50代女性の仕事事情特集(2)

50代女性が働く上で、本当に必要なスキルとは?

2019/08/31

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前回は何歳まで働くべきか、どこで仕事を探すべきかなど、50代女性の就職事情についてお伝えしました。後編は、求められているスキルや資格、またシニア女性だからこそできる働き方についてシニアライフアドバイザーの松本すみ子さんに聞きました。

働く50代女性

なぜ、シニア女性が今求められているの?

前回「50代こそ「自分再発見」で、「仕事再スタート」を」で、シニア女性の特性として柔軟性とホスピタリティーを挙げました。言い換えるなら、「気が利く」「感じがいい」ということです。特に飲食業や介護業界などでシニア女性のそういう特性が求められていますが、それに限ったことではありません。

男性は実績やスキル、現役時代の人脈が求められることが多いですし、昔の価値観に縛られて新しいことに挑戦しようとしない傾向があります。その点、女性は柔軟ですし、職場で若い人の潤滑油になることもできます。そこからスタートして、現場を仕切るようになることもできると思います。

「今まで主婦しかしたことがない」と尻込みする方もいるかもしれませんが、一生懸命やっているうちにできるようになります。大宮駅の駅弁販売のパートとして売上を激増させ、年商10億円の営業所を束ねるカリスマ所長に! そんな伝説の「元専業主婦」の方もいらっしゃいます。人間、どんな才能が隠れているかわかりません。
 

シニアが働くのに必要な資格とは?

仕事をするために資格をとるか

「資格が必要ではないですか?」とよく聞かれますが、あまり関係ないと思います。自分の興味のあることで資格を取るのはいいと思います。でも、シニアの就職本などによく「取るといい資格」として中小企業診断士とか行政書士とかが出ているのですが、今から取ってどうするの? って思います(笑)。若い現役世代さえ「挑戦」するような資格ですから。パソコンが得意じゃないという方が、その勉強をする。そういうことの方がずっと現実的で大切です。

ハローワークは、職探し以外の活用法も

 

具体的な仕事の見つけ方として、前回、求人サイトや派遣登録会社を紹介しました。ハローワークもあるのですが、職探しの上ではあまりおすすめしません。やはり民間企業の方が、仕事をきめ細かく見つけています。ハローワークでシニアというと、女性も工事現場や掃除の仕事を紹介されることが多いです。

職業に貴賎はないのですが、炎天下の工事現場で交通整理をしている女性などを見ると、「もっと安全な仕事があるのに」と言いたくなります。情報が足りないのではないかなあ、探せばあるのになあ、と思います。ハローワークでは職探しより、キャリアコンサルティングを活用するのがいいと思います。履歴書、職務経歴書の書き方を無料で指導してもらえます。
 

地域社会で心を豊かにするような働き方も

地域社会で役立つ

もう1つ、シニア女性に提案したいのが、地域社会で働くという考え方です。子ども食堂などが、典型的な例ですね。実はNPO法人の代表の6割以上がシニアなのです。地域社会で足りない部分を補っていく。みんなで少しずつ稼ぎながら、地域社会に役立つ「コミュニティービジネス」というスタイルです。

生活のためのお金はあるという方であれば、選択肢の1つだと思います。地域社会に根付いているのは、男性より断然女性です。実行力を発揮してもらいたいなと思います。

資金についても、補助が受けられるケースが増えています。

1つは行政です。事業者や市が、市民と互いに協力して、社会をよくするための提案をする「協働事業」の相手を探しています。応募して選ばれれば、助成金が出ます。お住まいの地域でもあるはずですから、調べてみてください。

もう1つは企業です。市民団体への助成金制度を持っている会社も多い。企業も社会貢献をしないといけない時代ですから。例えば日本財団が提供するCANPAN(カンパン)プロジェクトというのがあります。インターネットで「CANPAN」と検索をすると、社会問題解決をしている個人、団体その他への助成金を出しているところを総覧できますので、チェックしてみてください。
 

介護離職はせず、オープンにすることが大事

介護をする女性

最後にシニア女性にとって切り離せない「介護」の話をします。働いている人なら、絶対に介護離職をしないことです。職場に相談し、行政にも相談する。そして、「介護を始めました」ということを周りの人に伝えることです。外へ、外へ。閉じこもらないことです。

現在、介護に専念している方も、ここまで話したように家でできる仕事もありますし、働き方はさまざまですから、探してみてはいかがでしょうか。とにかく誰かと繋がっていくことはとても大切です。

これは今、すごく増えている女性の「おひとりさま世帯」の方も同じです。最初に言いましたが、働けることは素晴らしいことです。友達や相談相手を作りながら、どんどん外へ出て行っていただけたらと思います。
 

引き続き、仕事特集をお送りします。次回は、50代で退職、憧れのアルバイトを始めたハルメク元編集長・矢部万紀子さんの体験談から「50代からの仕事」について考えます。

次回「ハルメク元編集長が直面!50代女性のアルバイト事情」を読む

前回の「50代こそ「自分再発見」で、「仕事再スタート」を」を読む
 

教えてくれた人

松本すみこ

松本すみ子(まつもと・すみこ)

 有限会社アリア代表取締役、NPO法人「シニアわーくすRyoma21」理事長。キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、シニアライフアドバイザー。早稲田大学第一文学部卒業。IT関連企業に勤務後、2000年にアリア、2007年にNPOを設立。企業、行政・自治体、研究機関、メディアなどで、シニア世代の動向研究とライフスタイル提案、市場コンサル、講演・講座の企画・講師、執筆活動などを行っている。著書に、『55歳からのリアル仕事ガイド』、『地域デビュー指南術~再び輝く団塊シニア~』などがある。

ハルメクWEB編集部

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