年金生活にも!定期収入目的の定番「債券投資」とは?
2024.03.222024年03月24日
老後資金のために!50代から始める資産運用#11
債券投資を始めるなら!お得で手堅い債券の選び方
資産運用のプロアドバイザーIFAの福田猛さんが、50代からの資産運用を開設する連載。前回は、定期収入を得られる方法である「債券投資」をおすすめする理由とその仕組みについてお伝えしました。今回は債券の選び方についてお伝えします。
教えてくれる人は福田猛(ふくだ・たけし)さん
ファイナンシャルスタンダード代表。大手証券会社を経て、IFA※(独立系ファイナンシャルアドバイザー)法人であるファイナンシャルスタンダードを設立。アドバイザーやセミナー講師など幅広く活動。一般社団法人金融商品仲介業協会理事。著書に『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)など。楽天証券、スマートプラスと業務委託契約。仲介残高は1,500億円。無料の個別相談、資産運用について学べるセミナーが好評。
債券を選ぶときの注意点
前回は、長期間かけてお金を増やしたいのではなく、定期的に収入を受け取りたい場合であれば「債券投資」が向いていることをお伝えしました。今回は、どんな「債券」を選べばいいのか解説していきます。
利息が高ければ、その分受け取れる金額も大きくなるのが債券の特徴です。
まず日本の債券は低金利が続いているため、投資してもあまりメリットがありません。しかし米国は2022年以降に金利が上昇したため、魅力的な利息を受け取れる債券が多数あります。
利息が高い債券を選ぶ上では、注意点もあります。利息が高くても「低格付の債券」や「仕組債」、「新興国通貨の債券」は注意が必要です。低格付債券は破綻リスク、仕組債は元本割リスク、新興国通貨の債券はインフレによる通貨安リスクなどさまざまなリスクがあります。
おすすめの債券は?
おすすめは「米国ドル建の債券」です。米国ドル建ての債券市場は世界最大規模の市場でさまざまな債券があります。
個人投資家には株式よりなじみがないかもしれませんが、ネット証券会社を中心に取り扱いが増えています。
楽天証券であれば、「債券マルシェ」というサービスが2023年から始まりました。比較的格付の高い債券を200銘柄以上揃えています。楽天証券の債券マルシェから、2024年2月9日時点の具体例を紹介します。
おすすめの債券を見てみよう
ウォルト・ディズニー・カンパニーの社債
図4はウォルト・ディズニーの債券です。利息は4.7%(税引前)で、満期は2050年3月。26年間固定金利で毎年4.7%の利息を受け取れます。
格付は「A2」や「A-」とA格付が付いています(BBB-以上が投資適格債といわれます)。買付単価が97.67とありますが満期時に100で返ってくるものを97.67で購入できるという意味です。
したがって、4.7%の利息以外にも満期保有で元本も少し上昇するため、この両方の利益を年率で計算した参考利回り(税引前・年率)は4.85%と表記されています。
買付単位が2000USD以上なので、1ドル149円とすると30万円弱(※)から購入することができます。
(※)2,000ドル額面購入をする上での計算方法は、2,000ドル×為替ではなく、(2,0000ドル×債券価格)÷100+経過利息に為替を掛けます。
おすすめの債券:スターバックスの債券
次はスターバックスの債券です。こちらは利息4.5%ですが、買付単価92.6で購入できるため、利回り(利息+満期保有時の元本上昇分)5.02%です。
保有期間・利息・利回り・格付けの項目を確認して債券投資を始めよう
ご紹介したウォルト・ディズニー、スターバックスはどちらも期間が長いものでしたが、図6のは満期が2028年9月です。
期間、利息、利回り、格付など、ご自身のニーズに合わせて債券を選ぶことができますので、「債券マルシェ」で検索してみてください(楽天証券の債券マルシェは楽天証券へのログインが必要なため証券口座を開設しないと閲覧できません)。
米国ドル建て債券は為替リスクもありますので、長期的に続けられるよう、今すぐ手をつけない前提の余剰資金で行うことが重要です。債券投資は定期収入を受け取ることができるため、見通しがつきやすいため、ご自身のライフプラン、資金計画に合わせて実践することをおすすめします。
定期収入を得られる債券を買うべきか、投資信託で長期の資産運用をするべきか、自分で考えることが難しいと思ったら、資産運用のプロである私たちファイナンシャルアドバイザーに相談するのも一つの手です。