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2018年11月07日
私自身の足跡を残していきたいと思うようになるまで
50代で遭遇した6人との死別。大切な人を交通事故や、乳がんや胆管がんといった病で亡くし、大きな悲しみから立ち直っていく経験談。「新しいことを始めてみよう」そんな思いから、ハルメクの購読やグリーフケアを学ぶことが始まります。
身内を失くし身近な人が辛い病気と共に生きている様子を見て、ふと気づいたことがあります。私は歩く時下を向いていたのです。長い間足元だけを見て歩いていた気がします。
顔を上げて前を見ると上の方に空が見えました。病気を持ちながら人を気遣い前に進んでいる人たちに影響され、私も新しいことを始めてみようと思いました。
新聞広告を見て「いきいき」を購読してみようと思いました。日野原重明先生が連載していることや和服のリメイクにも興味があったからです。雑誌の定期購読は初めてです。毎月届く雑誌は当時読んでいた死別関係の本とは違い、明るい雰囲気でした。当時私が読んでいた種類とは別の記事があります。さまざまな分野で活躍する人たち、生活の仕方や健康などがかえって新鮮だったのです。
菊池和子先生の体操をしてみると身体の一部は全てに繋がっているということを感じました。血が巡っていくとともに目が開いた感じがしたのです。
「いきいき」が届くことが楽しみになった頃、大学の公開講座募集の記事を見つけました。
その中に上智大学の「グリーフケア講座」の記事があったので受講することにしました。毎週1回、全部で12回、夜18時45分から20時15分までです。家族のための夕食の準備をしてから出かけました。
大学構内を歩くということ、教室で講義を受けるということも学生時代以来だったのでちょっと興奮します。帰り道は聴いたばかりの講義を思い返します。
受講者は医療関係の方が多かったようです。私はいつも早めに行き前の席で聴きました。昨日知らなかったことを今日知るということは、自分が大きくなった感じがします。この社会人講座はたくさんの分野があるので、みなさまも興味のある講座があったらぜひ参加してみてください。
講座は12名の講師の方がいらっしゃいました。主催者の高木慶子(たかきよしこ)先生もお名前は知っていました。優しさの中にりんとした強さを感じる方です。大好きな日野原先生の「生きる」というお話は目の前で聴くと説得力がありました。
精神科医の中島聡美(なかじまさとみ)先生の講義では医学的なPTSDや悲しみのプロセスや立ち直り方がよくわかりました。「死の教育」で有名なアルフォンス・デーケン先生は最も印象的な方でした。
医学や宗教的なこと様々な立場から悲嘆(グリーフ)について考えました。そしてそれを癒し乗り越えていく過程がわかりました。講師の方々の声の調子や表情から、活字とは違うドキドキしたものがありました。
生老病死
産まれたからにはみんないつか死んでいく。当然のことだけれど日常考えないことです。死別を経験するとその状況で受け止め方は様々です。
気持ちに蓋がされたままであること、大切な人と別れても泣けないこと。それは私が私自身を守るためだったようです。誰にもでも起こりうるということがわかっただけで気持ちが楽になりました。
妹が生きていた時の私には戻れないかもしれない。でも新しい私になればいい。
どう自分を変えていくか考えました。
次回は心と身体は繋がっていたことをお話ししますね。