老人ホームを見学するまでの流れ 見学の重要性を解説

老人ホームを見学する際の5つのチェックポイント

坂本 愛(ハルメク 介護と住まいの相談室 )
監修者
社会福祉士/ハルメク 介護と住まいの相談室 相談員
坂本 愛

公開日:2023.12.30

老人ホームは入居を決める前に見学をし、パンフレットやWebサイトだけではわからない実際の雰囲気を確かめることが大切です。見学時のチェックポイントを確認し、希望に合った場所を見つけましょう。見学が必要な理由、見学の流れを解説します。

老人ホームの見学が必要な理由

老人ホームを調べる際には、パンフレットやWebサイトを見るだけではわからないことがあります。パンフレットには基本的な情報や施設の概要が記載されていますが、実際のホームの雰囲気や職員の様子、日々の生活の様子を知ることはできません。

老人ホームの見学は非常に重要なプロセスとなります。実際に老人ホームに足を運び、直接ご自分の目で確かめることで、そのホームの特長や生活環境を把握することができます。

見学ではホームで働いているスタッフの対応や態度、ホームで提供される食事の内容や質、共用部分の清潔さなども確認できます。

老人ホームの見学を行うことで、パンフレットでは得られない情報を知ることができます。入居を検討している方は、実際にホームに足を運んでご自分の目で確かめることが大事です。

老人ホームを見学するまでの流れ

老人ホームを見学するまでの流れ

老人ホームを見学するには予約が必要です。事前予約をしないと、スタッフが案内に時間を割けなかったり、見学の準備が整っていなかったりすることで、詳しい説明を受けられないことがあります。資料を請求して見学したいところができたら、必ず予約します。見学までの手順は以下の通りです。

  1. 資料請求をして老人ホームの概要を理解する
  2. 見学候補を選び予約をする
  3. 見学時に確認する内容をまとめる

それぞれの手順を詳しく解説します。

手順1.資料請求をして老人ホームの概要を理解する

まずは、見学する老人ホームを探すところから始まります。資料請求を行い、各ホームの概要を理解する必要があります。

資料には利用料金、部屋数、提供されるサービスなどの基本情報が記載されているので、これらを事前に確認しておきましょう。概要を理解することで、ご自分やご家族の希望に合った老人ホームを絞り込むことができます。

手順2.見学候補を選び予約をする

複数の老人ホームの概要を見た後は、興味を持ったところ、良いと思ったところの予約に進みます。老人ホームの見学には予約が必要です。

ホームによっては感染予防の注意事項などもあり、予約しないとそもそもホームに入れない場合もあります。予約時には、希望する見学日、見学人数、交通手段、試食の希望などを伝えます。

満室で居室が見られない、見学時間に利用中の共用部が見られないなどの制限がある場合もあるため、見学内容の希望を伝えておくことが重要です。特に見たい部分があれば、事前に伝えておくと、見られるように調整してくれることがあります。

手順3.見学時に確認する内容をまとめる

見学時に確認する内容をリストアップしておきましょう。チェックリストを作成することで、見学を通してスタッフの対応、食事の質、居室や共用部の清潔さなど、重要なポイントを見落とすことなく確認できます。

チェックリストをもとに質問を準備しておけば、ホームの状況をより深くまで確かめることが可能です。老人ホームの見学は、入居を検討する上で非常に重要なプロセスです。事前の準備と予約を念入りに行い、実際のホームの雰囲気やサービスをご自分の目で確かめましょう。

老人ホーム見学時のチェックポイント

老人ホーム見学時のチェックポイント

老人ホームを見学する際には、以下5つのポイントをチェックすることが大切です。

  1. 建物・設備・周辺環境
  2. スタッフの対応
  3. サービス内容
  4. 食事の質
  5. 契約内容

これらのポイントを細かく確認することで、ご自分の希望に沿った老人ホームを見つけやすくなります。

ポイント1.建物・設備・周辺環境

老人ホームの建物の外観や内観、共用部分の清潔さやスペースの広さは、入居者の利便性に直結します。ベッドやトイレ、入浴設備、リハビリ訓練設備のほか、周辺環境が整えられているかどうかも確認しましょう。

生活に必要な施設や、公共交通機関へのアクセス状況などもポイントとなります。建物の手すりや床、目立たない部分の清潔さやメンテナンスの状況をチェックすることも忘れずに。

ポイント2.スタッフの対応

老人ホームで働いているスタッフの対応をよく観察するようにしましょう。観察する際の主なチェックポイントは以下の通りです。

  • スタッフの挨拶
  • 利用者への介護
  • 人員体制
  • 勤務態度

スタッフが笑顔で働いているか、施設長の人柄やスタッフの勤続年数、離職率、教育体制なども重要なポイントです。スタッフの質が高いホームなら、安心して入居できる良い環境を構築している可能性が高くなります。

ポイント3.サービス内容

老人ホームを見学する際には、介護サービスなど施設が提供するサービス内容も確認します。医療機関との連携がしっかりしているか、リハビリテーションのプログラムは充実しているか、健康管理が徹底されているかなどを確認します。

看取り対応や認知症ケア、日々のレクリエーション活動などもチェックしましょう。また、日々の介護内容や利用者の雰囲気も実際に目で見て確認することが大切です。これらのサービスが入居者の要望や健康状態に合っているかを確かめることで、見学した老人ホームの評価を判断しやすくなります。

ポイント4.食事の質

老人ホームでの食事は毎日の楽しみとなるため、食事の質は必ず確認すべき項目の1つです。献立の種類や味付け、食事形態の種類、提供方法、間食の種類、調理環境など、食事に関連する様々なポイントを確認しましょう。

実際に提供される食事を試食できるかホームに確認し、試食を行いましょう。これにより、食事の質や味、提供方法を直接確かめることができます。

ポイント5.契約内容

契約内容の確認も見学時には欠かせません。「契約内容が事前情報と違った」というトラブルを防ぐためにも、契約内容の確認を徹底しましょう。確認すべき主な項目は以下の通りです。

  • 入居・退去条件
  • 必要となる費用の内訳(日用品、食事、レクリエーション費用など)
  • 受入態勢
  • 個別対応の有無
  • 契約に関する書類

見学時に重要事項説明書を説明してもらうこともあります。事前情報との食い違いや不明点がある場合は、スタッフに質問して解消するようにしましょう。契約内容を念入りに確認しておくことで、後のトラブルを防ぐことができ、安心して契約を進めることができるようになります。

老人ホームの見学時に疑問や不安をすべて取り除こう

老人ホームの見学は、入居する前の大切なプロセスです。見学には準備をして臨むと良いでしょう。チェックリストを作成して、ホームの環境やサービス内容を十分に確認しましょう。

不安点や疑問点がある場合は、見学時にスタッフに直接質問をすることで、不安要素を取り除くことができます。もしも見学後に追加で確認したいことがあれば、電話で質問をするか、再度見学することも検討しましょう。

また、最終的な判断をする前には1つのホームだけでなく、複数の老人ホームを見比べることも大切です。各ホームの長所と短所を比較することで、ご自分やご家族に適した老人ホームを選択しやすくなります。


老人ホームを探して資料を請求するとき、それぞれの見学を調整するときには、「ハルメク 介護と住まいの相談室」をご利用ください。ご希望の条件に合う介護施設の提案や、それぞれの見学調整、アドバイスを行い、より良い選択をサポートします。

 

記事監修:坂本愛さんのプロフィール

坂本愛さん

さかもと・めぐみ 社会福祉士。急性期病院のメディカルソーシャルワーカーとして受診相談や退院支援業務を経験。退院後に必要なケアをもとに、ご自宅での療養生活のアドバイスや、介護施設の紹介を実施。雑誌「ハルメク」の記事執筆にも携わる。

ハルメク365編集部

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