- ハルメク365トップ
- カルチャー
- エンタメ
- 【書評】『かっかどるどるどぅ』他2冊
雑誌「ハルメク」の編集部員がおすすめする新刊情報を毎月お届けします。今月は、仕事や介護、家族やお金などさまざまな問題を抱え、孤立して生きざるを得ない人たちを描いた芥川受賞作家の二作目『かっかどるどるどぅ』など3冊をご紹介します。
若竹千佐子著『かっかどるどるどぅ』
63歳のデビュー作『おらおらでひとりいぐも』で芥川賞を受賞した著者の2作目となる本作は、仕事や介護、家族やお金などさまざまな問題を抱え、孤立して生きざるを得ない人たちが、いかに「共に生きていく」ことができるのかを群像劇の形で描いています。
女優になる夢を捨てきれないまま、つましい暮らしを送る60代後半の悦子(えつこ)。夫を亡くし、舅、姑の介護に明け暮れているうちに68歳となってしまった芳江(よしえ)。他、30代、20代の2人とともに4人が古いアパートの一室で出会う。
そこでは、不思議な女性・片倉吉野(かたくら・よしの)が食事をふるまっていて……東北弁はもちろん、リズミカルに読み進められる豊かな文体は健在。読んでいるうちに、いつの間にか励まされる一冊です。
鈴木まもる著『身近な鳥のすごい巣』
画家・絵本作家で鳥の巣研究家でもある鈴木まもるさん。ご自身が描くリアルかつ親しみやすいイラストともに、36種類の鳥の生態、巣、卵について解説されています。
「ツバメが巣を作るとその家は繁盛する」とよく聞きますが、実はその逆。もともとは崖などに作っていたのが、人の出入りが多い家は安全ということで、家の壁に作るようになっていったそう。
賢いことで知られるハシブトガラスは、針金のハンガーで巣を作ることもあり、それは木に巻き付けて巣が落ちないようにしているためとか。ウグイス、カルガモ、フクロウなど、なじみがありながらも、巣はよく知らない鳥たちのエピソードが満載。
その姿や声だけでなく、今まで知らなかった生態にも興味が湧いてきます。
玉置妙憂(監修)PECO(まんが)『まんが版死にゆく人の心に寄りそう医療と宗教の間のケア』
看護師で僧侶の玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)さん。再発したがんの治療を続けない「自然死」を選択した夫を自宅で看取り、高野山で修行して僧侶になりました。
在宅療養中、夫に起きた体・心の変化と、玉置さんがどう受け止めてきたかが細やかに書かれた『死にゆく人の心に寄りそう』がまんが版に。
身近な人を見送ったことがあれば、玉置さんが抱いた答えのない心の葛藤に共感できるはず。また、書籍版から再録された「後悔しない看取りのために」には、大切な人との残りの時間に“寄りそう”ための具体的なアドバイスが。読みやすくヒントがいっぱいです。
雑誌「ハルメク」の連載「コトノハメクリ」の言葉がなぜ私たちに刺さるのか、よくわかります。
※この記事は2023年9月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。
-
子に遺すべき資産は?
「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは -
突然の我慢できない尿意
実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…中には上手に対策をしている人も!気軽にできる対策って? -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?