の化石燃料依存度」は、2011年の東日本大震災で原子力発電所が稼働を停止してから、87%、91%と上昇し、2017年でもまだ87%です。CO2を減らすためにも、早く化石燃料への依存度が減るといいですね。
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参照:石油連盟
イラスト:飛田冬子