四国グルメを味わいながら

お遍路の旅〔3〕海の幸、山の幸を楽しみながら巡る

公開日:2018.08.07

更新日:2018.08.07

ストイックにお遍路さんに挑戦するのもいいですが、宿坊に泊まると決めないで、風光明媚な景色を満喫できる宿に泊まったり、四国ならではのおいしい料理を味わうのもお遍路の楽しみ。特に厳しい山道を登った後のおいしい食事は心にも浸みます。

宿坊もいいけれど、たまには休暇村も

 

五色台からの絶景。旅の疲れもどこかに行ってしまう

 

旅行で四国に行かれた方なら印象に残っているかもしれませんが、四国は自然に満ちあふれた土地です。四方を海に囲まれているので海のイメージが強いかもしれませんが、天童荒太の小説『永遠の仔』(テレビドラマ化もされましたね)でおなじみになった石鎚山など、険しい山々も目にする風光明媚な場所も少なくありません。

宿泊が宿坊ばかりではもったいないので、多少ルートから外れてもバラエティに富んだ宿を選んでみましょう。とはいいつつ、まず宿坊でオススメしたいのは七番札所・十楽寺で、ここは宿坊には珍しく個室があるのでプライベートな空間を味わうことができます。

そして宿坊といえば「朝のおつとめ」です。朝の5時半に起床しておつとめを体験するのであれば、七十五番札所・善通寺に泊まりましょう。あとはリーズナブルながら食も楽しめる国民宿舎もチェックしたいところ。休暇村瀬戸内東予、休暇村五色台は景色も抜群な宿です。

新鮮な魚や阿波地鶏など四国グルメも堪能

香川や愛媛は瀬戸内海にも面し、高知、徳島は太平洋と、魚介類は美味しくないわけがないのです。いまは流通がよくなっているので、どこでも美味しいものはいただけますが、やっぱり現地では現地ならではの食べ方があり、新鮮なうえにリーズナブルなお値段でいただけるので、そこはしっかり食べ歩きましょう。

 

四国に来たら「鯛めし」ははずせない

 

四国は「鯛めし」が郷土料理ですが、松山は松山城の麓に宇和島の有名店「丸水」が支店を出したので、足を運んでみるとよいでしょう。

もちろん本場香川の讃岐うどんは、店それぞれに特徴があって、うどんの喉越しもつゆの出汁もこだわっていますので、いろいろと廻ってみるのもいいですね。ネギは畑から自分でとってきて刻むという斬新なアイデアの店もありますし、一杯100円切りなんて店にもチャレンジしてみてください。

 

 

店ごとに個性あふれるうどんを励みに巡礼する人も少なくない

和食ばっかりで飽きちゃったという方は、愛媛・小松にある「マルブン」というイタリアンでランチなどいかがでしょう? 新居浜店ではピザもいただけます。

辛く厳しい道のりもあるけど地元の人の声がけが力に

 

 

「遍路ころがし」といわれる山道をひたすら歩き、参拝したら田中食堂のうどんが待っている

八十八霊場のなかには、バスでは行けない厳しい山道もあります。たとえば四十五番札所・岩屋寺は、車が入れるギリギリの場所から境内までは、細くて急な参道を徒歩で登るとやっと本堂にたどり着きます。

六十番札所・横峰寺は山岳信仰の山として名高い石鎚山系の山中にあるため、冬場は通行止めになってしまうような場所です。そのため、せとうちバスにあらかじめ電話して運行しているかどうか、予約ができるかどうかを確かめてから行動するといいでしょう。

十二番札所・焼山寺への道は、「遍路ころがし」といわれる山道をひたすら12.5キロ歩く、八十八ヶ所のなかでも難所のひとつです。この焼山寺への道のりのマイクロバスの停留所近くに「田中食堂」といううどん屋さんがあり、徳島うどんがいただけるのですが、これが疲れた身体をいたわるような優しい出汁なのです。

まとめ

険しい山道もある八十八ヶ所霊場巡りの楽しみは、道中の食事という方も少なくありません。無理はしないで、自分のペースを守りましょう。お遍路さんで歩いているとお水やみかん、ジュース代をくださる地元の方の心配りが身にしみて、明日も頑張ろうという気にさせてくれますよ。

幾野 杏子

いくの・あんずこ  フリーライター 酒と終着駅をこよなく愛する、アラ還ライター。国内海外問わず出掛けた地では、市場と酒場と賭場(馬、自転車、ボート)、そしてその地で一番高い場所に足を伸ばし、地元密着情報を地元民から仕入れるのがモットー。

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