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- 転んで利き手を骨折。手術のため入院していました
「死ぬまでにやっておきたいことにチャレンジしたい」と話す好奇心旺盛なとし古さん。なんと転んで利き手を骨折。しかし、入院中は持ち前のバイタリティーで明るく過ごしていたそうです。
まさかの転倒で利き手の手首を骨折
橈骨(とうこつ)遠位端骨折。初めて聞く言葉でしたが、要するに、手首の骨折です。2020年5月下旬、スーパーでの買い物の帰り道、何かにつまずいて転倒の挙げ句、この災難に遭いました。右頬骨と左膝に血がにじむかすり傷と、右手首の激しい痛み。今もってその瞬間がはっきりと思い出せないのですが、さぞかしぶざまな転び方だったのでしょう……。
手首の骨折はよく起きることのようで、「上肢で最も頻度の高い骨折」「治療を要する全身の骨折の1/6は橈骨骨折」「脆弱骨折」「全国で年間10万件発生」などということを後で知りました。手首の橈骨と尺骨(しゃっこつ)のうち、親指側にある橈骨が折れたようです。
まずは、整形外科で骨折のズレを元に戻す「整復」と「ギプス固定」の処置をしていただきました。首から吊るした三角布で右腕を包んで一旦帰宅。左手一本では、洗い物ができない、ひもが結べない、瓶のふたが開けられない、と不便なことばかり……。
今回、利き手を骨折してしまった上に、一人暮らしだったこともあり、入院ということになりました。首都圏に住む娘の指示で、市内に住む孫息子を保証人とし、入院生活が始まったのです。1週間たった頃、骨折部分にわずかなズレが生じ、プレートとスクリューで固定する手術を受けることになりました。無事手術が終わり、10日後に抜糸、そして退院しました。退院後は通院リハビリに切り替わりました。
前向きな入院生活
入院中は、コロナウイルスの影響で、「見舞い客お断り」。読書三昧にもってこいでした。そして、コロナ感染や外出中の不慮の出来事を防ぐため、原則、外出禁止でした。自宅からバスで15分程の距離にある病院ですから、入院中でも時折自宅に帰れると思っていたのですが、見事に予想が外れました。
病院での1日は、こんなふうに過ぎていきました。
午前中は読書。午後も読書のときもありましたが、ベッドの上やベッドサイドで体を動かす体操のような運動をしたり、病棟の廊下をウォーキングコースに見立てて散歩をしたりしていました。
散歩中に出会うのは、看護師と介護職員、たまに入院患者。ある日、廊下の片隅に置かれたソファに座っている同年代の女性を見掛けました。彼女も右手とその前腕部を白い包帯で保護していたので、軽く会釈して「右手のけがは不自由ですよね」と同病相哀れむ感じで声を掛けて通り過ぎようとしたら、彼女も声を掛けてきました。
彼女「転んだんですか?」
私「ええ、人様は転ぶけど、私は絶対転ばないと思っていたんですがね。でも、転んじゃいました。アハハ!」と自虐的に冗談ぽく。
彼女「そうなの、アハハ! ごめんなさい、久しぶりに笑ったわ」
こんなふうに会話をして、笑いを運ぶボランティアをしたこともありました。私も、足をけがした患者さんに笑わせてもらいました。結構、笑いに満ちた入院生活でした。
入院中は、間食をしないで、病院食は1日1600kcalだったので、2kg減量しました。現在は、少しずつ体力を取り戻しているところです。
入院中、娘は夕食後に毎日必ず電話をしてきました。実は、娘も同じ頃、足の靭帯を切ってしまい、ギプス固定を余儀なくされていたのです。なんという母娘でしょう! コロナ禍の中、東西に分かれてギプスの世話になりました。
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