風吹ジュンさん|プレミアム★インタビューあらすじ
2023.09.142023年12月14日
ハルメクのシンクタンク所長が考察
50代~女性が選ぶ「好きな映画」ランキング
雑誌「ハルメク」のシンクタンク「生きかた上手研究所」所長の梅津順江が、ミドル~シニア世代の女性のトレンドを読み解きます。今回は50歳以上の女性へのアンケート結果をもとに「好きな映画」ランキングを発表します。
多くの出会いや別れを経験してきた50歳以上の女性が選ぶ好きな映画ランキング
ハルメク 生きかた上手研究所は、50〜85歳の女性に「好きな映画」に関するアンケートを2回に分けて、インターネットで実施しました。1回目は、9月5日~7日、513名に「好きな映画」を1名あたり3つまで自由に記述してもらいました。2回目は、9月22日~25日、506名に1回目で回答が多かった20作品について「どの程度好きか」を7段階で評価し、好きな理由も確認しました。
その結果、平均年齢64.6歳(※本調査)の女性が選ぶ映画TOP3は、「ローマの休日」「サウンド・オブ・ミュージック」「となりのトトロ」でした。
好きな理由は「主人公が綺麗・かわいい、かっこいい」(72.1%)が最多で、20作品の中でも圧倒的に高かったです。2位は「ロマンチックな気分になれる」、3位には「ストーリー展開が面白い」が入り、オードリー・ヘップバーンの魅力とストーリーに魅了された人が多かったようです。
好きな理由の1位は、「音楽・歌が良い」(80.7%)。2位は「映像が美しい」、3位は「ストーリー展開が面白い」です。ミュージカル映画では11位に「ボヘミアン・ラプソディ」、14位に「ウエスト・サイド・ストーリー」も入っています。
好きな理由の1位は、「癒やされる」(54.3%)で、20作品のうち「癒やされる」の回答が最も多かったです。2位は「主人公が綺麗・かわいい、かっこいい」、3位は「音楽・歌が良い」でした。特徴的なキャラクターと主題歌が魅力的に感じられています。
※それぞれ図中のカッコ内の人数は各映画について「とても好き」「好き」「まあ好き」を選んだ人数
好きな映画TOP20(50歳以上女性:506名)
好きな映画 得点
1位 ローマの休日 80.8
2位 サウンド・オブ・ミュージック 76.5
3位 となりのトトロ 76.0
4位 風と共に去りぬ 75.5
5位 プリティ・ウーマン 74.5
6位 ショーシャンクの空に 74.2
7位 千と千尋の神隠し 74.1
8位 バック・トゥ・ザ・フューチャー(シリーズ) 73.5
9位 ひまわり 72.0
10位 ニュー・シネマ・パラダイス 70.9
11位 ボヘミアン・ラプソディ 70.8
12位 インディ・ジョーンズ 69.5
13位 トップガン(シリーズ) 68.3
14位 ウエスト・サイド・ストーリー 68.0
15位 E.T. 67.3
16位 ミッション:インポッシブル(シリーズ) 66.7
17位 タイタニック 65.8
18位 ロミオとジュリエット 64.1
19位 男はつらいよ(シリーズ) 62.5
20位 スター・ウォーズ(シリーズ) 57.8
不朽の名作と長年接してきたからこそ、たどり着ける境地
フリーコメントや感想を読むと、2つの特徴を見出すことができました。50歳以上の女性が、さまざまな映画を長く観ているからこそたどり着いている境地について紹介します。
ハルメク世代の境地1:人生経験と思い出を重ね合わせて感動している
一つは、これまで経験してきた人生や思い出と重ね合わせて感動している様子が見られたことです。
- 「ボヘミアン・ラプソディ。青春時代の時代背景を思い出したり、コンサートの熱狂を体感したり、映画ながら心震える感動があり、これまでになく繰り返し鑑賞するほど良かった」(59歳)
- 「小学生の時に観たサウンド・オブ・ミュージック。トラップ家の子どもたちがマリアに懐いていく過程や修道院のシスターに感動を覚えた」(65歳)
- 「ロッキー。夫と初めて一緒に観た映画なので、思い出として好き」(65歳)
- 「インディ・ジョーンズ。初めてみたときのハラハラドキドキワクワクは忘れられません。あのとき一緒に観た彼はどうしているかな?最新作でハリソンフォードが年老いている姿を見て寂しくなりました」(66歳)などが挙がりました。
映画によって、自分の経験や歴史が刺激されるのでしょう。普段は忘れている記憶の扉みたいなものが映画を観た甘美な情景とともに、時にはリアルに、時には美化されて、開く様子が見られます。
ハルメク世代の境地2:何度も好きな映画を見返す
二つ目は、何度も好きな映画を見返していることです。
その結果、「いつ観ても色褪せない感動を得られる」と「噛むほどに昔と味わいが変わる」という2つのアドバンテージを得ています。
前者「いつ観ても色褪せない感動を得られる」場合は、
- 「レ・ミゼラブル。ミュージカル映画として、何度見ても感動する」(56歳)
- 「となりのトトロ。子どもが小さいときから何十回も観た。今でも心豊かにしてくれます」(56歳)
- 「ET。かわいくて、泣けるし、今でも感動する」(64歳)
といった記述がありました。
後者「噛むほどに昔と味わいが変わる」は、
- 「東京物語。年を重ねても、観るたびに味わいが変わり新鮮」(61歳)
- 「マディソン郡の橋。若い頃は良い映画と思わなかったのに、年齢を重ねてから観たら美しくて切なくて泣いてしまった」(62歳)
- 「風と共に去りぬ。クラーク・ゲーブルが好き!! 観る年齢によって、感じ方が違ってくるのが面白い」(73際)
などの記述が見られました。
ハルメク世代は、繰り返し好きな映画をみることで「感動」と「発見」の2つの効用を得られるとわかっているのかもしれません。
いくつになっても、映画に心震わせながら泣きたい
年をとると、涙もろくなるといいます。
感情を抑制する脳のブレーキが緩みやすくなることもあるでしょうが、経験を重ねることで感情がより豊かになるからではないでしょうか。
実社会で多くの出会いや別れを経験してきたであろうハルメク世代。疑似体験でも半世紀以上、多くの作品に触れ、迫力あるストーリーや世界観のなかに没入し、生きる勇気やヒントをもらって、人生に彩りを添えてきたのでしょう。
いくつになっても、繰り返し感動できる映画を観て、自分の人生と重ね、心震わせながら泣きたいものです。
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