人生100年時代の「50代からの婚活」

【2】今は「出会えない」時代!だから婚活が必要

公開日:2024.10.23

「自然な出会い」「ふつうの出会い」はどこにある?

 moto / PIXTA(ピクスタ)

50代婚活連載の初回記事でも触れましたが、「婚活」という言葉がブームになった2010年前後は、「女性がより良い条件の男性と結婚するための活動」という印象がありました。そのせいか、多くの男性は「お金やステイタスが目当ての女性」と思われていました。それは同性の女性も同じで、冷ややかな目で見ている人も少なくありませんでした。

筆者が40代で婚活をし始めたときも、さんざんに言われました。「そんなにお金持ちと結婚したいの?」「自然と出会ったわけじゃない結婚なんて、絶対うまくいかないよ」「そんなことしてまで結婚するのは気持ち悪い」……。

妙齢期に結婚した人を見まわすと、結婚相手は、友人の紹介やパーティや合コンなど知人からのつながりをきっかけに知り合った人か、会社の同僚や学生時代の知人など、もともと知り合いだった人…これが王道でしょう。

つまり、多くの人が「自然な出会い」と言っているものは、“日常生活で出会える人”です。運命の相手だから、わざわざ自発的に動かなくても、普通に暮らしているだけで出会える……というとらえ方なのかもしれません。

このように「自然に恋愛して結婚するのが普通」という価値観がメジャーな日本人にとって、そうではない「婚活」は、理解しづらかったのでしょう。

「自然な出会い」……実は自然じゃなかった⁉

  Ushico / PIXTA(ピクスタ)

確かに20~30代の頃は、「自然な出会い」といわれるものが多くありました。例えば、進学、就職、合コン友人の結婚式など、生活環境が変われば、新しい出会いに恵まれました。

さらに、次々と出会う人たちとの人脈から、互いの知人を誘い合う合コンなどが多く開かれて、出会いは自然と数珠つなぎに生まれていました。そんな「自然な出会い」に、大なり小なり心を躍らせていたはずです。

でもその「自然な出会い」へのお誘いは、30代頭になって周りが結婚して落ち着いていくと、激減。イベントを主催していた友人知人もいなくなっていきます。

思い返してみると、「自然な出会い」と思っているものは、実はすべて“自然”ではなく“誰かのお膳立て”によって生まれたもので、運命というよりは、単に他力本願だっただけだということに気が付くのです……。

年齢を重ねるほど、自然に“誰か”とは出会えない

 buritora / PIXTA(ピクスタ)

女性の場合、30代後半にさしかかったあたりから、周りが勝手に「あの人は結婚しない人」「あの人に結婚の話はタブー」といった余計な気遣いをはじめ、「独身主義者」「仕事に生きる人」のような存在に仕立て上げる傾向にあります。

ありがちなケースでは、当の本人は「結婚できないかわいそうな人」と思われたくなくて(全員とは言いませんが)、仕事に精を出したり、趣味や女子会などでリア充感をアピールする行動に出たり……。「今さら『結婚したい』なんて、恥ずかしくて言えない!」という状況に自ら追い込んでしまうのです。

さらには、年齢とともにムダなエネルギーの消耗を避けるため、生活環境は極力変えたくなくなります。「新しい出会いは面倒なこと」と思うようにもなるのです。

こうなると、「自然な出会い」とは縁のない生活になって当たり前。自分から行動して変化を起こさない限り、恋愛・結婚対象の人とは出会えない人生が続いてしまうでしょう。

「自然と出会って結婚する難しさ」は、若い世代の方がわかっている

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「自然な出会い」にこだわっているのは、アラフィフ世代より少し下の世代くらいまでかもしれません。若い世代は、もはや「自然に出会えない」という前提でいます。

ここで話を少し、若い人たちに向けてみましょう。今の一般的な20~30代は、合コンをほとんどしません。「気が合うかわからない人と飲み食いするのにお金と時間をかけたくない」という理由もあるようです。

また、一人で生きていくより共稼ぎで収入を増やし、家事を分担して安定した生活基盤を手に入れたいから、早めに結婚したい……という効率的かつ合理的な考え方も多く見られます。

では、どこで知り合うのか? 

なるべく効率よく、結婚でき得る相手と出会うためには、学生時代の友人から繋いでいくのが最良の手段となります。もしそこで結婚したいと思える相手と出会えなかった、その人と縁が繋がらなかったとなると、もはや、出会えるところは“あそこ”しかない……。

そう、「マッチングアプリ」!

新しい出会いは、自ら動かなければ得られない。自然な出会いなんて待っていられない。それを知っている若い世代にとっては、マッチングアプリこそ「普通に出会う」新定番の方法なのです。

もう“他力本願の出会い”に期待しない!これぞ「婚活」

 takeuchi masato / PIXTA(ピクスタ)

筆者がある有名な占い師の連載記事を作っていたとき「いつもと違う変化を起こすには、いつもと違う行動をしなくてはダメ。運命を変えたいなら、普段なら絶対にしない意外性のある行動をしなくちゃ!!」と諭されました。

そう!出会いがないなら、自分から出会いをつかみに行く!

「婚活」は、出会いのチャンスを自らつくる行為なのです。方法はなんでもOK。マッチングアプリでも、婚活パーティでも、結婚相談所でも、街コンでも……。

まだ誰かに紹介してもらえそうならお願いしてみるのもよいかもしれませんし、同窓会の幹事を買って出てもいいかもしれません。そういう行動を起こしていく中で、うっかりと「自然な出会い」が紛れ込んできたら、それはそれでラッキー!でも、それは出会いのチャンスが一つ増えたというだけのこと。

「自然な出会い」であっても、「婚活」での出会いであっても、人と人との縁が繋がったという意味では同じこと。問題はそこからどうやってその縁を紡いでいくかです。

いつも以上におしゃれをして、いつも行かないところに出掛け、いつもならしないような行動(例えば、素敵な男性に自分から声をかけるとか!)をすることは、生活だけでなく自分自身に何らかの変化をもたらしてくれるはず。

もし、結婚相手が見つからなかったとしても、これからの人生をイキイキと変える行動になるでしょう。

これからの人生をステキに生きるためにも、“自然ではない出会い”を探しに出掛けてみませんか?

※次回3回目は、「多くの人が知らない婚活ブームの真実」について、解説していきます。

取材協力

婚活初心者専門コンサルタント・三島光世さん

婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある。

清葉アキコ

雑誌編集部に在職していた20年間、「恋愛」「婚活」など女性の生き方に関する企画を多く担当。編集者として25年以上、年間1000人以上の声を聞いてきた取材・分析力や多くの専門家への取材で得た人脈や知識を活かし、恋愛・婚活ジャーナリスト/コラムにストとして独立。女性たちのインサイトに訴えかける恋愛関連記事の制作・アドバイスや、自身の「婚活」経験をもとにした婚活コラムの執筆などを行っている。

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