素朴な疑問新米はいつまで?精米店が教える米のおいしい炊き方も

公開日:2022/02/04

こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。

「新米をもらって、食べきれないから差し上げるわ~!」と人からお米をいただいたのですが、新米っていつまでが新米なんでしょう? また、どうやって炊飯するのがおいしくいただけるものなのかしら? 東京都杉並区にある小張精米店主で、お米マイスターの小張正就さんに聞いてみました。
 

新米とは?いつまでが新米なの?

そもそも「新米」とはいつの米のことを表すのでしょうか?

毎年、秋になると出荷される新米。実は「新米」という表示は、食品表示法の規程に基づく食品表示基準によって、お米が生産された年の12月31日までに包装や容器に入れられた精米や玄米に限って、使用できると定められています。つまり販売されている新米は、その秋に収穫し、精米され出荷されたお米ということ。

「精米されてすぐの方が、鮮度が高くおいしく感じられると思います。秋から冬の涼しい季節であれば、精米してから約1か月ほどを目安に、早めに食べきるといいでしょう」と小張さん。

なるほど、精米してから1か月ほどで食べ切った方がいいのね。生産年の12月31日までが新米……ということは、1月を過ぎてから食べるお米はもはや新米の風味とはいえないのかしら。
とはいえ、新米でなくなってもおいしくいただけるはず。せっかくなので、お米をおいしく炊く方法も教えてもらいました。

 

お米をおいしく炊くためのポイントとは?

お米をおいしく炊くためのポイントとは?

小張さんいわく、「米の品種は多様化しており、100人中100人がおいしいと答えるお米はない」そう。品種に加えて、炊飯の仕方でも味は大きく変わると話します。


「日常で、お米をおいしく食べたいときの状況を思い出してみてください。『お弁当にして冷めても、粒がつぶれずおいしいお米』なのか、『炊きたてのアツアツで粘り気のある状態のお米』がいいのか……。『米をおいしく炊く』とは、その米の品種が持つパフォーマンスを最大にすることだということを覚えておきましょう」(小張さん)


自分の好みに合わせて炊き方も探求をすることを小張さんはすすめます。

「『自分の好みを知る』『炊飯器の個性を知る』ことで、自分が好きなお米の炊き方を確立していきましょう」。
そのために必要なことは、以下のことです。

(1)お米を正確に計量する
(2)研いだ水はしっかり切る
(3)水を正確に計量する

美味しい米の炊き方のコツは水を正確に計量する


(4)鍋で炊く場合は火加減と時間を一定にする

そして、炊き上がりの状態を見て、次回から以下を調整していきます。

  • 水分量
  • 火加減
  • 炊き時間
  • 米選び
  • 炊飯器の買い替え

「成功と失敗の理由を探り、日々の炊き上がりからのフィードバックを積み重ねましょう」と小張さん。さすが、精米店さん。ストイックね~!

新米だと洗い方・炊き方は変えるべき?

「新米は、まずは炊飯器の説明書通り、いつものように炊いてみましょう」と小張さん。
新米だと、炊き上がりの水分が若干多く感じる場合がありますが、それは新米らしさとも言えるそう。
「気になるようなら、水分を減らしてみてください。現代は乾燥技術も進んでほとんど差がないので極端に減らす必要はありません」
 

おいしいお米の炊き方の新常識

米を研いだ後、ザルに上げておかなくていい

「昔は、米を研いだ後はザルに上げておくのが良いとされていました。米が固い場合は細かなヒビが入る等により、軟らかくおいしく炊けたという背景があります。しかし、現代の米は質が変わり、全般に軟らかくなったのでザルに上げると割れてしまう等の問題があります。そのため、米を研いだ後はザルに上げておく必要はありません」(小張さん)

高級な圧力炊飯器はもっちりした食感に

「電気マイコン、IH、圧力鍋など、ひとくくりにはできませんが、電気炊飯はガスで炊くよりも炊き上がりが軟らかめになる傾向があります。また圧力をかけて炊くともっちりした食感になり、お米の個性を感じにくくなります」

その結果、「今までおいしく硬めに炊けていたのに、高級な炊飯器に買い換えたら軟らかくなってしまった」ということもあるそう。

新しい発見があったわ! これで、いただいたお米をおいしくいただけそうね!

■取材・監修

小張精米店 小張正就さん

小張精米店 小張正就さん
昭和の始めに創業した小張(こばり)精米店。二代目ご夫婦と三代目の若夫婦が協力し合い、全国から選りすぐった米の卸売りや小売り販売をしている。
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/kobariseimaiten/

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丁寧に急須で入れたお茶は格別!
我が家はときどき土鍋も使って炊いてます
 

イラスト:飛田冬子

 


 

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