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一人暮らしを満喫中の酒井さんの、50代を楽しんでいる様子やこれからの生き方をお伝えします。今回は、銭湯についての思い出。そして、出産を控えた娘のために突如引っ越しを決断!
1DK風呂なしアパートに一人暮らしの1年半
年間住んだ街、目黒線の西小山。3人→2人→1人の暮らしと部屋を小さくして住み替えてきました。近くに大きな商店街があり、すっかりなじんで大好きな街になりました。信頼できる医院、美容室、通いなれたスイミングスクールも歩いて行ける距離にあります。
年に移り住んだ一人暮らしのアパートは、古い物件ながら駅から1分! 1DKで広さも充分。しかし! お風呂はなくてシャワー室のみ。でも50メートル先に銭湯がありました。
充実した銭湯ライフ
その名も「東京浴場」。銭湯の料金は460円。
学生時代に地方から上京して初めて住んだアパートにはお風呂がなくて、銭湯に行きました。確かその時は210円。通った「月の湯」は宮沢りえさん主演の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』のロケに使われ、そのあと取り壊されたことを、映画を見てから知りました。30数年後の再びの銭湯生活です。
回数券を使えば430円。それでも高いなあ、が実感でした。でも、数回行ってすっかりトリコになりました。
高い天井とたっぷりの湯。富士山のペンキ絵。仕事から帰っていそいそと向かいます。手足を伸ばしてゆったり浸かると心底くつろぎました。そして、何よりぐっすり眠れるようになったんです。以前には味わえなかった大きなお風呂のよさ。若い時にはわからなかったのですね。
「私の唯一のゼイタク」と割りきって毎日通いました。そして銭湯のご主人や常連さんたちとも仲良くなりました。
娘のひと言「私の実家って?」
銭湯ライフをはじめ、のほほんと一人暮らしを楽しんで1年半、2018年4月半ばの日曜日に久しぶりに娘に会いました。妊娠中の娘は、その時こう言ったんです。「出産した友達はみんな、お産は実家に頼った方がいいよって言うの。でも私の実家って?」
同じ都内でも、電車で約2時間の距離。出産時には手伝うつもりでしたが、すぐに駆けつけられる距離ではありません。私には仕事もあります。娘にしたら「お風呂もない狭いアパートに帰って出産前後を過ごすのはムリ」、そう思ったのでしょう。
娘の不安に思い至らなかった私は大バカです。「それなら、私が娘の近くに行こう!」ただちに引っ越しを決意しました。
勤務する会社の最寄駅を真ん中にして、北に13番目の駅に娘夫婦の住まい。南に同じく13番目の駅に私の部屋がありましたが、会社のある駅の北側に部屋を探しました。当たりをつけた物件に、ある日の会社帰り立ち寄りました。ビルの目の前にバス停があり、路線図を見ると娘の出産予定の産院前を通り、娘夫婦の住む町内を通ることがわかりました。
決めました。2018年5月の連休明けに契約、引っ越しは5月19日の土曜日。思い立ってから約1か月のスピード引っ越しです。
思い出の家具をどうする?
離婚したあと亡くなった夫は大手金融会社に勤務していました。結婚生活中は2~3年ごとに転勤があり、家族みんなで各地を転々としました。家族と一緒に移動したのは夫の両親から譲られた年代物の食器棚と、それに合わせて買った大テーブルと長椅子です。
子どもたちには学習机を買いませんでした。この大テーブルで宿題をし、食事をし、友達も呼んでおやつを食べたり遊んだり。私もここでアイロンをかけたり、在宅の仕事もしたり。生活のすべての真ん中にこの大テーブルがありました。傷もたくさんありますが、この家具たちが子どもたちのふるさとの品でもあると思うと、処分する気にはなれません。その他にずっと使っているクイーンサイズのベッドもありました。
引っ越しの度にこれらの大物家具たちは、業者の手を焼かせました。どんどん部屋が小さくなるのですから、当たり前ですよね。
さて、今度はワンルームです。家具は入るの? ついに処分するの? 決断を迫られました。
次回は、さあどうする? 大物家具!? ドキドキの引っ越し当日をお話しします。
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