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50代からの女性のための人生相談・122
人生相談:62歳貯蓄ほぼゼロ!貯金のやり方を教えて
ファイナンシャル・プランナー、CFP(R)
畠中雅子
公開日:2023.03.19
読者のお悩みに専門家が答えるQ&A連載。今回は62歳、年金繰り上げ受給をしている女性の「貯蓄額がほぼ0円…。今後のためにも貯蓄したいのでいい貯蓄方法が知りたい」という相談に、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが回答します。
62歳女性「貯蓄がほぼゼロ!いい貯蓄方法は?」というお悩み
年金を繰り上げ受給している者です。
約半年前から長期派遣の仕事に就くことができましたが、毎月の収入は年金と合わせて手取りで25万円ほど。いつまで働けるかわかりませんが、厚生年金に加入して年金受給額を増やしつつ、貯蓄もしていきたいと思っています。
ローンはなく、持ち家なので家賃もなしという生活をしているのですが、貯蓄額は恥ずかしながら0円に近いです。
何かいい貯蓄方法があれば教えてほしいです。
(62歳女性・てちこママ)
畠中さんの回答:自動積立定期預金などを中心に
60代に入られてから、仕事に就かれたということで、がんばられましたね。
月々の収入が年金と合わせて25万円ほどということなので、働いている間は、給与が入るタイミングであらかじめ決めた金額を先に貯蓄にまわす「先取り方式」で、手取り収入の2割程度、ひと月5万円くらいは貯蓄したいところです。
貯蓄の方法は、「先取り方式」であれば、なんでもかまいません。「何かいい貯蓄法」を探すよりも、てちこママさんの場合は、安全に、確実に増やすことが望まれます。
具体的な方法としては、給与が振り込まれる銀行で、自動積立定期の契約をするのがいいと思います。
積立額を決める際のコツとして、例えば5万円を積み立てようと思うなら、5万2000円とか5万3000円のように、数千円だけ、上乗せすることを考えてみてください。
5000円や1万円の上乗せは難しくても、2000~3000円の上乗せは何とかなるもの。2000~3000円の上乗せでも、年間で考えれば3万円とか4万円の貯蓄増につながります。
貯蓄が少ないと感じている方は、リスクは取らず「安全にコツコツ貯める」ことが重要なポイントになります。
貯蓄が10万円を切ってきたら、セーフティネットも検討
現在は社会保険に加入されて、厚生年金を増やしていらっしゃると思いますが、すでに繰り上げ受給を選択されているとのことなので、年金だけでの生活に入ると、収支が赤字に転落してしまう可能性もあると思います。
いずれは年金だけで暮らす時期が訪れるわけですから、年金だけの収入だと仮定して、「年金収入に合わせた家計費の予算立て」をしてみてはいかがでしょうか。
仕事を辞めた後、つまり年金だけでの暮らしでは、どのくらいの赤字が出そうかを予想してみるのです。赤字額を予想すると、「仕事で収入を得られている今、少しでも貯蓄を増やすことがいかに大切であるか」を実感できるはずです。
年金だけの収入になった場合、毎月、あるいは特別支出などで赤字が多く出そうであれば、将来的には貯蓄が底を突いてしまう可能性もあると思います。もし貯蓄が10万円を切ってしまうような状態に陥ったら、生活保護の申請をすることも可能です。
自宅を持っていると、生活保護を受けられないと思い込んでいる方もいますが、居住地の基準額を下回る住居であれば、持ち家に住んだまま、生活保護を受けられます。
家賃に当たる住宅扶助は受けられませんが、生活扶助費や医療扶助費は受けられるのです。
医療扶助が受けられると、健康保険制度からは抜けるものの、自治体が医療費の全額を負担してくれますし、生活保護が開始すると自宅の固定資産税は免除になります。
生活扶助費から自分の年金額は差し引かれるので、手取り額がすごく増えるわけではありませんが、今よりも年を重ねて、病気で入退院するようなことがあっても、医療費のことを心配せずに済むのは安心材料ではないでしょうか。
もちろん、生活保護の利用を積極的にすすめているわけではありません。しかし、貯蓄が底を突きそうになった際の備えとして、セーフティーネットの仕組みを理解しておくことをおすすめします。
回答者プロフィール:畠中雅子さん
はたなか・まさこ 1963(昭和38)年生まれ。ファイナンシャル・プランナー、CFP(R)。『お金のプロに相談してみた!息子、娘が中高年ひきこもりでもどうにかなるって本当ですか?』(時事通信社)他、著書は70冊以上。また「ミニチュアワールドと観光列車」に造詣が深くブログを開設している。
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