油絵が支える心と人生

若い頃とは違う“楽しい”と思えること

公開日:2019.02.06

熊本大震災など、辛いときに心の支えになった油絵。油絵の魅力や面白さ、使う道具、実際に書いた作品について紹介します。今回はデッサンと楽しむということについてのお話です。

苦しいけど楽しいんです。

楽しさにはいろいろあります。

「わー楽しい」という楽しさは、それはそれで良いけど、大変でも緊張してもそれでもなお楽しいということがあります。チャレンジしたり限界に挑戦したり真剣勝負の楽しさもあります。そうした楽しみは究極の努力を続けた人だけに与えられる最大の贈り物のような気がします。

「楽しむ」ということについて「肩の力を抜く」「真剣にならない」というようなイメージが固定化していて、「遊ぶ」「リラックスする」という意味になってしまっているような気がします。

若い頃は私も楽しむことはくつろいで遊ぶことだと思っていましたが、物事に集中している時もまた楽しさになると感じます。

人は体の片方に不平不満を持ち、もう片方には感謝の心を持っていると言います。不平不満でしかめっ面ばかりしてるとそういう顔になっていくし、いつも小さなことにも喜びを見つけ(私自身なかなかできませんが)生きていくことに感謝すれば、表情の柔らかい良い顔になるんだろうと思います。

空間の認識力を得る抽象画

写実的なデッサンに平行して抽象的なデッサンも試みます。構成練習では、構成要素の実際的な活用の実験ですから、これを繰り返すことからも空間の認識力を得ることができます。

例えば「垂直線、水平線だけの構成」「1個の円と2~3個の三角形による構成」等、いろいろ工夫次第で面白いものができます。何でも試してみましょう。

図をご覧ください。

円を書いてみます。

1周り大きな円を書き中心に1本縦線を入れます。

ドーナツの形を分解します。いろんな組み合わせた図形ができます。

セザンヌの有名な言葉

「自然は円と円筒と円錐から成り立っている」。

まず物の形から雑多な細部を取り除いて基本的な形に戻すこと、それに基づいて空間を構成し直すこと、セザンヌは「円」という言葉で実際は「球」のことを言っていたようですが……。

南阿蘇にスケッチに行きました。

秋晴れという言葉にぴったりのとても綺麗な景色に出会えました。空気が澄んでいるせいか寒かったです。見て描くことの大切さ、壮大な素晴らしい景色に感動しました。

限られた時間と自分の未熟さで仕上がりませんでした。絵は未完成ですが紹介します。
鉛筆書きから色鉛筆を重ね水彩画に仕上げました。鉛筆書きのまま慣れない水彩を使わない方が良かったように思いました。臨場感が少し薄れてしまいました。反省……。
2時間現場で描きました。いつも先生に写真を見て描いてはだめだと言われてる意味が良く分かりました。臨場感なんですね。

 

次回は「立体感の出し方」「なかなか上手くなれないデッサン」について等書いてみます。

今回もお読みいただきありがとうございました。

スミレ

高校の時に美術クラブに入り 油絵を始める。結婚し家庭に入り油絵はすっかり忘れて過ごしていたが、定年後に時間ができて絵を描きたいと思い、カルチャーセンターへ。だんだん面白くなり最近では展覧会に応募し、大作にも挑戦しています。

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