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- シニアのおしゃれはサムシングニューで若々しく
若い頃ブランド服に夢中だった私が、還暦からプチプラ服に目覚めた理由。安くても新しいものを着ただけで、心と見た目にハリが出るからです。慣れた服の「こなれ感」が「くたびれ感」に見えないよう、コーディネートにサムシングニューを取り入れています。
いつも隣にファッションがあった
初めまして、織田ゆり子です。仕事は作詞家(子どもの歌)、ホームページ制作業。そして還暦を過ぎてからは同年代の女性に向けて、ファッションコーディネートと美容のアドバイスをしております。
私がファッション誌「an・an」に夢中だった高校生の頃、東京の原宿にはデザイナーズブランドのブティックが次々オープン。貯めたお小遣いで最新流行の服を買うのが最高の喜びでした。
大学在学中はファッション好きが高じて、夜は洋裁学校に通って型紙の取り方を学び、服が完成するまで眠らずにミシンを踏み続けたものです。しかしどう頑張っても、既製服のほうがおしゃれに見えるのに気付いて挫折。プロが作る服でコーデを極めるのが趣味になりました。
社会に出て作詞家・放送作家の職に就いてからは、報酬の大半を海外ブランドの服を買うことに注ぎ込み、クローゼットは満杯。私なりの資産だと悦に入っていたのですが、50代に入った頃から、どれも急に似合わなくなったのです。ファッション誌を参考に他のデザイナーを試そうと、今までと傾向の違うスタイルを取り入れても、野暮ったく見えるのにはガッカリしました。
更年期でブランド信仰を捨てた理由
女性はホルモンバランスが崩れる更年期以降、皮下脂肪がつきやすくなり、体型にたるみが出てきます。顔にもたるみ&くすみが現れて、今まで好んで着ていた色やデザインがパッとしなくなる瞬間がくるのです。
どんな高級ブランドの服でも、クローゼットで年数がたてば古着。ハリのなくなった肌に、生地とデザインが劣化した服を合わせれば、老け見えしてしまいます。若い人たちに流行している古着コーデは「こなれ感」ですが、年が行ってからの古着コーデは「くたびれ感」。生活に疲れた感じに見えがちです。
上質な素材で愛着のある服は、もちろん捨てなくて構いません。ただし過ぎ去りし昭和を彷彿とさせるコーデにならないよう、アクセサリーでも靴でも、サムシングニュー(何か新しいもの)を加えることをおススメします。値段は関係なく、鏡に映った自分が生き生きと輝くアイテムなら、プチプラで十分だと思います。
上のコーデで羽織っている黒のニットガウンは、30年前に買ったダナ・キャランのブラックラベル。毛玉とホツレがありますが、高価だったので断捨離の勇気が出ません。そこで考えたコーデは、3900円で買ったパープルのワンピースを中に着て、顔映りを華やかにすること。
スウェット生地でも新しければツヤがあるし、足元は流行のレギンスと厚めのソール靴を履けば「温かい・歩きやすい・若々しい」の一石三鳥になります。
プチプラでも新しいアイテムを身に着けたい
ファッションセンスが若々しく、SNSで人気なのが女優の草笛光子さん。87歳にしてH&Mやユニクロの服をよく着る理由は、「年相応の実年齢に合った洋服を着ると、年齢以上に見えてしまう」からだとか。私服の着こなしを掲載した著書『草笛光子のクローゼット』から共感した部分を引用します。
私は何十万円もする高価なブランドの服も宝石も持っていません。何気ない服を着ていてもおしゃれに見えるのが、いちばん素敵な女なんじゃないかと思うのです。高価なブランドの服は、1回着たらおしまい。立場上、皆さまの前で二度と着る機会はなくなってしまいますから。それよりも、ごくシンプルな服に、プラスチックのアクセサリー類をたくさんつけたりと、ないなかで工夫するほうがずっと楽しいです。
下の画像、左側は昭和バブルの頃ブームになった一粒ダイヤネックレス。右側は近頃流行しているラリエット(紐状のネックレス)で、2000円程度でした。
ブランド信仰に浸っていたころの私は、大人がつけるアクセサリーは金銀、宝石じゃなきゃ恥ずかしいと思っていました。でも見栄を張らなくなった65歳の今なら、本物か偽物かよりも、顔と服に映えるかどうかで選びます。
ベージュのVネックニットにつけて比較してみましょう。一粒ダイヤネックレスは老いが気になるネックに視線を寄せますし、至近距離でないと価値はわかりません。でも縦長で色飾りのついたラリエットは、見る人の視線を散らして、地味なニットにアクセントを添える差し色になります。
少女時代を振り返ると、おもちゃの指輪でも、新しいのを買ってもらったときはワクワクしました。シニアになってもトキメキをくれるアイテムは、箪笥の奥から引っ張り出してくるのではなく、ネットやお店を巡って探したい。
ブログ「歳を隠すのをやめました」に載せている今どきのファッション用語(こなれ感、抜け感、とろみ感、透け感など)を、私の年齢なりにコーデできる、おしゃれの現役でいたいと思っています。
織田ゆり子
作詞家、WEB制作プランナー、パーソナルスタイリスト。着せ替え人形で服をデザインしていた子ども時代からおしゃれが一番の趣味。アパレル・美容関係の交流が広く、同世代の女性が10歳若見えするファッションコーデを提案しています。ブログ「歳を隠すのをやめました」を毎日更新中。
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