鬼怒川温泉で紅葉を楽しむ旅!ライン下りなど観光も
2023.10.262022年10月30日
素朴な疑問
紅葉狩り、なぜ「狩り」?意味や由来って?
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
テレビで、全国各地の紅葉名所からの中継が多くなってきましたね。子どもに「紅葉狩り(もみじがり)に行きたいね!」と話しながら見ていたら、「紅葉を狩るってどういうこと? 狩りをするの?」と聞かれました。
えーっ、考えたこともなかった……。葉っぱを持って帰る人がいるから狩りなの?「見るだけなのになんで『狩り』って言うんだろうね」とごまかしましたが、気になったので調べてみました!
どうして「紅葉」狩り?
一般的に、狩りという言葉は鳥や獣を捕える「狩猟」のことです。しかし実は、きのこ、魚、貝をとることや、季節の植物、花などを求めて美しさを鑑賞することにも使われます。
もともとは獣を捕まえる狩猟としてだけ使用されていた言葉ですが、その後小動物や鳥、果物にまで狩りという言葉が広がり、草花を鑑賞するという意味でも使用されるようになりました。
平安時代には、貴族の間で紅葉狩りをしながら和歌を詠んで勝負する「紅葉合」が流行していたとか。江戸時代になると庶民の間でも季節行事として紅葉狩りが定着していき、今では春は桜狩り、秋は紅葉狩りと言うのが定番になっています。
葉っぱが赤や黄色に紅葉する理由って?
もともと葉っぱが緑色なのは、緑色の光合成色素で光エネルギーを吸収するクロロフィルを含んでいるからです。しかし、秋になって日照時間が短くなると、気温も下がり光合成の効率が悪くなります。
そうなると、細胞にとって有害な活性酸素が発生しやすくなり、葉の付け根に離層と呼ばれる細胞層が形成されます。離層が形成されると葉と枝を結ぶ管が遮断され、物質の流れが止まりグルコースと老廃物が蓄積します。
クロロフィルが分解されてグルコースが作られるという作用と同時に、アントシアニジンという物質が作られます。グルコースがアントシアニジンに結合すると、アントシアニンとなり赤色の葉っぱになります。
一方で、黄色の葉っぱの正体はカロテノイドという色素で、もともとクロロフィルとともに葉っぱに含まれている成分ですが、クロロフィルの緑色に隠されています。しかし、葉っぱが老化することでクロロフィルが分解されるのに対して、カロテノイドは分解されにくく緑色に隠れていたカロテノイドの黄色が目立つようになるのです。
紅葉の良し悪しを決める3要素
美しい紅葉になるためには以下のような条件が必要です。
・十分な太陽光が葉っぱに当たっている
・昼夜の寒暖差が大きい
・地中が程よく乾燥し、適度な湿度がある
日中天気が良く、夜気温が低いという寒暖差が大きい環境だと、昼間生成されたアントシアニンが夜活動せずに鮮やかな紅色になります。
さらに、降雨が少なく地中が乾燥して、葉が枯れないくらいの適度な湿度があると、乾燥しすぎず紅葉する前に枯れるようなことが起こらないので、この3つの要素が重なり合うことで毎年違った風景を楽しむことができるのです。
※この記事は2022年10月の記事を再編集して掲載しています。
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参照:NHK
イラスト:飛田冬子