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2023.04.262023年10月26日
大人女性におすすめ!温泉めぐりの旅・6
鬼怒川温泉で紅葉を楽しむ旅!ライン下りなど観光も
大人女性に人気の温泉&周辺エリアの四季折々の楽しみ方を紹介する連載企画。今回訪れたのは、紅葉の名所が点在する栃木県・鬼怒川温泉。日光東照宮や鬼怒川ライン下りなどの観光スポットとともに「界 鬼怒川」の滞在レポートを紹介します。
- #1 鬼怒川温泉(栃木県)の特徴・アクセス方法をチェック
- #2 今回訪れた温泉宿「界 鬼怒川」と周辺観光スポット
- #3 おすすめ観光スポット1:日光二荒山神社と日光東照宮
- #4 おすすめ観光スポット2:渓谷美を堪能!鬼怒川ライン下り
- #5 おやつタイム&おみやげに!「パルフェ」の缶ケーキ
- #6 専用スロープカーで「界 鬼怒川」へ!豆皿ギャラリーに注目
- #7 栃木の伝統工芸品で設えられたご当地部屋「とちぎ民藝の間」
- #8 紅葉を望む名湯・鬼怒川温泉でゆっくり湯浴みを
- #9 龍神伝説にちなんだ鍋料理に舌鼓
- #10 ご当地楽「益子焼ナイト」で益子焼を知る
- #11 地元ワイナリーのワインと紅葉を愛でる期間限定イベントも
- #12 二階建てオープンバスで「もみじ狩り」へ!
- #13 今回宿泊した温泉宿はこちら
鬼怒川温泉(栃木県)の特徴・アクセス方法をチェック
江戸時代に開湯した鬼怒川温泉。開湯当時は、日光詣に訪れる大名や僧侶のみが入ることが許されたという由緒正しい温泉です。明治時代に一般開放されると、鬼怒川沿いの渓谷美にも魅了され、多くの行楽客が訪れる関東有数の温泉地となりました。
旅の起点となる東武鉄道鬼怒川温泉駅へは、浅草や新宿より、日光・鬼怒川を結ぶ特急で約2時間。浅草からは2023年7月にデビューした東武鉄道の新型特急「スペーシアX」も運行中です。
【東京からのアクセス】
- 浅草駅・北千住駅→東武鉄道特急で鬼怒川温泉駅(約2時間)
- 新宿駅・池袋駅→東武鉄道特急で鬼怒川温泉駅(約2時間)
今回訪れた温泉宿「界 鬼怒川」と周辺観光スポット
今回泊まった「界 鬼怒川」は、鬼怒川温泉駅より車で約5分、エントランスから専用スロープカーで斜面をゆっくり上った小高い丘の上に佇みます。鬼怒川温泉街の喧騒とは切り離された、静寂の時を過ごせる温泉旅館です。
鬼怒川温泉周辺では10月下旬から紅葉が始まります。11月5日まで「界 鬼怒川」宿泊者限定の二階建てオープンバスでの紅葉狩りツアーも運行中です。
周囲は日光東照宮や二荒山神社など、観光スポットも多いエリアなので、宿での滞在前後にぜひ訪れてくださいね。
おすすめ観光スポット1:日光二荒山神社と日光東照宮
日光二荒山神社(ふたらさん・じんじゃ)と日光東照宮は、日光山輪王寺とあわせて「二社一寺」として崇敬され、日光の歴史を長く重ねてきました。「日光の社寺」として世界文化遺産にも登録されています。
日光二荒山神社は日光富士とも呼ばれる標高2486mの霊峰「男体山(二荒山)」を御神体として祀る、日光山信仰の始まりとされる古社です。大己貴命(おおなむちのみこと)を主祭神に、福縁結びのご利益として人気があります。
境内には、江戸幕府二代将軍・徳川秀忠によって造営された元和5年(1619年)築の本社や社殿が佇みます。
これらは日光山内では最古の建物。また、境内へと延びる「良い縁坂」と呼ばれる参道や、正面鳥居の傍らにある「縁結びご神木」などもあり、お参りすればさまざまなご縁に恵まれそうです。
二社一寺の表玄関として日光山内の入口に架かる木造朱塗りの「神橋(しんきょう)」から徒歩約10分、堂々たる姿の日光東照宮が鎮座します。
徳川家康を祀る神社で、境内には国宝8棟、重要文化財34棟を含む多くの建物があり、このほとんどが三代将軍・家光による「寛永の大造替」で建て替えられたものです。
漆や極彩色に彩られた柱や彫刻が施された陽明門、人の一生を描く三猿で知られる神厩舎、その建築様式が東京スカイツリーに採用されたという五重塔など、見どころ豊富です。ゆっくりと時間を取ってお参りください。
おすすめ観光スポット2:渓谷美を堪能!鬼怒川ライン下り
大自然が作り出した鬼怒川の渓谷美を船から堪能できる鬼怒川ライン下り。約6kmを約40分かけ、船頭の巧みな櫂(かい)さばきで下っていきます。
目の前に迫るゴツゴツとした岩肌、積み木岩や象岩、ゴリラ岩などの奇岩や滝、変化に富む景色が次々と現れます。船頭の合図に合わせて、乗船客全員でビニールを上げて水しぶきを避けるほど流れが急なスポットも!
川幅が広くなり流れが穏やかになるとゴールの下船場はもうすぐ。
船頭さんの面白おかしい話を聞いていると、あっという間に到着。帰り道もシャトルバスで鬼怒川温泉駅まで回送しくれるので安心です(乗車賃込み)。
秋には周囲の木々を赤や黄色に染める紅葉を楽しめるとあって特に人気ですので、予約はお早めに。
おやつタイム&おみやげに!「パルフェ」の缶ケーキ
鬼怒川温泉駅から徒歩約3分の「パルフェ」は、栃木県産の旬のイチゴを使ったケーキ缶専門店。
透明なプラスチック容器のケーキ缶には、薄くスライスしたイチゴとホイップクリームとふわふわスポンジがたっぷり。見た目もかわいい缶ケーキは、インスタ映え抜群!
クリームの甘さが控えめなので、最後までペロリといただけます。クリームの中に小さくカットしたイチゴが入っているのも、うれしいポイントです。
種類はイチゴ、抹茶、チョコの3種で、それぞれロング缶と丸缶があります。保冷グッズを店内で買えるので、ロング缶をおみやげに、小さめの丸缶をおやつにイートインで、という楽しみ方もおすすめです。
専用スロープカーで「界 鬼怒川」へ!豆皿ギャラリーに注目
観光を楽しんだ後は、いよいよ温泉宿「界 鬼怒川」へ向かいましょう。
専用スロープカーで宿に到着すると、ゲストを迎えてくれるのは益子焼の水琴窟をはじめ、館内のいたるところにある益子焼や黒羽藍染(くろばね・あいぞめ)、大谷石などの栃木の伝統工芸品。
特に目を引くのは、約300枚もの豆皿が並ぶライブラリーラウンジの「豆皿ギャラリー」。
形の違い、素材感の違い、絵付けの違いなど、一枚一枚手に取って触れるのが魅力です。こちらの豆皿は、夜のご当地楽でも使われるのでお楽しみに!
界 鬼怒川は、楓などの自然の樹林を生かした中庭を囲むようにロビー棟や客室棟、温泉棟が建っています。建物は回廊で結ばれており、どこにいても紅葉に彩られた中庭を見られるような空間づくりがされています。
客室への移動の間も、滞在への高揚感が自然と上がっていくのを感じます。
栃木の伝統工芸品で設えられたご当地部屋「とちぎ民藝の間」
界 鬼怒川の客室は、すべてが地域の特徴を生かしたご当地部屋「とちぎ民藝の間」です。
「民藝(みんげい)」とは、民衆が日常的に使う工藝品・日用品の中にこそ“用の美”が宿ると、日本の美術評論家・柳宗悦(やなぎ・むねよし)や陶芸家である人間国宝の濱田庄司、河井寬次郎らによって明治時代に提唱された美の概念のこと。
客室でも、益子焼のコーヒーカップや湯呑み、200年以上の歴史を有する黒羽藍染のベッドライナーやテーブルセンター、ベッドサイドの鹿沼組子の飾り、大谷石のテラスなど、その思いを感じられます。
いずれの伝統工芸品も包み込むようなぬくもりと土地に根差した民藝の粋を感じさせるからでしょう。伝統とモダンさを感じつつも、どこかホッとする空間です。
紅葉を望む名湯・鬼怒川温泉でゆっくり湯浴みを
チェックイン後は早速温泉へ向かいます(※専用の温泉露天風呂を備えた客室もあります)。
「傷は川治、火傷は滝(鬼怒川)」と謳われた鬼怒川温泉は、美肌の湯としても知られる体にやさしい温泉です。アルカリ性単純泉の湯は何度温泉に浸かっても湯あたりしにくいのも特徴。
10月下旬から11月上旬には紅葉露天も楽しめます。
肌にしっとりとなじむまろやかな湯でのんびりと湯浴み(ゆあみ)した後は、黒羽藍染のうちわや座布団が設えられた湯上り処で、ほっこりひと息つきましょう。
龍神伝説にちなんだ鍋料理に舌鼓
夕食の特別会席も栃木の伝統工芸品でふるまわれます。
夕食の宝楽盛りもその一つ。鹿沼組子と黒羽藍染を用いた3段の台座には、ひと口で食べられる八寸や、酢の物などが乗せられた益子焼の皿が並びます。旬の味覚とともに、器の美しさも楽しめます。
お造り、帆立真薯の蓑揚げや鮭の袱紗包みなどの揚げ物に続き、いよいよメインの山海龍神鍋の登場です。
「山海龍神鍋」は、紅葉の名所である龍王峡に伝わる龍神伝説にちなんだ鍋です。伊勢海老や牛ロース、栃木名物の巻湯波や干瓢などの食材を鍋に入れ、そこへ熱く焼けた石を投入。
一瞬でぐらぐら沸き立つそのダイナミックな様は、荒ぶる龍神を彷彿とさせます。やさしい味わいの出し汁が具材に染みこみ、それぞれの食材の甘みやうま味をしっかり堪能できます。
ご当地楽「益子焼ナイト」で益子焼を知る
夕食後には、地域の魅力を紹介してくれるご当地楽「益子焼ナイト」がロビーで開催されます。
益子焼ナイトが始まる前に「豆皿ギャラリー」から好みの豆皿を3枚セレクトしておきましょう。
益子焼マイスターのスタッフが、器やパネルを使って益子焼の特徴や歴史を楽しく伝授してくれます。
「選んだ器が、実は……?」、「ロビーにさりげなく飾られている益子焼が、実は……?」など、スタッフの解説を聞きながら、ゲストも一体になって盛り上がります。
地元ワイナリーのワインと紅葉を愛でる期間限定イベントも
さらに、2023年11月1日から11月21日には「夜もみじワインバー」も開催されるそう!(事前予約制・別料金)
栃木県のワイナリー「ココ・ファーム・ワイナリー」のワインと、宇都宮市にある「Otowa restaurant」の特製フィンガーフードをお供に、ライトアップされた紅葉で彩られた中庭を眺めながら夜のひとときを楽しめます。
女性作家による、一つ一つ意匠が異なる個性あふれる益子焼のワイングラスを傾けながら、大人の夜をしっとり過ごしてみてはいかがでしょう。
二階建てオープンバスで「もみじ狩り」へ!
翌日の朝食後にもまだ楽しみは続きます。紅葉の名所を二階建てのオープンバスで楽しめる宿泊者限定の紅葉狩りツアーが開催中です(2023年11月5日まで1日2便限定)。
「界 鬼怒川」を出発し、同じ日光市にある「界 川治」を経由して向かうのは、鬼怒川上流に位置する五十里ダムと川治ダム。
二階建てバスは屋根がないオープンタイプなので、鬼怒川の澄んだ空気を肌で感じながら圧倒的な開放感を味わいつつ、車窓から色づいた紅葉を間近に楽しめます。天井が頭上に迫るトンネルも迫力満点! いつもとは違う体験に心が躍ります。
アーチ式コンクリートダムとしては国内第4位の高さを誇る川治ダムの湖面は川治ブルーとも称されるほど美しい姿を見せてくれます。
そして、日が差すとダムの湖面に山々の紅葉が鮮やかに映し出され、赤や黄色に染まる色彩豊かな木々と人工的な巨大建造物が織りなす見事な競演に癒やされることでしょう。
絶景スポットで停車した際に、和菓子重と日本茶のセットを1便1組限定でいただけるプランもあるといいます(別料金)。栗羊羹や上生菓子など秋をイメージした和菓子を、目の前に広がる紅葉とともに味わってみては?
栃木県の中でも有数の紅葉の名所として知られる日光鬼怒川。「界 鬼怒川」では、客室でも温泉でもさらにはオープンバスでも錦秋の彩りを愛でる滞在ができます。
栃木の民藝の素朴な美しさも心に響く温泉宿で、深まる秋をしみじみと過ごしてはいかがでしょう。
今回宿泊した温泉宿はこちら
鬼怒川渓流の小高い丘の上に佇み、桜や新緑、紅葉、雪景色など四季折々の風景を楽しめる温泉旅館。「70歳以上限定 温泉旅シリーズ」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気。
●住所:〒321-2526 栃木県日光市鬼怒川温泉滝308
取材協力:星野リゾート 文・写真:塩見有紀子 編集:竹下沙弥香(ハルメク365編集部)