【55歳ユミの場合】実は…彼のことを何も知らない

【最終話】セカンドパートナーの沼!運命の人は…ただの他人だったのか?

【最終話】セカンドパートナーの沼!運命の人は…ただの他人だったのか?

更新日:2025年03月23日

公開日:2025年02月01日

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【最終話】セカンドパートナーの沼!運命の人は…ただの他人だったのか?

55歳ユミの恋愛ルポ最終話。最近耳にすることが増えた「セカンドパートナー」という関係。不倫とは違うと言いつつ…ハマってしまう人も多い。運命の人と思った「既婚者マッチングアプリ」で出会った彼。徐々に既読スルーや中途半端なセックスが増え、飽きられたのか不安にさいなまれる。

前回までのあらすじ

前回までのあらすじ

前回の話はコチラから。ユミ(55歳)の恋愛談を紹介しよう。姉にコンプレックスを抱きながら育ったせいで、自己肯定感が低い性格となってしまったユミ。

バブル崩壊後に会社で出会った夫と結婚したものの……妊娠中に浮気され、心を閉ざしながらも母親業にいそしむ日々が続いていた。

夫と喧嘩したことをキッカケに始めた「既婚者マッチングアプリ」で出会ったカズト。性格もセックスも相性がバッチリの運命の相手だと思っていたが……徐々にLINEの既読スルーが増え不安にさいなまれることに。

彼が興奮しないのは私に魅力がないから?

カズトさんからのLINEの返事は徐々に遅くなり、既読スルーも増えていった。

会うなり「どうして返事くれないの」と責めたこともあった。そんなとき、彼は以前のようには彼女をなだめなくなった。

ぶすっとしたままホテルに入る。ユミさんは彼の機嫌を損ねたのが怖くなり、ごめんなさいとひたすら謝る。時には、彼女がひたすら彼にサービスし続けることもあった。

いくら奮い立たせようとがんばっても難しいこともあった。「疲れてるんだよ」と彼は言ったが、以前のような積極的な姿勢はなかった。さらに途中で行為をやめてしまったこともあった。

「彼が興奮しないのは私に魅力がないからだと思いました。彼のためなら何でもできる、それなのに彼は私を愛してくれなくなったんだろうか、私には価値がない、ここにいてはいけないんだろうかと、また前のようなネガティブな思考回路が戻ってきてしまって。苦しい、つらい。そんな日々でした」

勤務先さえ…実は彼のことを何も知らなかった

やがてLINEの既読スルーが未読のままになり、電話してもつながらなくなった。

思えば、彼の勤務先の詳細もわからない。考えてみたら、彼の友達にも会ったことがない。いつも二人でいただけだから、共通の知り合いなど一人もいなかった。
 
「SNSだけが頼りだと思い、メッセージ...

亀山早苗
亀山早苗

東京生まれ。明治大学卒業後、フリーランスのライターとして雑誌記事、書籍の執筆を手がける。おもな著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『復活不倫』『人はなぜ不倫をするのか』など。最新刊は小説『人生の秋に恋に落ちたら』。歌舞伎や落語が大好き、くまモンの熱烈ファンでもある。